【NPB】ソフトバンク・椎野新が現役引退を表明 村上桜ヶ丘高校出身

NPB(日本野球機構)のソフトバンク・椎野新投手(28歳・村上桜ヶ丘高出身)が30日、現役引退を表明した。プロ通算78試合に登板し、6勝4敗8ホールド、通算防御率3・87の数字を残したが、今季終了後に球団から来季の契約を結ばないと通告を受けた。椎野投手は取材に対し、「やり切った、という気持ち。6年間のプロ野球生活で二度とできない経験をさせてもらった」と話した。今後はソフトバンク職員としてチームを支える。

現役引退を表明したソフトバンクの椎野新(村上桜ヶ丘高出身)

椎野投手は胎内市出身。身長196センチの長身から投げ下ろす力のある直球を武器に、村上桜ヶ丘高校では3年春にエースとして県大会優勝の立役者となった。3年夏は準優勝で甲子園出場はならなかったが、その後は国士舘大でエースとして活躍し、2017年秋のドラフト会議でソフトバンクから4位指名を受けて入団した。150㌔を超える直球を武器に、2年目の2019年には一軍で36試合に登板し、5勝を挙げてチームの日本一に貢献した。今季は11試合に登板し、0勝1敗、防御率3・86の成績だった。シーズン終了後の10月に球団から戦力外通告を受けていた。11月に行われた12球団合同トライアウトは参加せず、NPB球団からのオファーを待ったが、最終的に現役引退を決意した。

椎野投手は新潟野球ドットコムの取材に対して以下のように答えた。

Q引退を決めた理由は
椎野投手(以下椎野)「シーズン初めから『今年ダメだったら引退しよう』と思っていました。球団から戦力外を伝えられたときに『やり切った』という気持ちがありました。4年目の2021年に1回も一軍に上がれなかったとき、このまま終わってしまうかもしれないと思ったことがあり、それからはできるだけ後悔のないようにと思って、22年、23年と過ごしてきたので、そういう気持ちになったのかもしれません」

Qプロ6年間の一番の思い出は?
椎野「やはり(2020年に)日本シリーズで投げたことですね(巨人との第2戦で9回に登板し勝利に貢献)。1年目でもクライマックスシリーズで投げさせてもらって…日本シリーズはすごく思い出に残っています」

Q高校2年生の冬に、村上桜ヶ丘高校の松田忍監督から「本気でプロを目指してみないか」と言われて、ずっとプロの舞台で投げることを目指してきました。
椎野「最初は両親や周りで応援してくれる人のためにプロ野球選手になりたいと思っていました。その後、大学を経てドラフト指名を受けて、プロ野球の世界に入ることができ、自分自身でも夢を見させてもらったような感覚があります。二度とできない経験を、6年間という期間でしたが経験できたこと、感謝という言葉では言い表せない感情があります」

2019年12月には新潟市で野球教室に参加し、子どもたちを指導した

Q今後は
椎野「ソフトバンクの職員として現場に近い場所で仕事をすることになります。将来的には指導者として大学やプロの世界で教えることができればとも思っています。いずれは新潟に帰りたいという気持ちもあります。まずはいろいろな経験をして、野球を学んでいきたいと思っています」

Q新潟の人たちにメッセージを
椎野「自分がなりたいと思えばプロ野球選手になれるので、子どもたちには新しい世界に飛び込んでほしい。自分自身は高校2年生のときに松田監督に『プロになれる』と言われ、自分がプロ野球選手を目指せるんだと思って…そこから5年でプロ野球選手になることができました。考え方によっては、もっと早く目標にすれば早くプロになれる子もいると思います。自分の可能性を広げてほしい。これまで新潟の皆さんからいただいた応援の声に感謝の気持ちでいっぱいです」

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(取材・撮影・文/岡田浩人)