【高校野球】日本文理が延長制す 新潟明訓は逆転勝ち 新潟大会準々決勝

夏の甲子園出場を懸けた「第103回全国高校野球選手権・新潟大会」は23日、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで準々決勝2試合が行われた。第1試合は日本文理が関根学園に延長10回の競り合いを制して春の県大会の雪辱を果たした。第2試合は新潟明訓が終盤に4点差を逆転し東京学館新潟をくだした。日本文理は夏の選手権は2年ぶり、新潟明訓は5年ぶりのベスト4進出。24日は試合はなく、25日に同スタジアムで準決勝2試合が行われる。

新潟明訓5-4東京学館新潟
8回裏、新潟明訓は2死2、3塁から小黒拓巳(2年)の中越え適時三塁打で5-4と逆転

◎23日の準々決勝の試合結果◎
<ハードオフ>
①日本文理5-2関根学園(延長10回)

(バッテリー)
文理:田中晴也-竹野聖智
関根:滝澤夏央-大竹直樹
(二塁打)
文理:岩田大澄(4回)、田中晴也(10回)
(三塁打)
文理:土野(5回)
関根:村上斗海(4回)

◇日本文理・鈴木崇監督の話◇
「いくつかの負けを含め、この3年生の気持ちのこもった日頃が、延長という形にはなったが耐えることができ、最後は田中が柱として打って守ってくれたのがうれしかった。何よりこの日を迎えるにあたり3年生全体が組み合わせから一丸になれたことがきょうにつながっている。春の結果を含め、いろいろな重圧がある中、選手には自分に勝とう、先輩たちの文理に勝とう、ということしか声を掛けられなかった。試合中はミスもあったが、すぐに挽回してくれた。(田中は)すごい選手。3年生もしっかりケアしてくれた。(準決勝へ)日本文理として意地がある。優勝旗に向かって頑張りたい」

◇日本文理・岩田大澄選手の話◇
「(延長で2点適時打)打ったのは真ん中低めのスライダー。前の打席から当たっていたので初球からどんどん振っていこう、走者を還そうという強い気持ちだった。春に敗れてから、この日のためにやってきて必ず勝ち切るといういいイメージで全員で戦った。結果としてあらわれてよかった。(準決勝へ)甲子園で勝つことが自分たちの目標。目の前の1勝を勝ち切りたい」

◇日本文理・田中晴也選手の話◇
「アップをしている時から何回も春の負けた悔しさが思い浮かんだが、やってやろうという気持ちが強かった。(投手として)前半は硬くなったが、後半は気持ちで投げ負けず自分のリズムで投げられた。きょうは走者が出ても焦らず、(1イニングで)複数失点がなかったのがよかった。春の逆転負けから勝つための練習をしてきた。みんなが自分を支えてくれた。(完投は)行けるところまで全力で投げ込もうと思っていた。(延長10回の勝ち越し二塁打は)直球。外のシュート気味のボール。自分と四番の渡邊さんでそろそろ一本出そうと話していた。今までいろいろな人に支えてもらってきた。ここで打って、みんなの笑顔を見たいという気持ちだった。スタンドもベンチも喜んでいる姿を見てうれしかった。(最後の守りで)先頭打者が出て、春が頭をよぎったが、自分の投球を心掛けようと思った。(準決勝へ)あと2勝で甲子園という舞台に行けるが、目の前の一戦に全員一丸となって一瞬も気を抜かず、勝ちに導けるようプレーしたい」


②新潟明訓5-4東京学館新潟

(バッテリー)
学館:中町龍之介、清田太陽、高野大地-神保智哉
明訓:飯濵友翔、栁下祐希-加藤麗桜
(二塁打)
明訓:小黒拓巳(7回)
(三塁打)
明訓:小黒拓巳(8回)

◇新潟明訓・島田修監督の話◇
「野球の怖さを、特に下級生は経験できたのでは。こういう試合をモノにしていかないと強いチームにはなれないと思うので、いい経験だった。序盤にイヤというほど攻撃のミスをしてしまって、中町くんをすっかりリズムに乗せてしまった。守備のミスも出たが、序盤の攻撃ミスが痛かった。いい投手だとわかっていたが、最初にリズムを持ってこれなかったのが苦しむ原因だった。(イニング間で)絶対に諦めるなと声をかけた。2年生には取り返せと言った。(2年生の小黒が打ったが)大変なこと(5回の悪送球)をやらかした(笑)。ただ彼は下を向く選手ではない。最後の適時打を打つ前は『必ず取り返す』と言っていた。本当によく打ってくれた、取り返してくれた。(準決勝へ)本当に苦しい試合を勝ち上がってきた日本文理で、苦しい試合になることはわかっているが、ウチもきょうで1つ強くなれたかなと思うので挑戦者としてぶつかりたい」

◇新潟明訓・小黒拓巳選手の話◇
「5回に自分の暴投で3点を取られ、気持ちが弱った部分があったが、島田監督や先輩が励ましてくれて、この先輩たちと甲子園に行きたい、3年生とまだ野球がしたいという思いが最後のヒットになった。(逆転打は)みんながつないでチャンスで回してくれたおかげ。去年秋に高野投手から打ち取られ悔しい思いをしていたので、高野さんを打ちたいと思って打席に立った。(打ったのは)真ん中高めの真っすぐ。変化球が外れたので次は真っすぐが来ると思った。自分のミスは自分でカバーするのが仕事だったと思い、逆転打が打ててうれしい。(準決勝へ)手ごわい相手。ミスを潰して、次の試合に臨みたい。日本文理の田中は小学校からやってきて、中学では県選抜で同じチームだった。近くでずっとプレーしてきたので、同じ長岡市出身の者として負けられない」


◎25日(日)の準決勝の試合予定◎
<ハードオフ>
①新潟産大附(10:00)開志学園
②新潟明訓(13:00)日本文理

(取材・撮影・文/岡田浩人)