野球人口の減少が各地で課題となる中、新潟市の中心部で活動する小学生軟式野球の6チームが新たに立ち上げたリーグ戦「新潟信濃川リーグ」が3日、初年度の全日程を終了した。野球の普及や選手育成を目的に今年度からスタートし、選手の試合出場機会の確保や近隣チーム同士の交流を実現するために独自のルールを設定しながら、7月からリーグ戦を行ってきた。
この日は新潟市の西海岸公園野球場でチーム表彰と個人表彰のほか、6チームの選手が学年ごとに試合を戦う交流戦「オールスター戦」を実施し、選手たちが躍動した。
6年生同士による「オールスター戦」
7月から試合出場機会の確保など育成を目的としたリーグ戦を行ってきた
「新潟信濃川リーグ」は新潟市の中心部で活動する6チームでつくる実行委員会が企画して、今年度から活動をスタートさせた。野球人口の減少が深刻化する中、選手の試合出場機会を増やすことや、選手の積極性を育てる独自のルールを設け、普及と育成に力点を置いた。従来の大会で採用されてきたトーナメント戦ではなく、約3か月間をかけた「リーグ戦」で選手の成長を促す仕組みを採用した。
リーグ戦は1日2試合、1チームあたり計10試合を戦った。低学年の選手も出場できるよう工夫し、1日2試合のうちで参加選手が必ず1打席以上の出場機会を与えることなどをルール化。試合でのプレーやチームへの貢献などに対し、試合ごとに個人賞を設けて表彰してきた。また、2試合目では選手の積極性を促すため、1ボール1ストライクから各打席を始め、盗塁は禁止し、パスボールやワイルドピッチによる進塁も禁止し、選手が失敗を恐れないよう工夫をした。
初年度のリーグ戦の結果は以下の通り。
優勝・紫所ビクトリーズ(8勝1敗1分 勝率・889)
優勝旗を渡された紫所ビクトリーズの相馬希至主将(上所小6年)
相馬主将は大会MVPも獲得した
大会MVPを獲得した紫所ビクトリーズの相馬希至主将(上所小6年)は「チーム一丸となって諦めず頑張って結果、優勝できた」と笑顔を見せた。4きょうだいの末っ子で「3人の兄が野球をしていたのがきっかけ」で野球を始めたという相馬主将は「将来の夢はプロ野球選手になること。巨人の岡本和真選手のようになりたい」と目を輝かせた。
実行委員会では来季は2チーム増やし、8チームによるリーグ戦を計画している。開催時期も3月下旬からスタートさせ、シーズンを通したリーグ戦を行い、選手育成と普及に力を注ぎたいとしている。
(取材・撮影・文/岡田浩人)