【高校野球】日本文理、北越がベスト8進出 中越は惜敗 北信越大会1回戦

来春の選抜甲子園出場の参考となる「第137回北信越高校野球大会」の1回戦が14日、福井県で行われた。日本文理(新潟1位)は福井工大福井(福井3位)に9回逆転勝ち、北越(新潟3位)は日本ウェルネス(長野1位)に3投手の継投で完封勝ちし、ともにベスト8進出を決めた。中越(新潟2位)は富山国際大付(富山2位)に競り負け、初戦突破はならなかった。15日は準々決勝4試合が行われ、日本文理は日本航空石川(石川2位)と、北越は星稜(石川1位)と、ベスト4進出を懸けて戦う。

11年ぶりの北信越大会勝利を飾った北越ナイン

◎14日の1回戦・新潟県勢の試合結果◎
<福井県営球場>
①北越(新潟3位)5-0日本ウェルネス(長野1位)
ウェル 000 000 000 =0
北 越 003 100 10 × =5
(バッテリー)
ウェル:高山、市川、板倉-内藤
北 越:片桐、幸田、大野-堀口
(二塁打)
ウェル:赤羽(7回)

北越の先発①片桐蕗都 3回を投げ被安打1、無失点に抑えた


3回裏、北越は2死満塁から牽制悪送球の間に小池建喜が生還し先制


4回から登板した北越の1年⑩幸田大和 4回を被安打1、無失点に抑えた


北越は8回から1年⑱大野絢平(左)が登板 2回を完璧に抑えた

◇北越・小島清監督の話◇
「監督に就任(09年)してから北信越初勝利でうれしい。(3回の3点で)楽になった。(3投手の継投は)早め早めにどのタイミングでカードを切るかというところだけを注意していかなければと試合前から考えていた。片桐は低めに丁寧に投げていた。『まだ行けます』と言っていたが、『もういいよ』と言った(笑)。向こうに主導権を渡したくなかったのでつかまる前に早め早めにと考えていた。幸田は変化球の制球がよく、捕手も的を絞らせずにいけた。きょうは今までで一番球速が出た(131キロ)のでこの先も楽しみ。大野は7回からの予定だったが、7回に中軸の左打者に回るので幸田で1イニング引っ張った。(4回の三番・阿部の適時打は)県大会では不調だったので、北信越で安打が出てよかった。(準々決勝は)思い切ってできることをチームで徹底してぶつかりたい」

◇北越・星野悠主将の話◇
「点を取ることができたのはよかったが、甘い球を逃している部分もあった。(攻撃の)精度を上げていきたい。(11年ぶりの北信越勝利で)今までの先輩の思いも背負って戦っている。そこを意識しながら明日も戦いたい。(準々決勝も)自分たちが今までやってきたことを貫いていきたい」

◇先発した北越・片桐蕗都投手の話◇
「相手の中軸が力のある打者だったので、集中して低めとコースをしっかり突いて、失投をなくすように心がけた。(無失点リレーで)県大会でもここまでいいリレーはなかったので、みんなで頑張れた」

◇二番手で登板した幸田大和投手の話◇
「初めから継投と聞いていたのでしっかり後ろに繋ぐことができてよかった。中軸が力があると聞いていたので、甘い球は打たれると思っていた。しっかり低め、コーナーに投げることができた。(牽制アウトは)常に狙っている。あれでリズムに乗れた。疲労もなく、あすも万全でいける。また無失点で完封リレーできれば」

◇試合を締めた大野絢平投手の話◇
「点差もあったので押せ押せでいかせてもらった。(最速138キロだったが)最近は130キロ台後半が出ていた。中3の時は130キロが最速だった。トレーニングで体幹の動かし方など体の使い方を勉強して速くなった。きょうは真っすぐは走っていたが、制球にばらつきがあった。低めにもっと集められればというのが課題。(準々決勝は)自分のスタイルをしっかり貫いて投げていきたい」


<敦賀市総合運動公園>
②中越(新潟2位)3-4富山国際大付(富山2位)

国際 000 003 010 =4
中越 110 001 000 =3
(バッテリー)
国際:北山-竹内
中越:山本雅、山田-小鷹
(二塁打)
中越:長岡(1回)、小鷹(8回)
(三塁打)
国際:朽木(6回)、大屋(6回)、竹内(8回)

◎試合経過◎
中越は1回、先頭の長岡が二塁打で出塁。犠打野選で1、3塁とし、三番坂井の左前適時打で先制。2回にも山本雅の適時打で1点を追加した。先発の山本雅は5回まで無安打投球だったが、6回に四球と初安打で1、3塁とされ、朽木に中越え三塁打を許し同点に追いつかれた。ここで中越は左腕・山田に交代したが大屋に左越え三塁打を打たれ逆転される。中越はその直後、坂井の犠飛で同点に追いついた。しかし8回、富山国際大付に2死から失策で走者を許すと、竹内に左越え三塁打を打たれ勝ち越された。


<福井県営球場>
③日本文理(新潟1位)6-4福井工大福井(福井3位)
文理 003 000 003 =6
工大 101 020 000 =4
(バッテリー)
文理:新谷-坂井
工大:武盛、山崎-竹橋、二宮
(二塁打)
文理:先川(3回)
(三塁打)
文理:先川(9回)
工大:上田(5回)
(本塁打)
工大:高原(1回)

日本文理の先発①新谷晴


3回表、日本文理は四番・鈴木裕太の左前適時打で同点 さらにこの後逆転に成功



1点を追う日本文理は9回表、先川大智の中越え三塁打(上)で二者が生還し逆転

◇日本文理・鈴木崇監督の話◇
「ポイントは6回の攻撃での(九番)相場の併殺。その出来事に私が動けたか動けなかったか。併殺の多さと残塁の多さは文理としての課題。相場にもう一回り大きくなってほしくていかせた。県大会は(九番)長坂でうまく回っていたが、大会後の練習試合から悩んできての起用だった。(9回は)上位に回るから1人出ればと話していた。最終的にやっと役者になった先川が打った。これで終わりではないと伝えたが。(新谷は)投球内容は県大会0から、先頭打者本塁打という形で失点したが、新谷の投球はできた。(課題は)中盤。点数の入り方がウチは1イニング、相手は3イニング。そういうところは課題で次回にいかしたい。(途中交代の鈴木のケガは)捻挫だと思う。走塁で右足を痛めた。逆にウチとしては発奮材料。鈴木がいなくてやられるのかと選手に伝えた。反省点はきょうのうちにしっかりケアしたい」

◇日本文理・坂井元気主将の話◇
「工大は打力のあるチームと思っていたが、あの先制パンチ…甘い球ではなかったが。その後3人で後続を切れたことが大きかった。回を追うにつれて点を取ればいいと考えていた。(逆転後に逆転され)焦っていなかったかと言われればウソになるが、チーム全員が『逆転の文理』と言われている中、自分たちが新チーム結成時から何をしてきたのかを考え、こんなもんじゃないだろうと。明日はきょうよりも数段厳しい試合になる。メンバーで反省事項をまとめ、いい形で明日に乗り込みたい」

◇9回に逆転の適時三塁打を放った日本文理・先川大智選手の話◇
「1点差で3塁走者の米山を還せば同点で延長だったので、それを最低限にと考え、外野フライを打つことだけを意識した。自分はまず1点という気持ちだった。(打ったのは)真ん中高めの直球。県大会とは違うフォームで指導を受け、最後の当たりはタイミング、引きつけ方、いい感触だった。余計な動きをなくし、トップに近い所で構えるようにした。(準々決勝は)きょうのような苦しい試合を勝てた自信を持って、1回1回、1球1球しっかり戦いたい」

◇完投した日本文理・新谷晴投手の話◇
「(先頭打者本塁打は)初めて。この打線は気が抜けないと思った。そこから3人で抑えることができたのはよかった。(5回の2失点は)自分は2死からの失点が多い。そこは次にないようにしたい。(先川の一打は)やっぱり打ってくれるなと。心強い仲間。最後は気持ちで、エースとしての役割を最後まで果たすよう意識した。(連投は)不安はない。投げ切る」


◎その他の試合結果◎
富山商(富山1位)6-3金沢学院(石川3位)
松商学園(長野3位)11-1金津(福井1位)(7回コールド)
星稜(石川1位)1-0北陸(福井4位)
坂井(福井2位)2-1佐久長聖(長野2位)
日本航空石川(石川2位)4-0高岡商(富山3位)


◎15日の準々決勝・新潟県勢の試合予定◎
<福井県営>
北越(10:00)星稜

<福井フェニックス>
日本文理(12:30)日本航空石川

(取材・撮影・文/岡田浩人 情報協力/各地の皆様)


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