第136回北信越高校野球・新潟県大会(春季県大会)は14日、悠久山球場で準決勝2試合が行われ、日本文理と中越が決勝に進出した。新潟明訓と関根学園はシード順位決定戦に臨む。決勝戦とシード順位決定戦は15日に同球場で行われる。
準決勝② 延長11回表、中越が長岡真男の左中間適時二塁打で勝ち越し
◎14日の準決勝の試合結果◎
<悠久山>
①日本文理9-1新潟明訓(7回コールド)
文理 060 000 3 =9
明訓 010 000 0 =1
(バッテリー)
文理:新谷、稲垣-牧田
明訓:田邊、大藪、荘司-高橋
(二塁打)
文理:川村(2回)、寺杣(7回)
明訓:石川(2回)、高橋(5回)
◎戦評◎
日本文理が序盤に制球難の新潟明訓投手陣を攻略。終盤にダメ押ししコールド勝ちした。新潟明訓は序盤の好機であと1本が出なかった。
日本文理は2回、1死1、2塁から笠原遥也の右前適時打で先制すると、続く牧田龍之介の適時打、犠飛で3点を先制。さらに連続四球で満塁とし、川村啓真の走者一掃二塁打でこの回計6点を挙げた。中盤に攻めが単調となったが、7回に3本の適時打で3点を追加し、コールド勝ちした。
新潟明訓は2回に無死満塁の好機を掴んだが、併殺打の間に1点を返すだけにとどまり、その後の攻撃も日本文理の2人の投手の前に抑えられた。
日本文理の先発⑪新谷晴(2年)
2回表、日本文理は2死満塁から川村啓真が走者一掃二塁打を放つ
2回裏、新潟明訓は満塁の好機も併殺の間に若林拓が生還した1点のみにとどまる
7回表、日本文理は先川大智の適時打で2塁走者・寺杣直泰が生還
◇日本文理・大井道夫監督の話◇
「最初に大量点を取り、攻めが雑になった。(川村は適時打が出たが)もう1つ。あの満塁での二塁打は大きかった。左投手が来るとは思わなかったが、どのみち試合になれば打たなければならないから。(投手陣は)まだベルト付近に来る球が多い。もったいない。(2回の1失点は)無死満塁から1点しかやらなかったのだから上出来。(新谷の)5回1失点は合格点。今の稲垣はいい球が来てる。(決勝は)ウチの野球をやるだけ」
◇2回に走者一掃二塁打の日本文理・川村啓真選手の話◇
「(4回戦の)糸魚川白嶺戦と(準々決勝の)長岡大手戦で無安打で打線のストッパーのようにになっていた。1打席目に併殺になり、気持ちを変えようと2回の満塁の場面で打席に立った。1ボールになり、ここしかないと思い、いい感じで振り抜くことができた。この大会を通して自分のスイングができなかったというのがあり、気持ちの面で吹っ切れた部分があった。試合になると打ちたい、結果を出したいと、思うような打撃ができなかった。きょうの2打席目(二塁打)ではこういう気持ちで臨めばいいと分かったので、決勝戦や北信越大会、夏に繋がる1打席だった」
◆新潟明訓・本間健治郎監督の話◆
「(2回の失点は)あれだけ四球を出していたら話にならない。(左の田邉先発は)左のいい打者が多く、左投手で中盤まで凌いでくれればと考えていたが・・・。野手でアウトを取れるようにならないとリズムも出ない。(日本文理が相手という意識は)それはあまりなかったが、ただこうやって文理さんとウチの試合は皆さんがいろいろと楽しみにしていただいている中で、欲を言えば選手たちにももうひと踏ん張り、文理の気迫をひしひしと感じる中で打ち勝たなければ。(けん制死も)2つあって、アウトにならなくていいアウトを差し出していては試合にならない。稲垣くんの高めに手が出てしまう部分など、まだまだこれから」
◆新潟明訓・部田隼平主将の話◆
「敗因は力の差があった。夏の大会に向けて練習で基本的なことをしっかりやって次また挑みたい。ただ自分たちももっとできるという確信も持てた。次、やってやろうという気持ちが強い」
②中越8-5関根学園(延長11回)
中越 020 101 010 03 =8
関根 022 000 100 00 =5
(バッテリー)
中越:澤中、村田、山田-小鷹
関根:西本、平野、酒井陸-藤澤
(二塁打)
中越:長岡(11回)
(三塁打)
中越:坂井翔(6回)、斉藤(8回)
関根:中田(3回)、荒井(7回)
(本塁打)
中越:小鷹(11回・2点)
◎戦評◎
中越が関根学園に2度リードを許す展開を追いつき、延長戦で突き放した。関根学園は終盤あと1本が出なかった。
中越が2回、小鷹葵の適時打と澤中京太郎のスクイズ(記録はバント安打)で2点を先制するも、関根学園がその裏、斉藤光祐の適時打と犠飛ですぐさま同点に追いつく。関根学園は3回、走者2人を置いて中田智也が右越え三塁打を放ち、2点を勝ち越した。
4回に相手守備の乱れで1点差とした中越は6回、坂井翔太の適時三塁打で同点に追いついた。7回に関根学園が相手守備の乱れで1点を勝ち越すが、8回に中越が斉藤海の適時三塁打で同点に追いつくという、一進一退の攻防で試合は延長戦に。
延長11回、中越は死球で出た走者を2塁に送り、長岡真男の適時二塁打で勝ち越し。さらに続く小鷹が右越え2点本塁打を放ち、試合を決めた。
中越の先発①澤中京太郎
2回裏、関根学園は斉藤光祐の右前適時打で反撃 この後犠飛で同点に
3回裏、関根学園は走者2人を置いて中田智也の右越え三塁打で2点を勝ち越し
4回途中から登板した関根学園⑪平野喜寛(2年) 延長11回に捕まった
6回から登板した中越⑪山田叶夢(2年) 最速136キロをマークした
延長11回表、1点を勝ち越した中越は小鷹の2点本塁打でダメ押し
◇中越・本田仁哉監督の話◇
「こういう試合を勝てたことが大きい。序盤が点の取り合いとなり、『きょうは取り合いで勝つぞ』と(選手に)話しながら試合を進めた。失点よりも、狙い球を整理して決めて自分の打撃をしようと言った。要所要所でいい1本が出ていた。最後は打撃で上回れた。(11回は)10回を凌いで、11回はチャンスかなと思い、ここで勝ち切りたいと思った。力を付けてきた2年生の長岡、小鷹がよく打ってくれた。(投手は)失点については帰ってから整理して、余計な出塁、進塁、失点が多かったので反省して次に臨みたい。(決勝の日本文理戦へ)できる力を精いっぱい春は出す。相手も力があるが、春は相手がどうだからというよりも試合の中で自分の力を出し切るということをテーマに臨みたい」
◇2安打3打点の中越・小鷹葵選手の話◇
「(本塁打は)公式戦初。真っすぐが抜けた球で、前の2打席で内角に来ていて手が出なかったので、絶対に初球はそこで勝負してくると思った。前の長岡が(勝ち越し打を)打った後だったので初球はストライクが欲しい場面だと思い、狙った。手応えは高く上がったので『行ったかな』と思った。(長岡が打った後で)気持ちが楽だった。今大会は打撃の調子よりも(捕手の)守備の方を考えて、投手をとにかく組み立てられるようにと考えている。きょうは力のあるチームだったので、高さだけは低く意識させた。(決勝戦は)1個1個丁寧に積み重ねることができれば、こちらが有利な展開に持って行くことができると思う。思い切ってやっていきたい」
◆関根学園・安川斉監督の話◆
「最後は(2人走者を置いて)荒井に回り、舞台は整ったが、3点は重すぎた。その前に(10回の)酒井佑のバント失敗が全て。繋ぎの六番で置いたのだが・・・。(攻撃は)この大会はバントミスが多く、夏までに修正しなければいけない。もったいない試合。明日があるのだから決勝に出ようという気持ちで来たのだが。課題は攻撃の繋ぎ。投手陣は1、2年生がよくここまで投げたというのが収穫」
◆関根学園・藤澤大地主将の話◆
「春の頂点を目指してやってきたので悔しい。去年秋に勝って、この春に勝たなければ去年勝った意味がないと思ったので、きょうは何が何でも中越に勝とうという思いだった。こういう形になり悔しい。(先制されたが)打ち負けずに追いつけたのはよかった。ただフライが多く、簡単に攻撃が終わってしまった。あすはゴロやライナーを徹底したい」
◎15日の試合予定◎
<悠久山>
[シード順位決定戦]
新潟明訓(10:00)関根学園
[決勝戦]
日本文理(12:30)中越
(取材・撮影・文/岡田浩人 取材/松井弘恵)
文理高校選手の皆さんお疲れさまでした❗
投手、打線最高に良かったです。
この調子であと一勝頑張って下さい☺
応援しています🙇