【高校野球】日本文理 決勝進出ならず 三重に0-5で敗れる

第96回全国高校野球選手権大会は24日、準決勝がおこなわれ、日本文理が三重に0-5で敗れ、5年ぶりの決勝進出はならなかった。日本文理は初回に先制されると4回にも追加点を奪われた。6回は2死から2点を追加され、8回には本塁打で突き放された。打っては三重のエース左腕・今井重太朗投手に散発5安打に抑えられた。

◎準決勝の試合結果◎
日本文理0-5三重(試合終了)

文理000 000 000 =0
三重100 102 01× =5
(バッテリー)
文理:①飯塚-②鎌倉
三重:①今井-②中林
(本塁打)
三重:山井(8回ソロ)

<試合経過>
・1回裏、三重が1死2塁から3番宇都宮の左前適時打で1点先制。
・4回裏、三重が1死1、3塁からスクイズで1点追加。
・6回裏、三重は2死から満塁として1番長野の左前適時打で2点追加。
・8回裏、三重が6番山井の左越ソロ本塁打で1点追加。

◆日本文理・大井道夫監督の話◆
「想像以上に相手投手がよかった。うまく緩急を使われた。初回のチャンスでに1本出てくれれば面白かったが、これは結果論。飯塚は予定通り5点に抑えたのだから責められない。スクイズで1点取られたのが大きかった。きょうはタイムリーが出なかった。負けるときはこういうもの。飯塚は抜けたボールを打たれていた。疲れていたのかな」

◆日本文理・池田貴将主将の話◆
「甘い球を強く振ろうと意識していたが、(相手投手に)低めを丁寧に突かれて、甘い球はきたがいい当たりできたが野手の正面だった。ヒットにはできたがあと1本が出なかった。自分たちの力不足。(スタンドで応援してくれた部員に)みんながいなかったらここまで来れなかった。みんなのために勝ちたかったが、悔しさでいっぱい。ありがとうという言葉を伝えたい。新潟県民の皆さんが期待して、応援してくださったのに結果こういう形で優勝旗を持って帰れず悔しさはあるが、最後の4校に残れたことは誇り。堂々と帰りたい」

◆日本文理・飯塚悟史投手の話◆
「(目を赤くしながら)今まで仲間と全国の舞台で野球ができて嬉しかった。自分が背番号1で最後までマウンドに立たせてもらって感謝。(先制され追加点を与え)チームになかなか流れを持ってこれない投球になってしまい悔しい。(表情変えなかったが)勝ちたいという気持ち一心だったが、とにかく最後まで自分たちの野球は貫けた。(最後の挨拶でスタンドを見て)ベンチに入れなかった仲間を見て、申し訳ないと思った。(グラウンドから出るときに監督から声をかけられていたが)『おまえで勝負して負けたなら悔いはない』と言われて・・・最後の最後までマウンドに立たせてくれた監督に感謝したい。鎌倉には自分のわがままをたくさん聞いてもらって、何も言わずミットを構えて受けてくれた。本当に感謝したい。(8回も)鎌倉が最後まで強気の配球でインコースの真っ直ぐを要求してくれて、そこに目がけて思い切り投げ込んで、鎌倉のミットに収まってくれた。この6年間一緒にやってきたことが財産になるし、最後の一球はこれからの自分のステップにつながる。この仲間とやってこれてよかった。また次に向けてしっかり頑張らなきゃという気持ちになった」

◆日本文理・鎌倉航選手の話◆
「(涙声で)こういう舞台で最後までやれてよかった。勝つことはできなかったが、飯塚と一緒にやってこれてよかった。苦しいことばかりだったが、最後はみんなで校歌を歌うことができたし、ベスト4という結果は支えてもらった皆さんに感謝しながら、いい経験としてこれからやっていきたい。池田が一番考えながら苦しみながらやってくれた。池田がキャプテンでよかった。池田のおかげで甲子園に来ることができた。(6年間受けてきて)飯塚はきょうが一番よかった。苦しみながらも顔にも出さず投げてくれた。8回裏にインハイの真っ直ぐで最後に三振を取った球は、今まで受けてきた中で一番いいボールだった。飯塚のおかげで自分も成長できたし、キャッチャーとして育ててもらった。ありがとうと言いたい」

◆日本文理・星兼太選手の話◆
「今まで3年生に引っ張ってきてもらった。今度は自分が引っ張っていく番。3年生は最後まであきらめない姿を示してくださった。このチームのようないいチームにしていきたい。」

(取材・文/岡田浩人)