第98回全国高校野球選手権・新潟大会は18日、4球場で4回戦8試合がおこなわれ、ベスト8が決まった。鳥屋野球場では春優勝で第1シードの新潟明訓は十日町にコールド勝ち。悠久山球場では春3位の長岡大手が秋優勝の日本文理を破った。また五十公野球場では昨夏優勝の中越が春準優勝の北越にコールド勝ち。このほか、第4シードの長岡工、長岡商、巻、加茂暁星、帝京長岡がベスト8進出を決めた。準々決勝の4試合は21日(木)に新潟市のハードオフ・エコスタジアムでおこなわれる予定。
悠久山①長岡大手2-1日本文理
勝利の瞬間、長岡大手①南田大輝投手(3年)は拳を突き上げた
◎18日の4回戦の試合結果◎
<鳥屋野>
①新潟明訓7-0十日町(8回コールド)
十高 000 000 00 =0
明訓 113 000 11 =7
(バッテリー)
十高:小林大、小林浩-南雲
明訓:大藪、高津-中村
(本塁打)
明訓:伊藤皓(3回・3点)
②長岡商3-2柏崎
柏崎 000 002 000 =2
長商 011 000 10× =3
<五十公野>
①中越13-2北越(5回コールド)
中越 00 12 01 =13
北越 00 2 00 =2
(バッテリー)
中越:今村-広川
北越:江村、小林、玉木-皆川
(本塁打)
中越:今村(3回・満塁)、坂井(3回・3点)
中越の先発①今村豪投手(3年)
3回表、5点を入れた中越 八番・今村豪選手(背番号1)が満塁本塁打を放ち9点をリード
3回表、さらに中越・坂井琢真選手(2年)が3点本塁打を放ち、この回12点目
3回途中で降板した北越・江村伊吹投手は三塁ランナーコーチとして声を出す
◇中越・本田仁哉監督の話◇
「この夏の大会で3年生がよく力をつけた。前年優勝で『今年はどうなんだ』と見られる中で耐えてきた3年生の力が出ている。(3回は)夏の大きな試合で力以上のものを出した。今まで経験してきた試合でもなかなかない試合。江村くんの強い直球と勝負できるかというところだと思った。それを狙いながら、低めの変化球を見極められるかというのがあったが、落ち着いてできていた。注目されている優勝候補を相手に力を出せるというのは技術だけではない部分、3年生の『今に見ていろ』という思いでやってきたことが出せた印象。今村が筆頭でそういう思いを持っていた。春は負けたが、足りない部分、通用した部分を冷静に(捕手の)広川と協力しながら投げてくれた。去年とは違った色のある、下から這い上がってきた3年生のチームで我慢強い」
◇中越・今村豪投手の話◇
「(満塁本塁打は)内角の高めの直球。直球を狙っていた。少し詰まった感じだったが、伸びてくれてよかった。本塁打は練習試合を含めて初めて。一気に大量得点で、次の回に少し気が抜けた部分があり反省。(春に敗れて)自分の失投で負けてしまった。それを課題にしてきた。ここぞの変化球が甘くなったり、2ストライクに追い込んだ時に集中すること。ブルペンでもカウントを意識しながら投げてきた。自分たちの代でも2連覇して見返してやろうと練習してきた。自分たちの野球をすれば勝てると思う」
◆北越・江村伊吹投手の話◆
「変化球が入らなくて、苦しい投球だったことが悔しい。去年の夏も中越に負けて、春は勝ったが、負けて悔しい。みんなに申し訳ない気持ちでいっぱい。真っすぐに張られていた。3回は先頭を出したことが失点の原因。チームを勝たせられなかったことが悔しい。仲間にはありがとうと言いたい。後輩たちには頑張ってもらいたい。一緒にやってきた仲間と親に感謝したい。(進路は)終わったばかりで、これから考えたい」
②帝京長岡10-3五泉(8回コールド)
五泉 000 300 00 =3
帝京 600 003 01 =10
(バッテリー)
五泉:廣瀬、成田-江口
帝京:バンゴーゼム-樅木
帝京長岡の先発①バンゴーゼム・ゲレック・高投手(3年)
1回裏、帝京長岡が1点を先制後、バンゴーゼム選手の適時二塁打で2点を追加
五泉ベンチ 4回に3点を返した後も最後まであきらめない姿勢を貫いた
<悠久山>
①長岡大手2-1日本文理
文理 000 010 000 =1
大手 100 000 01× =2
(バッテリー)
文理:稲垣豪、藤塚-川村
大手:南田-浅野
試合前、日本文理・大井道夫監督(左)と長岡大手・鈴木春樹監督が握手
試合前、鈴木監督に促され日本文理側のアップを見つめる長岡大手ナイン
1回裏、長岡大手が五番・山谷侑平選手(2年)の中前適時打で1点を先制
5回表、日本文理は1死1、3塁から齊藤輝一選手(3年)の左犠飛で同点に追いつく
8回裏、長岡大手が2死満塁から南田大輝選手(3年)が左前適時打で1点勝ち越し
3回戦の村上桜ヶ丘に続き、優勝候補の日本文理を破った長岡大手ナイン
◇長岡大手・鈴木春樹監督の話◇
「ウチが勝つとすればこういうゲーム。相手を追い詰めることに関しては春の北越戦がモデルになっている。スコアは関係なく、ああいう雰囲気で試合をやればいいと子どもたちが強豪相手の戦い方がわかってきた。村上桜ヶ丘が日本文理と同じように強かったので、ああいう形で乗り越えたのが大きかった。練習でやった苦しいこと、辛いことが、実を結んで結果となって出てきている。南田は春の北越戦で学んだことを十二分にいかしてくれた。この大一番で力を発揮する生徒がすごい。南田は村上桜ヶ丘戦よりはよかった。文理対策で左打者に対する対策はかなりしてきた。(準々決勝は)ずっと村上桜ヶ丘と日本文理を想定しながらやってきた。あとは選手と一緒に監督が頑張りたい」
◇長岡大手・南田大輝投手の話◇
「一冬、日本文理を倒そうとチーム一丸とやってきてその成果が出てよかった。初回を0で抑えることを意識した。日本文理は公立といい勝負をされると焦ると思った。終わった時は緊張がほぐれた。土曜の疲れもあったが、終盤から直球がさらに行った。それは一冬の練習の成果が出た。(8回のチャンスでは)監督から『いい投手は自分の必要なところで絶対に打つ』と前から言われてきた。ここで打ったら勝利につながると思った。抜けた時はうれしかった。ここがゴールではない。スタートと思ってやりたい。優勝候補に勝ってきた。何で大手に負けたんだと言われないよう、今まで自分たちが勝ってきたチームの分も責任を負って戦いたい。甲子園を目指してやっていきたい」
◆日本文理・捧颯人主将の話◆
「(大人数の)チームをまとめるのは大変な部分があったが、ついてきてくれた3年生とメンバーの2年生は気持ちも強く、自分が言っても折れない心を持っていたのでやりやすかった。ただ勝てないというのは自分の責任。(最後の打者となったが)自分が打てば乗ってくれると思ったので、絶対打とうと思ったが・・・。みんなの夏を自分が終わらせてしまい、メンバー外の3年生に申し訳ない気持ちと感謝の気持ちでいっぱい。(後輩には)自分たちは強い文理を1回終わらせてしまった。もう1回立て直して、甲子園で活躍する後輩の姿を見たい。(今後は)大学で野球を続けるつもり」
②加茂暁星3-2糸魚川
暁星 000 000 102 =3
糸高 010 001 000 =2
(バッテリー)
暁星:宮島-伊藤
糸高:松澤-原
(本塁打)
暁星:中野(7回・ソロ)、平林(9回・ソロ)
糸魚川の先発①松澤寛人投手(3年)
2回裏、糸魚川が藤岡大瑛選手(3年)の二塁打の後、犠打悪送球で1点を先制
7回表、加茂暁星が中野翼選手(1年)の左越えソロ本塁打で1点を返す
9回表、加茂暁星の平林渉選手(2年)が右越えソロ本塁打 土壇場で同点に追いつく
9回表、加茂暁星は2死1塁から内山和選手(2年)の中越え三塁打で勝ち越し
9回裏のピンチを抑え、勝利の瞬間に涙した加茂暁星の宮島投手をナインが笑顔で迎える
◇加茂暁星・押切智直監督の話◇
「本塁打を打とうという練習の成果が出た。野球を始めた時、プロ野球を見た子どもの頃はヒットを打ちたいではなく、本塁打を打ちたいというのが夢や目標だったはず。高校野球でも、お客さんから見ていいなと思ってもらえる野球を、そして能力がある選手なので遠くへ飛ばしてもらいたいと思ってやっている。きょうはよい時も悪い時も声をかけあい、冷静にプレーできていたのでうれしかった。宮島には開会式前からこの日に投げることを伝えていた。背番号1だから、勝負所の試合では彼で完投させると決めていた。(準々決勝の長岡大手戦は春の再戦になるが)悠久山じゃなくてよかった(笑)。きょう帰ってリフレッシュして、また新たな作戦を考えたい」
◇加茂暁星・宮島拓斗投手の話◇
「野手がカバーしてくれて、逆転してくれると信じていた。踏ん張って投げることができ逆転できてよかった。1回からピンチがあったが、2点と最少で抑えられたと思う。(準々決勝は)春は自分が投げて不甲斐ない結果だった。平常心が保てなかったので、夏に向けて平常心を保つ練習をしてきた。野手が代わるとリズムが狂っていたので、練習から捕手を代えたりしながら、誰が守っても自分のリズムで投げられるようにしてきた。エコスタは強いチームじゃないと行けない場所。絶対に勝つという気持ちでマウンドに立つ」
◇加茂暁星・平林渉選手の話◇
「最終回は甘い球がきたら一発で仕留めようと考えていた。本塁打は公式戦で初めて。強くスイングする練習をしてきた。それをこの場面で発揮できてよかった。長岡大手戦もみんなで集中して勝ちたい」
◆糸魚川・松澤寛人投手の話◆
「最終回まで味方にリードしてもらっていたのに踏ん張り切れず申し訳ない。(9回裏は)しっかり攻めて、1個ずつアウトを積み重ねようと思ったが力んで高めに浮いた。もっと慎重に入るべきだった。(連投の疲れは?)最初は少し感じたが、投げていくうちに気持ちの面で負けたくないと思った。スタミナは気にならなかった。きのうの感覚が残っていたので投げやすかった。最初に打たれた本塁打は腕が振り切れず甘く入った。1本目はスライダー。どちらも打たれた瞬間に本塁打だと思った。逆転された後も裏の攻撃があると声をかけてもらい気持ちは楽になった。自分が投げて打たれてしまい、投げられなかった選手に申し訳ない。(今後は)具体的な進路は決めていない。もし野球をやることになっても、やらないことになっても、試合を経験した2年生が引っ張っていってくれるように自分もサポートしたい」
<佐藤池>
①長岡工11-2村上(7回コールド)
長工 100 910 0 =11
村上 002 000 0 =2
(バッテリー)
長工:藤塚-小川
村上:佐藤悠、石田、佐藤悠-野沢
②巻10-0六日町(6回コールド)
六高 000 000 =0
巻高 005 023 =10
(バッテリー)
六高:水澤、若井、南雲-中條
巻高:小鷹-長島高
◎21日(木)の準々決勝の試合予定◎
<ハードオフ・エコスタジアム>
①新潟明訓(8:30)長岡商
②巻(11:00)長岡工
③帝京長岡(13:30)中越
④長岡大手(16:00)加茂暁星
(取材・撮影・文/岡田浩人 取材・撮影/松井弘恵 情報協力/各地の皆様)
いつもお世話になってます。暁星と糸魚川の先発が逆です。お疲れさまです。
大変失礼いたしましたm(_ _)m
早速修正させていただきました。
ご指摘ありがとうございました。
中越すげぇw
ここからは、精神力の差が出ますね 日頃鍛錬してきた差
しかし、長岡勢頑張ってますね
文理負けたんですね…
鈴木先生、さすがですね。いいチームを作られてるんでしょうね。
新潟で試合が見たいです。
今後のレポートも楽しみにしています!
頑張れ長商!21日は厳しい試合になると思いますが、勝ち進んで欲しいです。
仕事抜けてエコスタに応援行きます!