【社会人野球】日本選手権予選が5日開幕 バイタルの新守護神・江村「3試合全部投げる」

社会人野球の「第40回日本選手権」(11月1日から京セラドーム大阪で開催)への出場切符をかけた北信越地区最終予選が5日から富山市民球場アルペンスタジアムで開催される。新潟県からは3年連続の本大会出場を目指すバイタルネットと初出場を目指すJR新潟の2チームが出場する。最終予選には5チームが参加し、本大会出場枠1を争う。

◎北信越最終予選の組み合わせ◎
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◎都市対抗と初のダブル出場を目指すバイタルネット◎
バイタルネットは7月に東京ドームでおこなわれた都市対抗野球大会に続いて日本選手権への“ダブル出場”を目指す。三富一彦監督は「チーム内のトップ選手の中に故障や体調不良の選手がいる」と最終予選への懸念を口にするが、「全体的に底上げはできているので代わりに出てくる選手は間違いなくいる。新しい選手も使いたいし、楽しみな最終予選」と明るい口調で話す。7月の都市対抗では初戦で東京ガスに0-1で惜敗。ただし収穫もあった。今季からストッパーを務める3年目の江村知大(24歳・長岡高-早稲田大)の確かな成長だ。

バイタルネットの新守護神・江村知大投手

都市対抗では最終回に登板。直球のスピードは自己最速の147キロを計測し、1イニングを打者3人で抑えた。都市対抗後のオープン戦でも「ほとんどの試合で投げさせた。対打者への投球で実戦経験を積み、マウンド上で落ち着いてきた」と三富監督がその成長ぶりに期待を寄せる。江村自身も「都市対抗のマウンドを経験させてもらって、自分の投球を確立できるようになってきた。初めてともいえる大舞台で腕を振ってしっかり球速を出せた」と手応えを感じている。都市対抗後はNPBのスカウトも視察に来た。江村は「プロを目指して社会人に入った。一時はあきらめかけていたが、まだ行ける、上を目指せるんだという気持ちになった」とさらなる飛躍を誓っている。地元新潟の津南町出身。「(最終予選は)3試合全部投げる気持ち。お世話になった人たちに野球で恩返ししたい」。再び全国のマウンドに立つことを目指し、この最終予選はフル稼働するつもりだ。

(取材・撮影・文/岡田浩人)


【社会人野球】悲願の都市対抗初勝利へ バイタルネットが健闘誓う

7月18日に東京ドームで開幕する「第85回都市対抗野球大会」に3年ぶり3度目の出場を決めたバイタルネット(新潟市)が、都市対抗での初勝利を誓い調整を重ねている。1日には三富一彦監督らが新潟市役所の篠田昭市長と面会し、「新潟市を代表して精一杯プレーして勝ちたい」と決意を語った。

篠田昭市長(左)に健闘を誓う三富一彦監督、北村亮主将、西田健志マネージャー

バイタルネットは6月8日にハードオフ・エコスタジアムでおこなわれた北信越2次予選で優勝し、3年ぶりとなる都市対抗本大会出場を決めた。三富監督は「2次予選前に(バイタルネットの)鈴木淳会長が亡くなり、何としても北信越で優勝したかった」と特別な思いで臨んだ大会だったと話し、本大会に向けて「一線級のチームと戦うには投手力。無駄な失点をせず接戦に持ち込まないと勝機が見えない。2次予選は防御率0.75と投手陣が頑張ってくれた。本大会でも投手陣の出来がポイントになると思う」と意気込みを語った。

3年ぶりの都市対抗本大会出場を決め喜ぶナイン(写真:バイタルネット提供)

篠田市長が「65年ぶりとなる新潟市のチームの勝利を市民も期待している。(3年前の)前回もあと一歩という試合だった。悲願の勝利を市民をあげて待ち望んでいます」と激励すると、北村亮主将は「過去2回は初戦で敗退している。今年はこれまでの経験をいかしてまず1勝。市民の代表として市民に勇気と感動を与えられるようなプレーをして一戦必勝で戦ってきます」と勝利を誓った。

三富監督は「先発投手の出来がポイント。曽根、中島の両左腕に頑張ってもらって、接戦に持ち込みたい。先制点が取れれば勝機が見えてくる。打線は若い4番打者の丸山が中心。その前後の中堅・ベテランに頑張って欲しい」と期待を寄せた。北村主将は「普段通りの野球ができれば間違いなく勝機はある。打撃はファーストストライクを打つことで得点力アップにつながるので意識付けをしたい。目標はベスト8を目指す中で何が何でも1つは勝ちたい」と抱負を述べた。


エコスタで調整をおこなうバイタルネットの選手たち

チームは4日まで新潟市のハードオフ・エコスタジアムで調整をおこなう。7日から宮城県仙台市で2次キャンプに入り、七十七銀行やJR東日本東北などとオープン戦をおこなう。15日に東京入りし最終調整に入る。初戦は東京ガスと七十七銀行(仙台市)の勝者と23日に対戦する。

(取材・撮影・文/岡田浩人)


【社会人軟式】国体県予選 北陸ガスが北信越予選へ

社会人・軟式野球の第69回国体新潟県予選が長岡市でおこなわれ、24日の代表決定戦で延長12回、北陸ガスが6-3で新潟証券をくだし、県代表として北信越予選出場を決めた。北陸ガスが県代表となるのは2年ぶり。

2年ぶりに県代表となり喜ぶ北陸ガスの選手たち

北信越予選は8月23、24日に石川県小松市でおこなわれる。北信越5県の代表が戦い、上位4チームが10月17日からおこなわれる長崎国体・軟式野球競技に出場できる。北陸ガスは2010年の千葉国体以来4年ぶりの国体出場を狙う。

◆県代表決定戦◆
北陸ガス 002 000 000 004 |6
新潟証券 000 000 002 001 |3 (延長12回)
(バッテリー)
北陸ガス:中河、吉川-品田
新潟証券:星-小林

◆戦評◆
北陸ガスは3回に走者3塁の好機から内野ゴロの間に1点を先制。さらに3番青木の適時二塁打で追加点を挙げた。8回まで北陸ガスの先発・中河に無得点に抑えられていた新潟証券は9回、走者2人を置いて代打五十嵐が、代わった吉川から右前二塁打を放ち同点に追い付いた。延長12回に北陸ガスが無死満塁から押し出し四球、内野ゴロの間に得点を追加するなど計4点を挙げた。粘る新潟証券も12回裏に1点を返し、なお2死満塁と攻め立てたが最後の打者が三振に切って取られた。


北陸ガスの先発・中河達哉投手(佐渡高-国学院大卒)


新潟証券の4番打者・吉田雅俊選手(日本文理高-東北福祉大卒)


新潟証券の先発・星龍之投手(帝京長岡高-創価大卒)は145キロの直球を計測


延長12回表 北陸ガスが無死満塁から渡部真選手(日本文理高-新潟大卒)の内野ゴロの間に1点挙げる

◇北陸ガス・石崎朋宏監督の話◇
「9回は簡単には終わらないと思っていた。同点に追い付かれた後、よく粘ってくれた。同点止まりにできて大きかった。12回は軟式らしいものが出た。練習してきたことができた。新潟県代表として北信越予選も精一杯頑張りたい」

(取材・撮影・文/岡田浩人)


伊藤直輝投手が結婚を報告 母校を訪れ後輩と汗流す

日本文理高校で2009年夏の甲子園準優勝を成し遂げた際のエース・伊藤直輝投手(23・ヤマハ所属)が先月12日に入籍・結婚したことが明らかになった。お相手は高校時代の同級生・通予さん(22)で、12日に新潟市の同校を訪れた伊藤投手が大井道夫監督に報告した。


結婚を報告した伊藤直輝投手(左)と祝福する大井道夫監督

伊藤投手は日本文理高を卒業後、2010年に東北福祉大(仙台市)に入学。4年生だった昨シーズンは主将を務めたが、去年6月の大学野球選手権直前に右肘の靭帯を断裂するケガをして修復手術を受けた。大学を卒業した今春、社会人野球の名門・ヤマハ(浜松市)に入社。肘は順調に回復し、現在は「遠投やブルペンに入ることができるくらい」まで投げることができるようになったという。

伊藤投手が結婚を報告すると、大井監督は「おめでとう」と握手。「どんな子だ?」とお相手の通予さんが気になる様子で、伊藤投手が「野球に理解がある女性です」と照れながら答えると「それは良かった」と笑顔で祝福した。大井監督は「伊藤には(プロに行きたいという)夢がある。奥さんは夢に向かって協力してくれる女性だと聞いている。家庭を守って頑張ってほしい」と激励した。

伊藤投手は「直接、監督に報告できほっとしている。野球に理解がある女性で、食事の面でも勉強してくれている。夢に向かって攻める気持ちと、家庭を守る気持ちを両立させて野球に取り組んでいきたい」と決意を話した。挙式は来年予定だという。ケガからの実戦復帰については「目標としては秋の日本選手権の予選か本大会から復帰登板できるよう調整している」と意欲を見せた。


飯塚悟史投手(左)に変化球の腕の振りをアドバイスする伊藤投手

この後、伊藤投手は母校で後輩と一緒にキャッチボールをするなど汗を流した。飯塚悟史投手に変化球の握りや落ちるボールを投げるイメージをアドバイス。飯塚投手は「キャッチボールでの球の質が全然違った。伊藤さんが甲子園で投げているのを見て憧れて日本文理に入学したので嬉しい」と目を輝かせながら、先輩のアドバイスに耳を傾けていた。伊藤投手は「ぜひ歴史を塗り替えて欲しい」と後輩たちの活躍に期待を寄せていた。

(取材・撮影・文/岡田浩人)


【社会人野球】バイタルネットが3年ぶりの都市対抗本大会出場決める

社会人野球の第85回都市対抗野球2次予選・北信越大会は8日、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで代表決定戦がおこなわれ、バイタルネット(新潟市)が信越硬式野球クラブ(長野)を5-4でくだし、3年ぶり3度目となる都市対抗本大会出場を決めた。本大会は東京ドームで7月18日から12日間の日程でおこなわれる。組み合わせ抽選会は6月21日。

◆代表決定戦◆
バイタル 040 001 000 |5
信越硬式 000 100 300|4
(バッテリー)
バイタル:中島、曽根-加賀
信越硬式:常、高橋雄-中森

大会MVP:バイタルネット 伊藤茂則選手
最高打撃賞:バイタルネット 梅原健太選手(12打数6安打 打率5割)
最優秀監督賞:バイタルネット 三富一彦監督


バイタルネットが本大会出場を決め歓喜に沸くエコスタスタンド(提供:頓所理加さん)

(文/岡田浩人 写真提供/頓所理加さん)