【NPB・BCL】川上拓斗審判員がNPB研修審判員に 中越高校OB

日本野球機構(NPB)は28日、去年12月に実施した「第5回NPBアンパイア・スクール」を受講した3人と研修審判員として契約したと発表。中越高校野球部OBで2015年からル-トインBCリーグの審判員を務めてきた川上拓斗さん(21)が合格し、今季はNPBの研修審判員としてBCリーグに派遣されることが決まった。新潟県出身の審判員がアンパイア・スクールを経て合格するのは2人目。川上さんは取材に対し、「受講3年目でやっとスタートラインに立つことができた。これからが大事なので、さらに技術を向上させていきたい」と決意を話した。

NPB研修審判員に合格した川上拓斗さん(左端)と西沢一希さん、郡司真里さん
(写真提供:ルートインBCリーグ)

川上さんは小千谷市出身。小学3年で野球を始め、中学ではエースを務めた。中越高校ではケガに泣きながらも、3年夏に一塁手の控えとしてベンチ入り。新潟大会準々決勝で飯塚悟史投手(DeNA)擁する日本文理高校と対戦し、最終回に代打で出場するも三振に倒れた。高校時代にケガで出場できない中、練習試合の際に務めた「審判」の仕事に興味を持ち、卒業後にBCリーグの審判員として採用された。

15年春に審判員としてBCリーグの公式戦でデビュー。昨季17年シーズンにはリーグの最優秀審判員に選ばれている。

冷静なジャッジで昨季はBCリーグの最優秀審判員に選ばれた

NPBの審判員になることを目指している川上さんは、これまで3度、「アンパイア・スクール」を受講した。実技やルールテストなどが行なわれる実質的な一次テストとなるこのスクールで、川上さんは過去2度不合格となったが、昨年12月のスクールでは63人の受講生のうち、次の段階に進める6人の中に入った。2次テストは今月1日から始まった宮崎県でのプロ野球キャンプで、ここに参加した川上さんはブルペン投球での判定やシート打撃での審判技術をテストされ、見事に合格。川上さんを含む3人がNPBの「研修審判員」として採用されることが決まった。

川上さんは取材に対し、「受講3年目でやっとスタートラインに立つことができた。これからが大事なので、さらに技術を向上させていきたい」と安どと決意をにじませた。

今後は「育成審判員」への昇格、その先のNPB審判員としての契約を目指す

今後はBCリーグに派遣され、さらなる実戦経験を積みながら、NPBファームの試合を担当する「育成審判員」への昇格や、さらにその先の「NPB審判員」としての本契約を目指すことになる。ただ、「研修審判員」も「育成審判員」も1~3年以内に結果を残さなければ契約を解除される厳しい世界である。

川上さんは「夢は日本シリーズで球審を務めることと、高校の時に立てなかった甲子園で審判をすること。いつかは高校の時に対戦した飯塚悟史投手のボールを球審として見てみたい」と語っている。

(取材・撮影・文/岡田浩人 写真提供/ルートインBCリーグ)


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