【中学硬式】新潟ヤング入卒団式 14人が高校での飛躍誓う

新潟市で活動する中学硬式野球チーム・新潟ヤングの入卒団式が26日、新潟市内のホテルでおこなわれた。今季は春夏と全国大会の舞台を経験した中学3年生14人が卒団、「高校でも野球を続け、甲子園を目指したい」とそれぞれが決意を語った。

新潟ヤングの卒団生14人と阿部晋也監督(前列左から3番目)

入卒団式は小学生の軟式学童チームであるNSジュニア、新潟ヤング、社会人軟式チームであるNSクラブが所属する「新潟ベースボールクラブ」の納会でおこなわれた。

硬式球を扱うヤングリーグは全国約180のチームが活動中で、今春センバツ甲子園で優勝した敦賀気比のエースで日本ハムに入団した平沼翔太選手はヤングリーグのオールスター福井の出身。新潟ヤングは2009年に設立され、全日本硬式野球連盟の北日本支部に所属している。新潟市北区のグラウンドで練習を重ね、今季は昨季に続き2年連続で春と夏の全国大会出場を果たした。

卒団する中3生は第7期生となる。曽我祐太朗前主将(大形中3年)は「監督やコーチからは技術だけではなく、普段の生活態度が大事だと徹底的に教わった」と振り返り、「ここで教わったことを高校でもしっかりやって、甲子園を目指したい」と今後の目標を話した。阿部晋也監督は「3年生が築いたものを2年生以下がしっかり受け継いでいってもらいたい」と話した。

なお軟式学童チームのNSジュニアからは小学6年生5人が卒団、新たに12人が入団した。

軟式学童チーム・NSジュニアを卒団する小学6年生5人と保護者

(取材・撮影・文/岡田浩人)


【イベント】野球ひじ検診で長く野球を楽しんで ベースボールフェスタ開催 長島三奈さんも取材 

少年期の投球が原因による障害「野球ひじ」を予防し、体のコンディショニングなどを学ぶことで長く野球を続けてもらおうというイベント「ベースボールフェスタ2015」が19、20日の両日、新潟市中央区のハードオフ・エコスタジアムで開催された。新潟県高野連や中体連などで組織される「新潟県青少年野球団体協議会」が主催し、2日間で約900人がひじの検診などを受けた。

医師からひじのエコー検査を受ける小学生 約900人が検査を受けた

このフェスタは2013年から毎年12月におこなわれていて今年で3回目。野球ひじの予防啓発活動をおこなっている県内の医師などによる団体「野球障害ケア新潟ネットワーク」が協力し、野球ひじの無料検診のほか、コンディショニングやトレーニングなど小学生のうちから取り組んでほしい基本メニューの教室を開いたほか、社会人野球チーム・バイタルネットや今季から関甲新1部に昇格した新潟医療福祉大の協力による野球教室も開催した。

こうした野球イベントで野球ひじの検診をおこなうことは新潟県ならではの先進的な取り組み。参加した小学生は簡単な問診用紙に記入し、ひじの曲げ伸ばしをしてチェックを受けた後、超音波エコー検査で骨に異常がないかどうかを調べた。検査を受けた約900人のうち、8人に悪化の恐れがある異常が見つかり、医療機関への受診が勧められた。

ひじの曲げ伸ばしをしてチェックを受ける小学生


コンディショニング教室で体幹の実技指導を受ける


室内練習場ではバイタルネットの選手による野球教室がおこなわれた

見附市の草薙BCで投手を務める佐野哲太さん(11)は「初めてひじの検査を受けたが異常はなかった。検査を受けないとわからないので、早く発見できて安心できる」と話していた。

野球障害ケア新潟ネットワークの山本智章代表(新潟リハビリテーション病院院長)は「痛みが出て病院に来た時はかなり悪化して治療が難しいというケースがしばしばある。そういう選手を1人でも減らして野球を楽しくできるよう我々も一緒に考えたい」と話していた。

新潟県青少年野球団体協議会の竹田直人代表(新潟県高野連専務理事)は「年々参加人数が増えている。こういう活動が広まることで予防につながり、長く野球を続けることができる球児が増えれば」と今後も活動を継続する考えを示した。


◎長島三奈さんも取材 「素晴らしい取り組みで、長く野球を続けてほしい」◎

野球ひじ検診について説明を受ける長島三奈さん(中央)

20日のベースボールフェスタの会場に、巨人・長嶋茂雄終身名誉監督の二女で長く高校野球取材を続けるフリー記者の長島三奈さんが訪れた。新潟県青少年野球団体協議会がおこなっている野球ひじの検診や、来月発表される選手・指導者・保護者向けの教則本「新潟メソッド」の取材のために来県した。

医師や高野連関係者から説明を受けた長島さんは取材後、「今まで高校野球の選手たちの練習や試合を取材してきたが、検診など目に見えない部分を初めて見せていただき勉強になった。これまで高校球児の取材の中で『けががあるので高校で野球をやめます』という選手を数多く見てきた。子どもたちのけがの早期発見につながる機会で新潟の取り組みは素晴らしい。野球少年たちには新しいグローブやスパイクを買ってもらった時に大事にする気持ちと同じくらい、自分のひじや体のことを大事に思ってもらい、長く野球を続けられるようになってほしい」と感想を話した。

新潟県青少年野球団体協議会は来月発表予定の「新潟メソッド」の中で長島さんから推薦コメントをもらう予定。竹田直人代表は「今後の活動でも連携をお願いできれば」と話していた。

(取材・撮影・文/岡田浩人)


【中学硬式】「高校で甲子園目指す」 新潟ポニー入卒団式

新潟市で活動する小中学生硬式野球チーム・新潟ポニーベースボールクラブの入卒団式が5日、新潟市東区でおこなわれ、ポニーからは中学3年生4人が卒団、小学生のブロンコからは6年生3人が卒団し、1人が入団した。

卒団証を手にするポニーの4人(左側)とブロンコの3人(右側)

ポニーリーグの試合では、スタメン9人に限って一度選手交代しても再度試合に出られる、という「リエントリー」というルールが適用されるのが、リトルシニアやヤングリーグと違う特徴。新潟ポニーベースボールクラブは1989年に創設された小中学生硬式野球チームで、今季で27年目。新潟市東区下山に専用グラウンドを持ち、土日と祝日に練習をおこなっている。

今季は昨季に続き関東連盟春季大会のポニー大会(中1~3年)を突破し、7月の全日本選手権大会にを果たした。1回戦で東京・三鷹中央を相手に1対2で惜敗したものの、2年連続となる選手権出場を果たした。

入卒団式終了後にはもちつきがおこなわれた 杵を持ち上げるのは伊藤渉前主将

伊藤渉前主将(光晴中3年)は「小学3年生で入団し、7年間あっという間だった。今年8月に選抜メンバーとしてアメリカでの交流大会に参加したことが印象に残っている」と振り返り、「(チームとして)人の入れ替わりがある中でコミュニケーションや団結力の大切さを学ぶことができた。高校でも甲子園を目指して努力を続けたい」と意気込みを話した。馬場慧祐新主将(大形中2年)は「冬場の練習で体を強くして、全日本選手権に3年連続で出場できるよう頑張りたい」と話した。

(取材・撮影・文/岡田浩人)


【小中学・高校野球】野球人口減に歯止めを 青少年野球団体協議会が新プロジェクト

新潟県高野連をはじめ、中体連、学童野球、さらにリトルシニアなど硬式野球のリーグが横断的に組織した「新潟県青少年野球団体協議会」は23日、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで記者会見を開き、新プロジェクトを含む今後の活動方針を説明した。

来年1月30日に元日本ハムの稲葉篤紀氏を招き、指導者や小学生保護者向けの講演会を開催するなどの「NIIGATA野球サミット」を開催するほか、投球動作技術や野球のマナーなどを記したカラー教則本「新潟メソッド」の製作を進めると発表した。野球人口の減少に歯止めをかけるために、小学校、中学校、高校の各野球団体が一体的に取り組む試みで、全国的にも例がない。

新プロジェクトのキャッチフレーズ「始めよう!楽しもう!続けよう!」を発表

新潟県青少年野球団体協議会は2009年のハードオフ・エコスタジアム完成をきっかけに、それまでバラバラで活動してきた軟式、硬式の各野球団体が一体となって普及・強化に取り組んでいこうと2011年に組織された。新潟県高野連のほか、県中体連、県野球連盟、県スポーツ少年団、リトルシニア中学硬式野球協会新潟ブロック、リトルリーグ信越連盟、ヤングリーグ、新潟ポニーなどの各野球団体と、野球ひじの防止に取り組む野球障害ケア新潟ネットワークによって組織されている。同協議会が子どもの肩やひじのケガを防ごうと2012年に作成した「野球手帳」は小中学生や指導者に配布されケガの防止に役立てられたほか、全国的なスポーツ・医療関係者の団体から最高賞を受賞するなど大きな反響を呼んだ。

会見には県内の各野球団体の代表が集まった

今回の会見で発表された新プロジェクトは新たなキャッチフレーズ「始めよう!楽しもう!続けよう!」のもと、野球の普及のために大きく分けて3つの柱からなる取り組みをおこなう。

1つめは来年1月30日に新潟市の朱鷺メッセで「NIIGATA野球サミット」を開催。元日本ハムの稲葉篤紀氏を招き、県内の指導者や小学生の保護者を対象に野球への取り組みや指導者としての心構えなどを伝えてもらう講演会を行う。野球を楽しんで続けてもらうための新たなきっかけづくりという狙いがある。

2つめは「新潟メソッド」と名付けられた教則本の製作で、思いやりや感謝など野球を通じ子どもたちに学んでほしいことを保護者に伝えるほか、挨拶などグラウンドでの基本的なマナーやケガ防止のための投球動作技術の解説など、新潟の野球人ならば知っておいてほしい内容が掲載される。1月30日のサミットで発表される予定。

3つめは野球ひじや野球肩の予防のための取り組みで、12月19、20日にハードオフ・エコスタジアムで野球ひじの検診やトレーニング教室など行い、ケガ予防に力を入れていく。

野球障害ケア新潟ネットワーク・山本智章代表(新潟リハビリテーション病院院長)


協議会のロゴマーク(左)と新キャラクター 今後ホームページも開設し活動を紹介する予定


協議会のロゴ、キャラクターをデザインした(株)フレーム代表・石川竜太氏


青少年野球団体協議会・竹田直人代表(新潟県高野連専務理事)

同協議会の竹田直人代表(新潟県高野連専務理事)は「野球を通して学びを体験してきた大人の責務として、団体が1つになり、友情の育成、そして強化につなげていくこと。低年齢層の野球人口が減っていることは新プロジェクトの大きなきっかけの1つ。野球を通した学び、友情を多くの人に感じてもらいたい」と話し、「今後は協議会内の団体の交流を図るほか、他の競技団体との交流や、都道府県の垣根を越えた交流にもつなげていきたい」と意欲を示した。今月末にはプロからアマチュアまでの各団体が一体となって野球の普及をおこなっているNPO法人北海道野球協議会の活動を視察、意見交換をおこなう予定。

同協議会では来年8月に新潟市などで開催される全国中学校軟式野球大会(全中)を通して「全国に新潟県の取り組みを発信したい」としている。

協力を誓う各団体の代表 一体となって野球の底辺拡大、普及に取り組む

(取材・撮影・文/岡田浩人)


【小学生軟式】巻Jr.が優勝 五泉近郷6年生交流大会

小学6年生だけによる学童軟式野球チームの交流戦「五泉近郷6年生交流大会」が21~23日まで五泉市で開催され、連合チームとして出場した28チーム(所属チーム総数127チーム)、約500人が参加した。決勝戦では巻Jr.が延長戦の末、2対1でJCPAをくだし優勝した。

県内の6年生約500人が小学生生活最後となる大会に臨んだ

大会は小学6年生同士の試合を行うことで他地域、他チームの選手との交流を深め、小学生生活最後の思い出と中学での野球継続を狙って開かれている。今年で8回目だが年々参加チームが増えている。

◎23日の試合結果◎
<決勝戦>
巻Jr. 2-1 JCPA(延長8回TB)
JCPA 100 000 00  =1
巻Jr. 000 010 01× =2

優勝した巻Jr.(松野尾・浜っ子、漆山、巻南、入徳館)


準優勝のJCPA(片貝、村松中央、五泉フェニックス、愛宕)

<準決勝>
JCPA 2-1 新潟北学
巻Jr. 5-0 AGAスカイエンジェルス

3位の新潟北学(葛塚、早通、木崎、葛塚東、岡方、松浜)


3位のAGAスカイエンジェルス(五泉スカイホークス、橋田、AGA)


◎21、22日の試合結果◎
<準々決勝>
JCPA 1-1 新坂嵐(じゃんけん)
新潟北学 5-3 五泉SDS
AGAスカイエンジェルス 6-1 上越JBC
巻Jr. 10-0 村上

<2回戦>
JCPA 8-1 三条スターズ
新坂嵐 3-1 南魚沼JBC
新潟北学 9-1 柿崎スポ少
五泉SDS 3-2 魚沼スターズ
AGAスカイエンジェルス 不戦勝 加茂FVジュニア
上越BC 2-0 NTRイーグルス
巻Jr. 4-0 聖籠町野球スポ少
村上 7-0 新潟BBガールズ

<1回戦>
三条スターズ 11-3 宮内スタリオンズ
南魚沼JBC 5-1 白根北部
新坂嵐 1-0 燕スワローズ
柿崎スポ少 6-2 阿賀野義塾
新潟北学 5-4 信江希望日越
魚沼スターズ 13-7 三条ATVS(延長TB)
加茂FVジュニア 6-4 胎内フレンズ
NTRイーグルス 5-1 新津Jr.
上越BC 4-1 両亀ドリームナイン
巻Jr. 10-0 阿賀野スワン
聖籠町野球スポ少 9-1 石山ドリームス
村上 不戦勝 糸魚川

(取材・撮影・文/岡田浩人)