第133回北信越高校野球大会は10日、富山県で1回戦がおこなわれ、新潟県勢は日本文理(新潟1位)が滑川(富山3位)に逆転勝ちし、準々決勝へ進出した。村上桜ヶ丘(新潟2位)福井工大福井(福井2位)に、東京学館新潟(新潟3位)は敦賀気比(福井1位)にそれぞれ敗れた。11日は準々決勝4試合が予定され、日本文理は佐久長聖(長野2位)と対戦する。
日本文理×滑川
6回裏、日本文理が6番・捧颯人選手の右越え2点本塁打で逆転
◎10日の1回戦の試合結果◎
<魚津桃山>
①東京学館新潟1-6敦賀気比
学館 000 000 001 =1
気比 010 010 31× =6
(バッテリー)
学館:①山田-②村上
気比:①山﨑、⑩西本-⑫井戸川
(本塁打)
気比:井戸川(5回・ソロ)
東京学館①山田佳偉投手 中盤まで粘り強く投げたが守備のミスもあり終盤失点した
敦賀気比①山﨑颯一郎投手 東京学館打線に7回を投げ被安打2 最速は141キロ
9回表、6点を追う東京学館新潟が4番・加勢良輔選手のが左前適時打で1点を返す
試合後の挨拶を終えベンチに戻る東京学館新潟 よく食らいついたが終盤引き離された
(試合内容)
・9回表、学館が1死1、2塁から4番加勢の左前Hで1点返す。後続は断たれ試合終了
・7回裏、敦賀気比が2死から死球、二盗、5番植村の左中間三塁打で1点追加。さらに捕逸で1点、7番本間の左中間三塁打で1点追加
・5回裏、気比が8番井戸川の左越えソロ本塁打で1点追加。その後1死満塁も学館よく守り追加点は許さず
・5回表、学館が連続四球で1死1、2塁も2塁牽制死で好機潰す
・4回表、学館が3番坂井の中前H、4番加勢の三強襲Hで2死1、2塁も無得点
・2回裏、気比が1死3塁から6番天野の二塁打で1点先制
◆東京学館新潟・長谷和昭監督の話◆
「山田はよく投げてくれた。1つのミスを点数に絡めてくる力が全国の力なのかなと益々感じた。そこを耐えられるチームを作らなければと思った。(5回終わった段階で2点差で)ウチのペースだよと選手に言ったが、浮足立つところが出てしまった。(山﨑投手は)もう少しまとまっている感じを受けていたが、きょうはボールがばらついていた。初球の直球をタイミングを取って打ちにいこうと指示していた。(打撃は3安打だったが)まだ恥ずかしい打撃。(冬は)様々な部分を鍛えていかなければいけないと思う」
◆東京学館新潟・坂井弘大主将の話◆
「相手が敦賀気比だったが、自分たちの持ち味である守備で失策が出て、投手の山田を援護できず情けなかった。勝負所で自分たちの力が発揮できない弱さが目立った。中盤までは0対2で自分たちのペースで耐えることができたが、後半は集中力が切れるなど課題がたくさん出た。強いチームはミスを突いてくる。北信越でいい経験ができた。打撃はチャンスを作れなかった。1球の重みを頭に入れ、この冬しっかり力を入れて練習していきたい」
②日本文理5-3滑川
滑川 000 200 001 =3
文理 100 002 02× =5
→日本文理が準々決勝へ
(バッテリー)
滑川:①長屋、⑪今崎、⑥小川、⑩松田-②松原
文理:⑩稲垣豪、①藤塚-②堤
(本塁打)
文理:捧(6回・2点)
日本文理の先発は⑩稻垣豪人投手 富山県出身で地元での登板となった
6回1死から登板した日本文理①藤塚光二郎投手 ピンチを切り抜けた
8回裏、日本文理が5番・澁谷唯人主将の左前適時打でダメ押しとなる1点を追加
(試合内容)
・8回裏、文理が荒木、川村、澁谷の三連打で1点追加。捧の左犠飛で1点追加。計2点
・6回裏、文理が2死1塁から6番捧の右越え2点本塁打で逆転
・4回表、滑川が連打で2死2、3塁とし5番石山の左線二塁打で2点を入れ逆転
・1回裏、文理が1死1、3塁から一走狭殺の間に三走還り1点。滑川はこの回3失策
◇日本文理・大井道夫監督の話◇
「5回まで稲垣豪がきちんと放った。あの2点はバッテリーのミス。しょうがない。藤塚は最終回にああいう四球を出すのがまだダメ。あれが克服できればもっといい投球ができる。(打撃では)捧の本塁打は出会い頭のようなもので期待してはいけない。打撃はもっと次につなぐ意識を持ってもらいたい。こういうパターンは負けゲーム。(収穫は)投手が何とか2人でそこそこ投げられるメドがついたのが収穫。きょう勝てたのは投手のおかげ。お互いミスが多すぎた。(あすは)ミスをなくすこと、次につなぐ意識で打撃をやってもらいたい」
◇逆転本塁打の日本文理・捧颯人選手の話◇
「高めに浮いたカーブ。1年生の稲垣豪がいい投球をしていて、自分たち2年生が一押ししてあげなければと思った。前の打席でチャンスをつぶしてしまったので、この回は追いつくという気持ちで打席に入った。監督がこうやって(試合に出る)チャンスを与えてくれるので頑張りたい。サポートしてくれる2年生のために頑張ろうと思って打てた」
◇日本文理・澁谷唯人主将の話◇
「みんな緊張していたので思っていたプレーができなかった。(リードされた後は)序盤なので焦らず自分たちの野球を落ち着いてやることを意識した。1人1人のつなぐ意識がもう少し足りなかった。(8回の適時打は)インコースの変化球。クリーンアップだったのでそこで点を取らないとと思った。明日も一戦一戦、戦うことを意識してやっていきたい」
<県営富山>
①村上桜ヶ丘5-9福井工大福井
村上桜丘 102 001 010 =5
工大福井 414 000 00× =9
(バッテリー)
村上桜丘:①山田、⑪遠藤-②江花、⑦久志田
工大福井:①田中-②島谷
村上桜ヶ丘の1年生⑪遠藤壮真投手 2番手で登板し無失点だった
◆村上桜ヶ丘・松田忍監督の話◆
「継投のタイミングが遅かった。3回途中から投げた(1年生の)遠藤が無失点で抑えてくれて5回以降は押す展開だったが、いかんせん9失点は多すぎた。きょうは監督のせいで負けた。収穫は1年生の1、2番コンビ(増田、久志田)がチャンスメイクをしてくれたこと。秋の大会が始まる時は(主砲の)西野をケガで欠いて、北信越なんて狙える状態でなかったが選手が頑張ってくれた。北信越は初戦で負けたが、どうにもならないレベルではないと選手は感じ取ったと思うので、レベルアップへのいい秋となった。冬はもう少し打力を上げること。そして1にも2にもバッテリー。投手を何とかして、夏に勝負できるようまた頑張りたい」
◎その他の試合結果◎
高岡商8-6小松大谷
長野商8-0富山国際大付(7回コールド)
福井商9-0野々市明倫(7回コールド)
富山商7-2松商学園
佐久長聖3-2小松
◎11日の準々決勝の試合予定◎
<富山市民>
①高岡商(10:00)福井工大福井
②長野商(12:30)福井商
<魚津桃山>
①敦賀気比(10:00)富山商
②日本文理(12:30)佐久長聖
(取材・撮影・文/岡田浩人 情報協力/各地の皆様)