【小学生軟式】32チームが春の頂点競う 球童会のセンバツ大会始まる

小学生軟式野球の春の大会である「北野屋旗争奪 第7回新潟県センバツ学童野球大会」(主催・新潟球童会)の開会式が27日、三条燕総合グラウンドでおこなわれた。各地区の予選を勝ち抜いた32チームが参加した。

開会式で選手宣誓をおこなう八幡野球クラブ・上村晃歩主将

新潟球童会は所属連盟の違いなどにとらわれず、同一地区以外のチーム同士の交流を図ろうと結成された任意団体。「小学生の甲子園」と言われる全日本学童軟式野球大会(マクドナルド・トーナメント)の前に実戦の場を作ることで、選手やチームのレベルアップを図ろうと毎年この時期に大会を開催している。秋の予選を勝ち抜いた32チームが戦うことで、「新チームの県ナンバー1を決める大会」(主催者)として定着している。

昨秋の予選を勝ち抜いた32チームが頂点を競う

開会式では大会旗の提供社で柏崎市に本社のあるスポーツ店「北野屋スポーツ」の遠藤邦彦社長が挨拶し、「今年は柏崎市の学童チーム出身の松谷比菜乃さんが女子プロ野球選手になった。センバツ甲子園ではネット裏で学童のチームが見学している。見学は『見て学ぶ』と書く。プロや高校野球の試合を始め、多くの試合を見て学んでほしい」と激励した。

また選手を代表して前年優勝チームの八幡野球クラブの上村晃歩主将が「仲間に出会えたことに感謝し、監督やコーチ、保護者の方に感謝しながら全力でプレーすることを誓います」と元気よく選手宣誓をした。

開会式で選手を激励する北野屋スポーツ・遠藤邦彦社長


開会式後、1回戦が始まり熱戦の火ぶたが切って落とされた

開会式終了後から1回戦が始まり、27日は1回戦16試合がおこなわれ、ベスト16が出そろった。大会は4月2日(土)に2回戦と準々決勝が、3日(日)に準決勝と決勝がおこなわれる予定。

センバツ大会トーナメント表(1回戦終了) ※球童会提供

(取材・撮影・文/岡田浩人)


【中学軟式】新井中は初戦で惜敗 全日本少年春季大会

静岡県で開幕した「第7回全日本少年春季軟式野球大会」は26日、1回戦がおこなわれ、新潟県代表の新井中学校は0対3で千葉県代表の磯辺中学校に敗れ、全国大会の初戦突破はならなかった。新井中は去年10月の県新人大会(オンヨネカップ)で優勝、北信越大会でも勝利し、全日本大会初出場を果たした。

◎26日の1回戦の結果◎
新井中0-3磯辺中(千葉)
新井中 000 000 0 =0
磯辺中 000 111 × =3


全日本初出場も惜敗した新井中(去年11月撮影)
気持ちを切り替え8月に新潟で開催される全中出場を目指す

(撮影・文/岡田浩人)


【中学軟式】中学生へのメンタル講習と指導者への技術講習を実施 県中体連・軟式野球専門部会

新潟県中体連・軟式野球専門部は20日、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで、中学生の1、2年生を対象にしたメンタル講習会と、指導者を対象にした技術講習会を開催した。講習会は中学生年代のレベルアップを目的として毎年この時期に開かれていて今年で4回目。講師は新潟医療福祉大学硬式野球部の佐藤和也監督(新潟明訓高前監督)が指導者への技術講習を、新潟医療福祉大学でスポーツ心理学が専門の山崎史恵准教授が中学生へのイメージトレーニングについて、指導した。

今年で4回目を迎えた講習会 今年は8月に全中が新潟で初めて開催される


新潟医療福祉大の山崎史恵准教授がイメージトレーニングについて講義


参加した中学生


佐藤和也監督による指導者への技術指導

(取材・撮影・文/岡田浩人)


【小中・高校野球】稲葉篤紀氏が講演&新潟メソッド発表 野球サミット初開催

新潟県高野連や中体連軟式野球専門部など9団体で構成される「新潟県青少年野球団体協議会」は30日、新潟市の朱鷺メッセで小・中学・高校の指導者を対象とした「NIIGATA野球サミット」を初めて開催した。元日本ハム外野手の稲葉篤紀さん(43)による講演のほか、保護者や指導者、選手に向けて製作されたマナー・技術冊子「新潟メソッド」を発表した。

講演をおこなう元日本ハム外野手の稲葉篤紀さん

この野球サミットは野球ひじの予防などに取り組んできた県青少年野球団体協議会が、野球を通じた友情や学びを育むための新たな取り組みをスタートさせるとともに、指導者や保護者向けに野球の楽しさを子どもたちに伝えるきっかけにしてもらいたいと初めて開催。県内の指導者や保護者約500人が参加した。

第1部では元北海道日本ハム外野手の稲葉篤紀さんが「求められる指導方法」と題して講演をおこなった。稲葉さんは愛知県の出身で、中京高(現・中京大中京高)、法政大を経て、1995年にドラフト3位でヤクルトに入団。3度のリーグ優勝と日本一に貢献した。2005年に日本ハムにFA移籍し、2006年の日本一に貢献し、日本シリーズMVPを獲得した。2007年には首位打者と最多安打、2012年には2000本安打を達成した。2014年に引退した後は、スポーツキャスターや侍ジャパンのコーチとしても活躍している。現在は日本ハムでスポーツを通じて地域を活性化させる「スポーツ・コミュニティ・オフィサー」を務めている。身振りを交えて講演をおこなう稲葉さん

小学1年生で野球を始めた稲葉さんは、中学では硬式のシニアリーグに所属、高校は名門の中京高で主将を務めた。ただ小中高校と「全国大会には出場できず、決して目立った活躍をしたわけではない」と話す。「中学の時は厳しい練習に耐えかねてケガをしたふりをして練習を休んだこともある。決して優等生ではなかった」と打ち明けた。

ただプロ入り後はヤクルトでの野村克也監督との出会いが野球観に大きな影響を与えた。「野村監督からは『野球選手である前に一社会人であれ』と言われた。野球バカではダメだと…自分自身、若い頃は『四六時中、野球のことだけを考えていればいいじゃないか』と思っていたが、今はその言葉の意味がよくわかる。ミーティングでは気づいたことは必ずノートにメモした」と話した。その上で「特に自分自身が大事にしてきたことは『準備』。ウォーミングアップはケガをしないための準備だし、試合前には相手投手を攻略するためにどういうふうに『準備』したらいいか考えていた」と力説した。

日本の人口減少の3倍のスピードで野球の競技人口が減っていることについて触れ、「野球は楽しいと思えるような環境作りや、1人でも多くの子どもが野球をやりたくなる仕組みを大人が作っていく必要がある」と呼びかけた。

協議会のイメージキャラクター『米(マイ)スター』の名付け親・上野飛鳥くん(右)と

サミットの第2部では公募された同協議会のイメージキャラクターの名前が発表され、上越市の板倉スポーツ少年団野球クラブ6年の上野飛鳥くんが考案した『米(マイ)スター』に決まった。1人1人の子どもがスター(輝く星)であり、ドイツ語の熟練工『マイスター』という言葉の響きもかけていて、「お米も1粒1粒が光り輝き、周りと協調しながらしっかり立っている。そんな野球人になってほしいという願いを込めた」と説明された。考案者の上野くんには稲葉さんからサイン入りバットなどの記念品が贈られた。

『新潟メソッド』について発表、説明する同協議会・島田修副会長(右端)

この後、同協議会の島田修副会長によって、冊子『新潟メソッド』の発表と内容説明がおこなわれた。メソッドとは「方法・方式」を意味する。島田副会長は「少子化や野球離れをはじめとする変わりゆく野球事情に危機感を持ち、今こそ新潟の目指すべきスタイルは何か、保護者が安心して子供を預けられる環境づくりは何か、それらを団体の垣根を越えて共有したい」とメソッド作成の意図を説明した。

冊子は全66ページで、大きく3つの章から成り立っている。保護者向けの「始めよう!」の章では野球を始める子どもたちに野球を通して礼儀や思いやりなど学んでほしいことが書かれている。指導者・選手向けの「楽しもう!」の章では「グラウンドに敵はいない。いいプレーには相手味方の区別なく拍手を」など、基本的なマナーを記している。3つめの「続けよう!」の章は技術編で、特に投げる動作に特化し、野球ひじの予防や障害予防のためのストレッチやトレーニングのやり方が写真付きで具体的に記されている。

内容については「全9団体が交わした『約束』であり、規則ではない。ただ罰則もないが、絵に描いた餅でもない」(島田副会長)という。島田副会長は「少しずつでいいので、ここに書いたことが新潟のスタンダード(標準)スタイルになるようお願いしたい」と力を込めた。18歳以下の硬式、軟式を合わせた各野球団体が1つの組織を作っているのは全国でも新潟県だけで、こうした教則冊子が作られるのも全国で初めて。

『新潟メソッド』の表紙


中身は新潟の球児や保護者、指導者が心掛けてほしい「約束」が記されている

この『新潟メソッド』は同協議会に加盟している各団体を通して各チームに一定数配布される。チーム以外で関心のある方の問い合わせや購入希望については、新潟県青少年野球団体協議会のメールアドレス( nyboc@grace.ocn.ne.jp )で受け付ける。

サミットの第3部ではケガ防止のための研修会もおこなわれ、野球ひじ治療の権威である新潟リハビリテーション病院の山本智章院長が野球ひじの症例紹介をおこない、ケガ予防のためのストレッチやトレーニングについて講演をおこなった。

新潟リハビリテーション病院の山本智章院長によるケガ防止のための研修会

同協議会ではこのサミットをきっかけに、「野球を通じた友情の育成」や「スポーツ障がいの予防」の推進を目指す新たな取り組みを『21c型穂波(にいがたほなみ)プロジェクト』と名付けた。新潟の田園風景である稲穂の揺れが波のように広がっていく光景のように、この取り組みがじわじわと大きく広がっていくことを目指すという。

サミットに参加した長岡市の学童チーム・あおし野球クラブの指導者・西塚雄平さん(34)は「勉強になった。稲葉さんが話す『準備』は日頃から子どもたちに言っていることで共感できた。(新潟メソッドについては)新潟の野球人口を増やすため、レベルを上げるため、こうした取り組みはいいことだと思う。野球以外のイベントや遊び感覚を含めながら、そこから野球をやってもらうきっかけを作りたい」と感想を話していた。

(取材・撮影・文/岡田浩人)


【小中学硬式】今季の安全と必勝を祈願 新潟少年硬式野球連盟

新潟少年硬式野球連盟に所属するリトルリーグ、シニアリーグの合同の安全祈願が9日、新潟市中央区の白山神社でおこなわれ、新潟市内のリトル5チーム、シニア5チームの選手や指導者ら約250人が2016年シーズンの安全と大会での必勝を祈願した。

今季の安全と必勝を祈願するリトルリーグ、シニアリーグの選手たち

毎年、新年におこなわれる恒例行事で、関係者が神前に玉ぐしを捧げた。祈願を終えた新潟シニアの韮澤雄也主将(14・堀之内中2年)は「今年こそ去年先輩たちができなかった日本一を自分たちの代で成し遂げたい。主将としてチームを勝利に導く1本、勝利に導く守備をしたい」と力を込めた。

(取材・撮影・文/岡田浩人)