第97回全国高校野球選手権・新潟大会は26日、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで決勝戦がおこなわれ、中越が7対2で日本文理をくだし、12年ぶり9回目の夏の甲子園出場を決めた。夏9回の甲子園出場は県内最多。甲子園でおこなわれる選手権大会は8月6日に開幕する。
12年ぶりの夏の甲子園出場を決め、歓喜に沸く中越の選手たち
◎26日の決勝戦の試合結果◎
中越7-2日本文理
文理 000 000 110 =2
中越 310 030 00× =7
→中越が12年ぶり9回目の夏の甲子園出場
(バッテリー)
文理:⑳藤塚、⑮稲垣優、⑪稲垣豪-②川村
中越:⑩高井-②波方
午後1時1分、試合開始
1回裏、中越は1死2、3塁から4番・波方凌選手の三塁打で2点を先制
7回表、日本文理は代打五十嵐心弥選手の内野ゴロ悪送球の間に1点を返す
中越⑩高井投手はピンチで粘り強く投げた 猛暑の中、144球の熱投を見せた
◇中越・本田仁哉監督の話◇
「僕の力のなさで、ここまでOB、近年の卒業生、保護者の方に迷惑をかけてきて、そういうものを全て背負って3年生が強いチームを作ってくれた。日本文理は全国区で強い学校、そこに悔しい思いをしてきたが、日本文理や新潟明訓、その他多くの県内の学校や先生方に強くしてもらった。(初回の3点先制が大きかった?)こういう舞台でしっかり力を出した選手を頼もしく思う。(初回の波方は)素晴らしい打撃だった。(高井投手は)こういう舞台で培った力を出せて素晴らしい。ナイスピッチングだった。行けるところまでと思っていた。このままなら最後まで行けるだろうという判断で行かせた。直球とスライダーのコンビネーションという武器がよくできた。こういう結果出したので100点。(12年ぶりの甲子園へ)日本文理、新潟明訓、その他各校の県外での遠征等で強い新潟は実証済み。新潟県代表として恥じない戦いをしてきたい」
就任1年目での優勝以来、12年ぶりの夏の優勝を成し遂げた本田仁哉監督(中央)
◇中越・斎藤颯主将の話◇
「(大会直前にケガをしたが)仲間を信じて主将としてやってきた。しっかり信じ切れて、優勝できてよかった。初回ピンチだったので落ち着いてやろうと言った。文理は乗ってきたら怖いので、文理が乗ってきた時にベンチが焦らないようにやろうということをベンチの選手に声をかけていた。(優勝した瞬間は)思わず駆け足で飛び出した。医者も(回復に)驚いていると思う。(甲子園では)新潟県代表として投手を中心に自分たちの野球をしてきたい」
※斎藤主将のケガについてはこちらの記事をご覧ください
https://www.niigatayakyu.com/archives/9151
閉会式で表彰状を受け取る斎藤颯主将
◆日本文理・大井道夫監督の話◆
「最後の試合で藤塚の弱気の虫が出ちゃった。勿体なかった。ただエース(八幡)が放れない中でここまでよく頑張った。八幡も肘が痛かったと思う。そういう状態でよく決勝まで来たんだから、選手たちを褒めてあげたい。(打撃は)打てなかった。打撃の調子の波がいい時と悪い時ではっきりしていた。中越はいいチーム。甲子園へ行っても勝てるチーム。全国のチームと引けをとらない」
◆日本文理・星兼太選手の話◆
「(この1年は)あまり口にしたくないが辛いことが多かった。最後は全員で甲子園に行きたいという強い思いで、みんなの支えがあって乗り切ることができた。やることはやり切った。(この先は)まだ整理ができていないが、いずれいつかはプロの世界へ行って、多くの人に野球の楽しさ、素晴らしさを小さい子どもたちに伝えることができる選手になりたい。日本文理に来て、1人の人間としてあるべき姿を教えてもらった。これからも1人の人間として、日本文理で3年間野球ができたことを誇りに思って、多くの人のお手本になれるような人間になりたい」
取材に応じる星兼太選手 「野球の素晴らしさを伝えることができる選手になりたい」
(取材・撮影・文/岡田浩人 取材/松井弘恵 撮影/嶋田健一)