【BCL】新潟アルビレックスBCがチーム練習スタート

新潟アルビレックスBCが15日、新潟市中央区のハードオフエコスタジアムでチーム練習を開始した。昨年10月にチーム初の独立リーグ日本一に輝いた後、選手はオフに各自でトレーニングを積んでいた。新入団の6人とともに、ギャオス内藤監督の「元気出していこうぜ!」の掛け声のもと、今シーズンをスタートさせた。
20130315アルビBC練習スタート①

午前中はキャッチボールや内野連係などの守備練習を中心に、午後は打撃練習などをおこなった。内藤監督が自らバットを持ってノックをおこなう姿も見られた。
内藤監督は「15年ぶりの現場で久しぶりに戻ってきた感じ。即実戦になるので、選手には結果が出るよう努力してほしい。大きな目標は連覇できるよう頑張ると同時に、少しでもチームに貢献するため、チームスローガンに決めた『継続』できるよう頑張ってほしい」と力を込めた。
20130315アルビBC練習スタート②
  内野ノックをおこなうギャオス内藤監督

チームが今季補強ポイントに置いた左ピッチャーでは、前千葉ロッテ育成選手の山口祥吾投手が早速ブルペン入り。コントロールされた直球と持ち味のスライダーなどの変化球を平野進也捕手相手に投げ込んだ。
昨年、寺田哲也投手に次ぐ勝ち星を挙げた阿部拳斗投手(中越高出身)もブルペン入り。オフに体重を絞ったという阿部投手はキレのある直球を投げ込み、順調な調整ぶりを印象付けた。
20130315アルビBC練習スタート③
阿部拳斗投手(左)と山口祥吾投手(右)

チームは今後、エコスタを中心に練習をおこない、26日から始まるオープン戦で実戦感覚を養う。BCリーグの開幕は4月13日(土)で新潟はエコスタで群馬ダイヤモンドペガサスと対戦する。

<動画はこちらから>

(取材・撮影・文/岡田浩人)


【BCL】新潟アルビレックスBCが必勝祈願 日本一連覇誓う

新潟アルビレックスBCは14日、新潟市中央区の神社で必勝祈願をおこない、2013年シーズンのリーグ優勝、日本一連覇を誓った。

参加したのは藤橋公一社長のほか、今シーズン就任したギャオス内藤新監督、青木智史コーチ、今井佑紀(登録名・佑紀)新キャプテン、選手とスタッフで、今シーズンから加わった田村勇磨投手(日本文理高出身)ら新入6選手もユニフォーム姿で出席。全員で今シーズンの優勝と無事を祈った。
20130314アルビBC必勝祈願①内藤監督
    必勝を祈願するギャオス内藤監督

祈願後、ギャオス内藤監督は「明日から本格的な練習が始まる。1年間けがなく乗り切り、優勝、連覇を目指そう」と選手に呼びかけた。今井佑紀キャプテンは「昨年からメンバーも大きく入れ替わっていないので僕らのやることは一緒。新しい監督のもと、連覇を目標に掲げみんなで一生懸命頑張りたい」と決意を語った。新潟はあすから新潟市のハードオフエコスタジアムで合同練習をスタートさせる。
20130314アルビBC必勝祈願②選手
日本一連覇を誓う今井佑紀キャプテンと選手たち

<動画、インタビューの様子はこちらから>

(取材・撮影・文/岡田浩人)


【社会人】バイタル、期待の2年目右腕・江村知大投手

ズバーンという音が室内練習場に鳴り響く。
重いストレートがミットにおさまると「ヨッシャ」と思わず声が出る。
「1年目の去年は悔しいシーズンだったので、今シーズンこそ結果を出したいんです」
江村知大(ともひろ)投手、23歳。
早稲田大学を卒業した去年春、バイタルネットに入社。
背番号18を背負う、期待の若手ピッチャーだ。
20130307江村知大③
重いストレートを投げ込む江村投手

長野県との県境にある津南町出身。冬は3メートルの雪に覆われる豪雪地だ。
津南中時代はエースとして郡市大会で優勝した経験があり、生徒会長も務めていたことから「文武両道で甲子園に出場経験もある公立高校に行きたかった」と50キロ離れた長岡市の長岡高校に進学した。
津南町から長岡市までは電車を使って片道約2時間。朝5時半には家を出て、実家の新聞配達を手伝いながら、そのまま電車に乗ったという。放課後の練習も限られた時間の中、6時過ぎには練習をやめ、急いで着替えて駅に向かった。
「一度つらくて辞めようと思ったんですが、仲間にピッチャーはお前しかいない、と励まされて3年間続けられました」
高校2年の夏には、4回戦で優勝候補の新潟明訓と対戦。当時同じ2年生だった永井剛投手(現HONDA)と投げ合い、息詰まる投手戦を繰り広げるも1-2で惜敗。3年の夏は第2シードの村上桜ヶ丘に2-3で敗れ、甲子園出場はならなかった。
20130307江村知大②

「甲子園の目標が断たれた後、次は神宮で投げようと思いました」
早稲田大学に進学後、硬式野球部に入部。1学年上には斎藤佑樹(現日本ハム)、福井優也(現広島)、大石達也(現西武)の3投手がいた。先輩から刺激を受けまがら成長。4年春には背番号15を付け、念願だった神宮球場で六大学リーグ戦にも登板した。
「早稲田の4年間で、合計8人がNPBからドラフト指名され、プロ野球選手になりました。そういう選手たちを間近で見て色々なことを吸収できました。特に斎藤さんからは対バッターの駆け引きやピッチングの組み立てを学びました。4年間、早稲田大学の野球部で過ごしたことは僕の誇りです」
20130307江村知大①

「地元に恩返しがしたかった」と卒業後は新潟市の社会人野球チーム・バイタルネットに入社。
日本ハムに入団した谷元圭介投手が背負っていた背番号18を与えられた。チームの期待の表れだった。
しかし、1年目の去年は春のキャンプ入り直前に首を痛めてしまい、出足からつまづいてしまった。本格的に投球ができるようになった頃には秋になっていた。
「試合の時もずっとネット裏でビデオ撮影係で・・・期待されていたのに貢献できずに悔しかった」

迎えた2年目の今シーズン。
けがの再発防止に細心の注意を払い、練習後のケアも十分にしてきた。ここまで順調に来ている。
新潟市西区の室内練習場で、身長175センチ、体重80キロのがっしりとした体から、140キロ台のストレートを投げ込んでいる。
チーム待望の右の本格派の成長に、三富一彦監督も「エース候補です」と大きな期待を寄せる。
20130307江村知大④

まずは4月4日からの今季初の公式戦・静岡大会で先発の柱として結果を残すことを目指す。
「夢はNPBに入ってプロのマウンドで投げること。斎藤さんや福井さん、大石さん、そのほか同じ早稲田からプロ入りした人たちと勝負するのが目標です。そのためにも今シーズンの都市対抗、日本選手権で結果を残したいんです」
3月13日からは宮城キャンプが始まる。オープン戦も控えていて、実戦での結果が求められる。
「去年はチームに迷惑をかけた。ことしは自分が投手陣を引っ張るつもり」。期待の2年目右腕は決意を込めて力強く語った。

(取材・文/岡田浩人)


6月に初の凱旋試合を迎える新潟県出身の女子プロ野球選手・益田詩歩さん

女子プロ野球選手となった今も、「自分の野球の原点は長岡」と言い切る。

益田詩歩選手、1988年長岡市生まれの24歳。
身長164センチ。右投げ左打ち。すらりと伸びた手足、さわやかな笑顔が印象的な女性だ。
2010年に開幕した日本女子プロ野球リーグ。
その1年目から活躍する新潟県出身の唯一の女子プロ野球選手だ。
今季から新しくできた「ノースレイア」に所属する。
20130224益田詩歩選手

野球を始めたのは長岡市立川崎東小学校4年生の時。
「当時、女の子が野球をするのは珍しくて、目立ちたかったんです」
小学校6年生の時の夢は「プロ野球選手」。巨人の長嶋茂雄終身名誉監督に憧れたというから、この年代の女の子にしてはかなりのツウだ。巨人のユニフォームに袖を通す自分を夢見ていたという。

中学校では硬式野球チームの長岡シニアに入団。女子選手は1人だけだった。
そこで男子とのレベルの差を痛感したという。
「当時の長岡シニアは全国大会へ行くほどの強いチームでした。自分は打撃も非力だし、肩も弱いし・・・でもどうやったらチームに貢献できるかをずっと考えていました。チームには日本代表に選ばれるような男の子もいて、その選手の動きを見て勉強したり、練習の時から1球1球を大事にする姿勢を見て、野球への取り組み方を学びました」
男子にまじって公式戦に出場したのはわずか2打席のみ。その最後の打席でヒットを放つとチームのみんなが自分のことのように喜んでくれた。

中学卒業後に選んだ進路は、女子硬式野球部の強豪・埼玉栄高校だった。
「女子の中でトップ選手になりたい」
高い志を持って過ごした3年間。全国制覇も経験した。
国士舘大学に進学後も、硬式野球部の練習生として男子にまじって練習に励んだ。
しかしどんなに頑張っても、女子では「プロ野球選手」になれないことを実感した。
そんな時、父親から「ゴルフならばプロ選手になれる」と言われた。
「ゴルフの世界でプロを目指してみよう」・・・大学2年生の時に休学し、オーストラリアにゴルフ留学。野球は諦めた、つもりだった。

2009年秋、留学先のオーストラリアで日本に女子プロ野球のリーグができることを耳にした。
子どもの頃から思い続けた「プロ野球選手」の夢が叶うかもしれない・・・。
自分の中で野球への思いが膨らむのを抑えることができなかった。
居てもたってもいられず日本へ帰国。プロテストとなるトライアウトを受験した。
持ち前のガッツとシュアなバッティング、広い外野の守備範囲を買われ見事に合格。
2010年4月、兵庫スイングスマイリーズの選手として念願の「プロ野球選手」としてデビューした。
IMG_0814

「自分はそんなに足も速くない。ホームランが打てる長打力がある訳でもない。でもチームの中で何ができるかを常に考えています。それは長岡シニア時代に男の子にまじってどうやったらチームに貢献できるか考えていたことが生きています。足が早くなくても捕手の構えを見て守備位置を決めることでカバーしたり、常に頭を使ってチームに貢献することを考えています」

益田選手は2010年、2011年は兵庫に、2012年は大阪ブレイビーハニーズに所属。3年連続で所属チームがリーグ優勝に輝いた。特に2012年はレギュラーとして39試合に出場し、打率2割7分7厘、7盗塁とリーグ優勝に貢献した。

今シーズン、女子プロ野球リーグは3球団から4球団に増え、関東にもチームが誕生した。益田選手は「ノースレイア(北日本)」に所属する。
6月22日(土)23日(日)は新潟県では初の女子プロ野球の公式戦が見附運動公園野球場で開催されることが決まった。地元での凱旋試合へ気持ちも高まる。

「素晴らしい力を持った選手たちの中で、自分は考えながらプレーすること、1プレー1プレーを見る力は誰にも負けないつもりです。私はそれほど力があった訳でも、うまかった訳でもなかったけれど、プロ野球選手になることができた。そういう姿を新潟のファン、特に女子野球を頑張っている女の子たちに見せたい。今シーズンの目標はチームを優勝させること。でも私の使命は女子野球を日本に広めることなんです」

IMG_0813

(取材・文/岡田浩人 写真協力/BBガールズ普及委員会)