東京学館新潟の3年生左腕・高橋駿投手(18)が6日までにプロ志望届を提出、ルートインBCリーグに挑戦する意向を明らかにした。高橋は最速137キロの左腕で、今夏の新潟独自大会では3試合で先発し、チームは4回戦で敗れたが、自身は3試合無失点の好投をみせた。取材に対し「BCリーグからNPB(日本野球機構)入りを目指して頑張りたい」と意欲を語った。地元球団である新潟アルビレックスBC入りを希望している。
BCリーグ挑戦を決めた東京学館新潟・高橋駿(3年)
高橋駿は聖籠町出身。身長166センチ、体重66キロと小柄ながら、今夏の独自大会では背番号1を付けて3試合に先発し、相手に得点を許さなかった。昨秋県大会2回戦では日本文理を相手に先発し勝利している。最速137キロの直球のほか、スライダー、カーブ、ツーシーム、チェンジアップなどの変化球をコーナーに投げ分け、打たせて取るテンポの良い投球が持ち味である。
長谷和昭監督は「2年秋から3年にかけて体の瞬発力が上がった。研究熱心で、試合中も捕手とコミュニケーションをかなり取っていた。負けず嫌いで、体が小さくても戦えることを証明してほしいと伝えていた」と高橋を評価する。
今夏4回戦では昨秋王者の北越を相手に9回を無失点に抑えた。高橋が降板した延長10回に得点を奪われ、0対1で敗れたが、高橋は「高校3年間で球種が増え、身長が低い中でも、長谷監督に教えてもらった体の使い方を意識して成長できた」と振り返る。
夏の3回戦・新潟第一戦で先発し無失点の好投を見せた高橋駿
子どもの頃からプロ野球選手になることを目標にしてきたといい、「内海哲也投手(西武)の投球術に憧れてきた。右投手ではオリックスの山本由伸投手の打たせて取る投球を参考にしている」と話す。NPB入りを目標に、BCリーグ挑戦を決め、10月14日にプロ志望届(NPBドラフト対象外)を提出した。
BCリーグの試合は「小学生の頃、五十公野球場で見た」といい、高校野球引退後の10月11日には新潟市のハードオフ・エコスタジアムで行われた新潟対福島の試合を観戦した。「新潟サポーターの応援が熱く、すごくいい雰囲気だった」と印象を語る。試合内容も「前川(哲)さんの投球を見て、球が速く変化球も切れていて、レベルが高いと思った」。東京学館新潟の1学年先輩である田村颯瀬投手(18)が活躍していることも進路選択に大きな影響を与えた。「高校時代に比べて田村さんの直球のキレが増していた。BCリーグは成長できる場所だと感じた」と目を輝かせる。
「良い投手の特徴は直球。自分にはまだ球威がない。直球を磨き、変化球で打たせて取る投手を目指したい」と今後の成長の青写真を描く高橋。「身長が低い選手にも勇気を与えられる良い投手になって、NPB入りをしたい」と力強く目標を語った。
BCリーグは7日の新潟市・ハードオフ・エコスタジアムを皮切りに3か所で入団テストとなる「合同トライアウト」を実施する。受験した選手は14日に予定される「BCリーグドラフト会議」での指名を受ければ合格となる。そのほか事前に各球団が「特別合格選手」として指定した選手はトライアウト受験を免除される。
(取材・撮影・文/岡田浩人 試合撮影/石澤朋子)