【女子野球】開志学園女子野球部が初の練習試合

県内初の女子硬式野球部としてことし春活動をスタートさせた開志学園女子硬式野球部が20日、初の練習試合をおこなった。対戦相手は中学生の硬式野球チーム・新潟江南シニアで女子がピッチャーを務めた以外は全員男子選手のチームだった。

20130420開志練習試合①
20130420開志練習試合②
20130420開志練習試合③

開志学園の選手は、中学時代に男子と同じチームでプレーしていた選手がほとんどで、実戦経験が乏しいため、守備で基本的なミスが目立った。開志学園は最終回に1点を返したものの1-15で敗れた。若泉瀬菜選手は「みんな初めての試合で嬉しかったが、緊張やプレッシャーがあった。エラーした時の気持ちの面でまだ甘いところがあった」と反省した。
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試合後、反省点を述べ合う選手たち

冨岡雄太監督は「エラーしたり打てないことは仕方ないが、勝ちたいという気持ちだけは持って欲しい。1球に対する集中ができていなかった。試合をやらないとわからないこともある」と初めての実戦を振り返った。開志学園は21日も練習試合をおこなうほか、大型連休中には宮城県と山梨県へ遠征をおこなう予定。

(文/岡田浩人)


【女子野球】開志学園女子硬式野球部が初練習

新潟県内初の高校女子野球部となる開志学園女子硬式野球部が24日、新潟市江南区のグランドで初練習をおこなった。4月に入学する新1年生17人のうち、16人が初練習に参加し汗を流した。
20130324開志初練習①

春の陽射し、やや肌寒い風が吹く中、県内初の女子硬式野球部がスタートした。練習開始前には冨岡雄太監督が「大きな声で挨拶、そして指示には大きな声で返事をすること。それができなければダメ」と練習に当たっての心構えを示すと選手たちは大きな声で「ハイッ」と返事。その後、「行くぞ!」の大きな掛け声でグランドに飛び出すと、ランニング、キャッチボール、トスバッティングで硬式球の感触を確かめた。
20130324開志初練習②
20130324開志初練習③

既に中学時代に硬式球を扱っていた選手もいる一方、軟式用グローブで練習に臨んだ選手もいたが、ボールの違いに戸惑う様子は見られなかった。内外野ノックでは冨岡監督の速い打球に何とかくらいつこうという姿勢を見せていた。1期生の部員は全部で17人で、そのうち県内出身者が5人、県外出身者が12人。初めて一緒にプレーする仲間と声を掛け合いながら約2時間の練習を終えた。新潟市北区出身の頓所葉月さん(15)は「軟式球と違って硬式球は飛ばないので筋力をつけなければと感じた。初めてだけどいいチームワークでできて楽しかった」と笑顔を見せた。
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冨岡雄太監督は「自主練習をしてきた選手もいて、最初にしてはみんな良い動きだった。礼儀や挨拶をしっかりして人間的に成長させたい。目標は全国大会での優勝」と話した。今後はグランドでの練習を中心にチームのレベルアップを図り、県外遠征での練習試合を経て、8月に予定される最初の公式戦での勝利を目指す。

(取材・撮影・文/岡田浩人)


【女子野球】開志学園女子硬式野球部の1期生が入寮

新潟県内初の高校女子硬式野球部として、この春から本格的に活動をスタートする開志学園女子硬式野球部の1期生となる女子部員が23日、入寮し、新潟市中央区での寮生活を始めた。寮に入るのは新潟県外から入学する12人。寮での生活指導は冨岡雄太監督がおこなう。
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寮に到着し荷物を運ぶ宮下真衣さん

山梨県富士吉田市から来た宮下真衣さん(15)は、小学2年生から野球を始め、中学時代は地元の硬式野球チームで唯一の女子選手として男子にまじって活躍した。ポジションはサード。高校でも野球を続けたいと思っていた時に、関東の大会で開志学園に女子硬式野球部ができる話を聞き、入学を決めた。「1期生でチームを作っていくのが楽しいと思った。1年生からレギュラーをとれるよう頑張りたい。夢は女子プロ野球選手」と目を輝かせた。母親の奈巳さんは「心配もあったが、小学生の時から本人が高校でも野球をやりたいと言っていた。まさか新潟まで来るとは思っていなかったが、甘えは通用しないので頑張ってほしい」とエールを送った。
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入寮後、グローブを手にする柏倉悠起奈さん

山梨県北杜市から来た柏倉悠起奈さん(15)は、小学生の時に兄に誘われ野球を始め、中学では硬式野球チームで外野手をやってきた。「インターネットで調べていたら女子硬式野球部ができるとわかった。ことしからできるチームというのに魅力を感じた。みんなでチームを作っていけたらいいなと思う。1試合でも多く試合に出たい」と意気込んだ。母親の三四子さんは「硬式野球をやりたいと自分で進路を探してきた。自分を信じて目標に向かって前に進んでほしい」と励ました。

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    寮生を迎え入れる冨岡雄太監督

日本文理高校で2004年夏の甲子園に出場した冨岡雄太監督(26)は、初代監督就任が決まってからのこの1年間、部員集めのために全国を奔走した。各地の大会を視察し、女子選手に声をかけてきた。その結果、新潟県内から5人、県外から12人が集まった。寮には県外出身の12人が入る。冨岡監督は「ようやくこの日が来たという気持ち。練習は厳しい指導をするが、寮では子どもたちの相談に乗れたらと思う。挨拶などの礼儀ができるよう指導し、新潟の人たちから応援されるチームを作りたい。まずは公式戦の1勝を目標に、最終的には全国大会での優勝を目指したい」と力を込めた。

開志学園女子硬式野球部は、あすから野球部のグランドで練習を開始。初の対外公式戦は8月に予定され、そこでの初勝利に照準を合わせる。

(取材・撮影・文/岡田浩人)


6月に初の凱旋試合を迎える新潟県出身の女子プロ野球選手・益田詩歩さん

女子プロ野球選手となった今も、「自分の野球の原点は長岡」と言い切る。

益田詩歩選手、1988年長岡市生まれの24歳。
身長164センチ。右投げ左打ち。すらりと伸びた手足、さわやかな笑顔が印象的な女性だ。
2010年に開幕した日本女子プロ野球リーグ。
その1年目から活躍する新潟県出身の唯一の女子プロ野球選手だ。
今季から新しくできた「ノースレイア」に所属する。
20130224益田詩歩選手

野球を始めたのは長岡市立川崎東小学校4年生の時。
「当時、女の子が野球をするのは珍しくて、目立ちたかったんです」
小学校6年生の時の夢は「プロ野球選手」。巨人の長嶋茂雄終身名誉監督に憧れたというから、この年代の女の子にしてはかなりのツウだ。巨人のユニフォームに袖を通す自分を夢見ていたという。

中学校では硬式野球チームの長岡シニアに入団。女子選手は1人だけだった。
そこで男子とのレベルの差を痛感したという。
「当時の長岡シニアは全国大会へ行くほどの強いチームでした。自分は打撃も非力だし、肩も弱いし・・・でもどうやったらチームに貢献できるかをずっと考えていました。チームには日本代表に選ばれるような男の子もいて、その選手の動きを見て勉強したり、練習の時から1球1球を大事にする姿勢を見て、野球への取り組み方を学びました」
男子にまじって公式戦に出場したのはわずか2打席のみ。その最後の打席でヒットを放つとチームのみんなが自分のことのように喜んでくれた。

中学卒業後に選んだ進路は、女子硬式野球部の強豪・埼玉栄高校だった。
「女子の中でトップ選手になりたい」
高い志を持って過ごした3年間。全国制覇も経験した。
国士舘大学に進学後も、硬式野球部の練習生として男子にまじって練習に励んだ。
しかしどんなに頑張っても、女子では「プロ野球選手」になれないことを実感した。
そんな時、父親から「ゴルフならばプロ選手になれる」と言われた。
「ゴルフの世界でプロを目指してみよう」・・・大学2年生の時に休学し、オーストラリアにゴルフ留学。野球は諦めた、つもりだった。

2009年秋、留学先のオーストラリアで日本に女子プロ野球のリーグができることを耳にした。
子どもの頃から思い続けた「プロ野球選手」の夢が叶うかもしれない・・・。
自分の中で野球への思いが膨らむのを抑えることができなかった。
居てもたってもいられず日本へ帰国。プロテストとなるトライアウトを受験した。
持ち前のガッツとシュアなバッティング、広い外野の守備範囲を買われ見事に合格。
2010年4月、兵庫スイングスマイリーズの選手として念願の「プロ野球選手」としてデビューした。
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「自分はそんなに足も速くない。ホームランが打てる長打力がある訳でもない。でもチームの中で何ができるかを常に考えています。それは長岡シニア時代に男の子にまじってどうやったらチームに貢献できるか考えていたことが生きています。足が早くなくても捕手の構えを見て守備位置を決めることでカバーしたり、常に頭を使ってチームに貢献することを考えています」

益田選手は2010年、2011年は兵庫に、2012年は大阪ブレイビーハニーズに所属。3年連続で所属チームがリーグ優勝に輝いた。特に2012年はレギュラーとして39試合に出場し、打率2割7分7厘、7盗塁とリーグ優勝に貢献した。

今シーズン、女子プロ野球リーグは3球団から4球団に増え、関東にもチームが誕生した。益田選手は「ノースレイア(北日本)」に所属する。
6月22日(土)23日(日)は新潟県では初の女子プロ野球の公式戦が見附運動公園野球場で開催されることが決まった。地元での凱旋試合へ気持ちも高まる。

「素晴らしい力を持った選手たちの中で、自分は考えながらプレーすること、1プレー1プレーを見る力は誰にも負けないつもりです。私はそれほど力があった訳でも、うまかった訳でもなかったけれど、プロ野球選手になることができた。そういう姿を新潟のファン、特に女子野球を頑張っている女の子たちに見せたい。今シーズンの目標はチームを優勝させること。でも私の使命は女子野球を日本に広めることなんです」

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(取材・文/岡田浩人 写真協力/BBガールズ普及委員会)


【女子野球】女子プロ野球選手が新潟の女子選手と触れ合う

新潟県内の女子野球の普及活動をおこなっているBBガールズ普及委員会は24日、長岡市に女子プロ野球選手を招き「ウィンターフェスタ」を開催した。県内の女子小学生選手53人と女子中学生20人が参加し、JWBL女子プロ野球の益田詩歩選手(ノースレイア・長岡市出身)と大田秀奈美選手(イーストアストライア)、そして元プロの坪内瞳さんの3人と野球教室などで触れ合った。県内の女子野球の人口は年々増加傾向にあり、4回目の開催となった今年の参加者は70人を超え、益田選手は「新潟は日本で一番、女子野球の熱が高いと感じる」と笑顔を見せた。JWBLは6月22、23日に見附運動公園野球場で新潟県内では初めてとなる女子プロ野球の公式戦を開催予定。

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バッティングを指導する長岡市出身の益田詩歩選手

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ピッチングを指導する大田秀奈美選手

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守備を指導する坪内瞳さん

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70人を超える新潟県内の野球女子選手が集まった