夏の甲子園出場を懸けた「第103回全国高校野球選手権・新潟大会」は22日、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで準々決勝2試合が行われた。第1試合では新潟産大附が新津工にコールド勝ちで3年ぶりのベスト4進出を決めた。第2試合では開志学園が4回に遠藤崚晟の3ランで逆転、中盤以降も追加点を挙げて北越をくだし、創部13年目で初のベスト4進出を決めた。23日も同スタジアムで準々決勝2試合が行われ、ベスト4が出そろう。
開志学園9-4北越
4回表、開志学園の遠藤崚晟(3年)が左中間に3ランを放ち、3-2と逆転
◎22日の準々決勝の試合結果◎
<ハードオフ>
①新潟産大附12-2新津工(5回コールド)
→新潟産大附が2018年以来3年ぶりベスト4
(バッテリー)
新津工:阿部拓-野口和真
産大附:仙田裕汰、吉原大翔-村山廉太郎
(二塁打)
新津工:羽田康生(2回)入倉悠仁(2回)川内永季也(3回)
(三塁打)
産大附:鈴木健太郎(2回)村上大起(4回)
◇新潟産大附・吉野公浩監督の話◇
「今まで初戦から苦労してきたので、こういうビッグイニングができると思っていなかったが、皆しっかり早いカウントから甘い球を一球で仕留めてくれた。(選手には)ここからの3試合は気持ちの勝負だと伝えた。(先発の仙田は)今まで先発で結果を出していた。仙田で入った方が落ち着いて試合に入ることができると思った。(2回の8得点は)きょうは打順を入れ替え、相手投手がボール球が多いと思ったので簡単に送らず打っていこうと思った。(ここまでの投手陣は)ウチは3人の投手で、先発の仙田と西村が試合を作って攻撃につなげる形。この4試合はいい形で入ることができている。(吉原は)ここにきて一番状態が上がっている。安心して送り出した。(次戦は)ベスト4に入り、今大会初めて私学と対戦することになる。一段と選手に燃えてもらい火の玉になって燃えてもらいたい」
◇新潟産大附・田村玲雄主将の話◇
「アウトのなり方でフライアウトが3人続いた回もあり、得点は取ることができたがアウトの内容が悪く、次の試合は走者を進めるアウトや犠牲フライで点を取るアウトなど『アウトの濃さ』を求めたい。(先制されたが)前の試合も先制されたので焦るなという声もあり、いつもと変わらなかった。(2回の同点打は)1、3塁だったので内野手のヒットゾーンも広く気楽に打てた。(ここまでの試合を振り返って)まだ接戦という形で自分たちがテーマにやってきた打撃がいかされていない。中2日ある中で準決勝はしっかり力が出せるように練習したい」
◇新潟産大附・鈴木健太郎選手の話◇
「仙田が先制点を取られたが、次の攻撃でつないで逆転できてよかった。(2回に先頭でヒットで出塁したが)ヒットは出たが状態はまだ全然なので、次に向けて状態を上げて四番らしくチームに貢献したい。(第2打席は満塁で走者一掃三塁打で)チャンスで回ってきて何としても返そうと思った。詰まったが飛んでくれた。まだ内容はよくない。チームに勢いをつけられる打撃をしたい」
②開志学園9-4北越
→開志学園が初のベスト4進出
(バッテリー)
開志:伊藤日汰-加藤啓吾
北越:山倉大武、山田直輝、小川稜太-小川稜太、田中大闘
(二塁打)
開志:和田真輝(7回)、松井貴也(9回)
(三塁打)
開志:和田真輝(4回)
北越:渡邉天(1回)
(本塁打)
開志:遠藤崚晟(4回・3ラン)
◇開志学園・川上大輔監督の話◇
「打撃がいい相手に伊藤日汰が粘り強く投げ抜いてくれた。この前の試合が終わった時から、調子がよかったので先発でいこうと決めていた。140㌔を超える球がある訳ではないが、丁寧に直球と変化球をコースにしっかり投げ分ける投手で、きょうは安心して見ることができた。先制された展開だったが選手が落ち着いて、焦らずやってくれていい結果につながった。(遠藤の3ランは)調子がよく、いずれ一本出るだろうと思っていたが、一番いい所で打ってくれて、あの一本で完全に流れがウチにきた。(打線は)最初は先制されて硬さがあったが、逆転してウチ本来の打撃ができた。(準決勝は)もう一度打撃面で雑にならずに丁寧にできるよう、修正し直して戦っていけたら。(新潟産大附については)前回(3年前)ベスト8で準々決勝で負けてしまい、ベスト4に行けなかった。その戦いを見て入学してくれた3年生なので、なんとか今回リベンジして決勝に進めるよう気を引き締めて頑張りたい」
◇逆転3ランの開志学園・遠藤崚晟選手の話◇
「チームで勝てたことがうれしい。流れが悪い時に伊藤日と松井がボールを選んでつないでくれたので、絞った球をしっかりフルスイングするようにと声を掛けられて打席に入った。(打ったのは)真ん中の直球。しっかり狙い球を強く振ることができた。結果ホームランにつながってチームの勢いをつくることができてよかった。前回の試合では自分で決めようとしてスイングがおかしくなった。その後フォームを修正した。(準決勝は)チームでしっかりつないで、チャンスで一本打てるように頑張りたい」
◎23日(金)の準々決勝の試合予定◎
<ハードオフ>
①日本文理(9:00)関根学園
②新潟明訓(11:30)東京学館新潟
(取材・撮影・文/岡田浩人)