「第105回全国高校野球選手権記念大会」に新潟代表として初出場を果たした東京学館新潟高校のベンチ入りメンバー20人を2回に分けて紹介する。
※名前・読み方・学年・守備位置・出身中学(硬式出身チーム)・身長体重・投打
⑩込山優気(こみやま・ゆうき)・3年・投手
燕市立吉田中・180センチ・72キロ・右投げ右打ち
右のサイドスロー。下手投げに近い腕の位置から120㌔台中盤の直球、横の変化球で打者を打たせて取る。「他の投手と違う角度が持ち味」。中学から投手で上手投げだったが、高校2年生の夏に旅川監督からの指導で腕の位置を下げた。「最初は制球がうまくいかなかった」と言うが、ヤクルトの高津臣吾監督の現役時代のフォームを動画サイトで観ながら「体の使い方を勉強した」。決勝の9回に登板し見事に無失点で抑えた。「チームでは継投で繋ぎ、“全員で一人のエース”と掲げている。その一人になれるよう頑張りたい」。
⑪杉山陽生(すぎやま・はるき)・3年・投手
阿賀野市立京ヶ瀬中(新発田シニア)・174センチ・82キロ・左投げ左打ち
エース涌井と並ぶサウスポー。「日本文理と中越を倒して甲子園に行きたかった」と東京学館新潟に入学。今夏の準々決勝・日本文理戦で先発に抜擢され、決勝の中越戦ではピンチの3回途中から登板し、試合を立て直した。持ち味は「思い切りのよさ。内角を突く投球」で、130㌔台前半の直球とカーブ、スライダーなど横の変化球で勝負する。「マウンドに上がったら自分が一番だと思って強い気持ちで投げる」と話す。「自分のほかにもいい投手がいる。甲子園でも思い切り投げたい」と意気込む。
⑫本間一(ほんま・はじめ)・2年・捕手
新潟市立岩室中・176センチ・74キロ・右投げ右打ち
控え捕手で、新潟大会では出場機会がなかったが、継投が基本線の東京学館新潟の投手陣をブルペンで支える縁の下の力持ち。「投手陣を100%の状態で試合に送り出せるよう、ブルペンでつくることを意識している」と自らの役割を話す。小学生の頃から捕手。岩室中の憧れの先輩が東京学館新潟で活躍していたことから門を叩いた。「学館で甲子園初出場に貢献したいと思っていた」。次なる目標は甲子園での初勝利。「継投の準備をしっかりしたい。裏方として投手を最高の状態でマウンドに送り出したい」と決意を語る。
⑬渡邉倖大(わたなべ・こうだい)・3年・内野手
小千谷市立小千谷中・175センチ・88キロ・右投げ右打ち
右の代打の切り札。新潟大会決勝では2点を追う8回、エース涌井に代わって代打で送り出された。旅川監督の思い切った決断に「絶対に一本打とうと狙っていた」とライトオーバーの適時二塁打を放って、9回のサヨナラ劇へと繋げた。東京学館新潟に入学したのは「いとこがいたから」。そして「甲子園に出ていなかったので自分がいるときに初出場したいと思っていた」。慣れない寮生活での苦労も、決勝の一打と仲間の笑顔で報われた。「甲子園でも一本出してチームの勝利に貢献したい」とその瞬間に備えている。
⑭松浦翼(まつうら・つばさ)・2年・内野手
長野・櫻ヶ岡中(長野東シニア)・171センチ・71キロ・右投げ左打ち
2年生ながら新潟大会では三塁手として全6試合にフル出場。堅守、そして「バントを一発で決めること」という持ち味が指揮官の厚い信頼を得ている。長野県の出身で「中学時代の先輩が東京学館新潟に来ていた。自分も県外のチームでやりたいと思っていた」と新潟市にやって来た。初優勝の瞬間は一塁走者で、二塁ベース上から「ダッシュでホームベースに駆け寄って、歓喜の輪に加わった」と笑顔を見せる。甲子園では「自分の持ち味を発揮し、守備では堅い守備を見せたい」と力を込める。
⑮長峯銀士(ながみね・ぎんじ)・3年・内野手
村上市立村上東中・162センチ・60キロ・右投げ左打ち
内野手の控えで、試合では一塁ベースコーチを務める。「選手が気持ちを楽に打席に立てるような声かけを心がけている」というほか、「常に投手のけん制のクセを研究している」とその目に力を込める。県北の村上市の出身で、東京学館新潟には「八幡と宮嶋の2人から『一緒に行かないか』と誘われて」進学を決めた。内野守備では「体で止めて必ずアウトにする」と誓い、甲子園でも一塁ベースコーチとして観察眼をいかし「一番の佐藤明日葵の盗塁をアシストしたい」と意気込む。
⑯芝陸斗(しば・りくと)・1年・内野手
小千谷市立片貝中(長岡東シニア)・168センチ・56キロ・右投げ左打ち
1年生で唯一のベンチ入り。持ち味は内野守備の堅さで「迷ったときには前に出る。正確な送球にも自信がある」と話す。中学時代は三塁手で、全国大会でのプレーも経験した。東京学館新潟が「守備のチームと聞いて、得意の守備をいかせると思い、自分に合っていると思った」と進学を決めた。決勝では「ベンチにいる3年生の思いが伝わってきた」と言い、「甲子園は小さい頃からの夢の場所。3年生と少しでも長く野球ができるよう、自分ができることを精いっぱい頑張りたい」と誓っている。
⑰芳賀敬太(はが・けいた)・3年・外野手
田上町立田上中(新潟北シニア)・178センチ・79キロ・右投げ右打ち
外野手として試合後半の守備固めで起用されるほか、新潟大会では三塁ベースコーチを務めた。「相手の外野手の状況、肩の強さ、味方選手の足の速さなど的確な状況判断が求められる。得点に繋がる大事な役割」と自らのポジションの重要性を理解している。「佐藤と渋川は足が速く、自信を持って回すことができる」とチームメイトの足に信頼を置く。決勝で戦った中越の中堅手・大矢一颯は「幼い頃から一緒に野球をやってきた」という仲。「大矢の思いも背負って頑張りたい」と甲子園での全力プレーを誓う。
⑱神保我心(じんぼ・がしん)・2年・外野手
長岡市立大島中(長岡シニア)・173センチ・68キロ・右投げ右打ち
外野手の控えで、新潟大会では代打や代走にも起用された万能型の選手。持ち味は「初球から積極的に振りに行く打撃と選球眼のよさ」。東京学館新潟に進学を決めたのは、「中学3年生のときに試合を見たこと」がきっかけ。一昨年夏の準々決勝で新潟明訓と終盤まで競り合いながら逆転負けを喫したが、「いいチームでここでプレーしたいと思った」という。甲子園では「ベンチでしっかりサポートすること。声を出すこと」と3年生を支える。「自分が出る場面がきたら期待に応えたい」と話す。
⑲鈴木健太(すずき・けんた)・3年・外野手
燕市立分水中(新潟西シニア)・172センチ・79キロ・右投げ左打ち
新潟大会の決勝では4点を追う5回に代打で起用され、適時三塁打を放って打点を挙げ、反撃ののろしを上げる一打をマークした。持ち味は「打席での積極性」で外野守備では「事が起きる前に周りに伝達できるプレーを心がけている」と話す。東京学館新潟には「中学時代のチームの先輩がいて一緒にやりたかった」と進学を決めた。「優勝の瞬間、達成感が大きかった。甲子園ではワンプレー、ワンプレーを恐れず、最後は1点差を勝ち切る野球をやりたい」と意気込む。
⑳国原穂(くにはら・みのる)・3年・投手
新潟市立東新潟中・182センチ・76キロ・右投げ右打ち
右のオーバーハンドから投げ下ろす角度のある直球が武器・。新潟大会では1試合に登板し2回を投げて無失点。持ち味は「テンポのよい投球」で、「バックの守備が守りやすいように意識して投げている」と話す。東京学館新潟には「中学時代のライバルに負けたくないと、そのライバルとは別の学校を選ぼうと入学した」。大会直前に最後の背番号を託された。「背番号をもらえなかった3年生の分も、100%の力を出せるように投げたい」と甲子園での活躍を誓っている。
◎部長 永田智大(写真左) ◎監督 旅川佑介(写真右)
<旅川佑介監督プロフィール>
1982年、新潟県生まれ。六日町高-文教大。県立高校教諭を経て、2011年から東京学館新潟に。野球部長を経て、2021年秋から監督。国語科教諭
<永田智大部長プロフィール>
1993年、東京都生まれ。聖望学園高-国士舘大。国士舘高コーチを経て、2021年に東京学館新潟へ。今春から野球部長。保健体育科教諭
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(取材・撮影・文/岡田浩人)