【高校野球】新潟明訓と加茂暁星が決勝へ 秋季県大会準決勝

来春の選抜甲子園の出場校決定のための選考資料となる「第143回北信越高校野球・新潟県大会(秋季県大会)」は21日、三条パール金属スタジアムで準決勝2試合が行われ、新潟明訓と加茂暁星が決勝進出と北信越大会出場を決めた。新潟明訓は東京学館新潟に終盤の7回に逆転勝ち。加茂暁星は中盤に逆転し、関根学園の反撃を抑えた。新潟明訓は2017年春以来の北信越大会出場、加茂暁星は昨秋に続き2年連続の北信越大会出場となる。

決勝戦は23日に同スタジアムで行われる。北信越大会出場の残り1枠を決める第3代表決定戦は決勝前に行われる。

準決勝②加茂暁星4-2関根学園
2回裏、加茂暁星の齋藤大優(1年)が左越え2ランを放ち逆転

◎21日の準決勝の試合結果◎
<三条パール>
①新潟明訓2-1東京学館新潟
→新潟明訓が2017年春以来の北信越出場(2016年春以来の決勝進出)

(バッテリー)
学館:高野大地-神保智哉
明訓:栁下祐希、飯濱友翔-加藤麗桜
(二塁打)
明訓:高木雄哉(1回)、反町謙介(5回)

7回裏、新潟明訓が2死満塁から代打・長谷川隼人(2年)の2点適時打で逆転

[戦評]
新潟明訓はムードメーカーの値千金の一打で試合を決めた。1点リードされて迎えた7回2死満塁の場面で打席に入ったのは、代打長谷川隼人(2年)。追い込まれた後の5球目、内角にきた変化球を弾き返し逆転となる2点適時打を放った。チームの勝利に貢献し「素直にうれしい」と笑顔で話した。

「いつでもいける準備はしていた」という長谷川は背番号3をつけながら今大会、ここまで先発出場はない。それでもベンチから大きな声でチームを鼓舞してきた。この日も準決勝で硬くなっていた1年生をベンチから支えていた。島田修監督は「ここで必ずやってくれる」と勝負どころをムードメーカーに託した。「明訓で先輩方が受け継いできた背番号3。恥ずかしい思いはできない、自信を持っていった」と長谷川。役目をしっかりと果たした。

7回まで1失点と力投していた先発・栁下祐希(2年)への代打ということで「助けてやりたかった」と話す。その想いをのせたボールが遊撃手の頭上を越えて落ちた瞬間、手を高く挙げガッツポーズを繰り返した。島田監督は「本当によく打った」とたたえた。

次の決勝に向けて「優勝して明訓の強さを見せたい」と力強く意気込む。北信越大会進出は決めたが、優勝は2016年春から遠ざかっている。「強いイメージがある。明訓で野球がしたい」と明訓の門をたたいた。こんどは自らのバットで強い明訓をつくりあげる。(岡絃哉)


②加茂暁星4-2関根学園
→加茂暁星が秋2年連続で北信越出場(初の決勝進出)

(バッテリー)
関根:牧野水樹-大竹直樹
暁星:濱谷直生-齋藤大優
(二塁打)
関根:尾身颯太(5回)
暁星:大木叶亜(3回)、白﨑勇希(4回)
(三塁打)
暁星:有本一輝(2回)
(本塁打)
暁星:齋藤大優(2回・2ラン)

[戦評]
加茂暁星が「鬼門」の準決勝を突破し、初の決勝進出を決めた。夏を含め過去5回準決勝で涙をのんできた。髙橋諒監督は「このチャンスをつかもうと話をした。選手がその期待に応えてくれた」と安堵の表情を浮かべた。

加茂暁星は先制された直後の2回裏2死一塁で、齋藤大優(1年)が内角直球を振り抜くと打球はレフトスタンドに飛び込み2対1と逆転。勝利を呼び込んだ。「初球だけバントのサインを出したが、打たせたほうがいいと思った」と直感で切り替えた髙橋監督の直感があたった。

スタンドの歓声でホームランを確信したという齋藤は「五番の自分が打たないとチームが上にいけない」と話す。3回の2打席目にも適時打を放ち、この日チームの4得点のうち3点を齋藤があげた。長打が魅力という1年生が持ち味を存分に発揮した。

女房役の一発に奮起したのが先発・濵谷直生(2年)。齋藤の本塁打で「自分も頑張らなきゃ」と力投をみせた。中1日での登板ということもあり本調子ではない中、打たせてとる投球で関根学園打線を2点に抑えた。

初の決勝進出を決めたがここで満足はしていない。齋藤は「絶対に優勝したい」と力強く話す。昨年秋のシード戦で新潟明訓にコールド負けを喫している。そのとき登板していたのが濵谷。「自分が投げて負けた。借りを返す」と意気込んだ。初優勝に向けて先輩後輩バッテリーが先頭に立って戦う。(岡絃哉)


◎23日(水)の試合予定◎
<三条パール>
[第3代表決定戦]
①東京学館新潟(10:00)関根学園

[決勝戦]
②新潟明訓(12:30)加茂暁星

(取材・文/岡田浩人 撮影/武山智史 取材・撮影・文/岡絃哉)