【高校野球】日本文理が5大会連続優勝 春季県大会

第138回北信越高校野球・新潟県大会(春季県大会)は13日、長岡市悠久山球場で決勝戦が行われ、日本文理が6対2で関根学園をくだし、春秋の大会では4季連続24回目、夏も合わせた県内の大会では2016年秋から5大会連続の優勝を決めた。日本文理の県内連勝は30に伸びた。日本文理と準優勝の関根学園の2校は6月2日から石川県で開催される北信越大会に出場する。なお決勝戦前に行われたシード順位決定戦では中越が加茂暁星を9回サヨナラでくだした。

日本文理の先発⑨新谷晴 7回を1失点と安定した投球で優勝に貢献した

◎13日の試合結果◎
<悠久山>
決勝戦
日本文理6-2関根学園
文理 000 042 000 =6
関根 000 001 010 =2
→日本文理が県内5大会連続優勝
(バッテリー)
文理:新谷、南-佐藤、平野
関根:小山、齋川-玉木
(二塁打)
文理:長谷川(5回)、先川(6回)、鈴木(6回)

関根学園の先発⑪小山快斗 右サイドからの変化球で中盤まで的を絞らせなかった


5回表、日本文理が上野孝統の右前2点適時打で先制


6回裏、関根学園が安打で出塁した櫻井智裕が内野ゴロの間に生還 1点を返す


6回途中から登板した関根学園⑩齋川寛太(1年)3回1/3を投げ無失点


日本文理の三番・先川大智は4安打を放った


日本文理は2番手・南隼人(2年・左から3人目)が2回1失点で締めた

◇日本文理・鈴木崇監督の話◇
「大会を通して鈴木、新谷がしっかり投げてくれた。一冬やってきた課題と新入生を交えてからの新しい文理の戦い方の中で結果を出せたことはよかった。(きょうは)新谷が期待に応えてくれた。(5回まで完全試合で)0が並ぶ中、早く打たれろと、1本出れば違うよと言っていた。(後半は2年の南、1年の平野のバッテリーについて)部員90人の中でメンバー18人を選び、戦力として出しているので自信を持って行けと話した。ブルペンでは常に一緒にいたので心配はしていなかったが、いざ投げてみると若さはあったと思う。去年の今頃は鈴木も新谷も、稲垣がしっかり後ろにいた部分で経験している。それはウチの強さ。公式戦を通してしか味わえないことがある。(1年の長谷川は)きょうの一打を見ていただければ。結果につながってよかった。(下級生の活躍を見て)3年生からなにくそと思ってもらいたい。北信越までの2週間で勝負をしてくれれば。(チームの課題は)秋にしっかり戦えたという実績があり、私が選手起用を間違えないようと思っていた。上位打線の固定、鈴木のエースとしての立ち居振る舞いという軸がしっかりして戦うことができた。(夏へ向けて)9イニングの中、1球1球の動きにもう少し敏感に反応できたら。全部いい方向にはいかない。天候状況、リードされた場面など、練習試合を通して調整したい」

◇日本文理・新谷晴投手の話◇
「今大会初先発で試合前からやる気だったが、それが結果に出た。初回を3人で抑えられたことがよかった。打たせて取る投球で、守備でも助けられた。(冬で成長できたのは)マウンド度胸がついた。真っすぐも変化球も制球がよくなった。(北信越大会へ)秋に負けた日本航空石川にリベンジという気持ちもあるが、それ以上に北信越で一番を獲ってやろうという気持ち」

◇先制打の日本文理・上野孝統選手の話◇
「監督から日頃『意地がない』と言われてきて、ここで1本打って意地を見せたいと思って打席に立った。打った瞬間は先っぽだったが上手く落ちてくれた。本番は夏なので、夏へいい流れで行けるよう、北信越大会でもしっかり勝ち続けたい」

◆関根学園・安川巧塁監督の話◆
「悔しい気持ちでいっぱい。どうにか2人の投手で最少失点に抑えてと思っていた。新谷くんが丁寧に変化球でコースを突いてきて狙い球を絞れなかった。ワンチャンスしかないと言っていたが、後半も集中して攻撃陣は頑張っていたが、もう1つという部分が今後の課題。(小山は)文理戦で放らせるため、変則でタイミングをずらすことをやってきた投手。4回までははまってくれた。ただ失策からの失点絡みが課題。ああいうところを最少失点で抑えなければ文理さん相手には甘くない。1年生の齋川は怖いもの知らずで期待以上のことをやってくれた。4点までは覚悟していた。5点をウチがどう取るのかが勝負と思っていた。ある程度の試合を作ってくれたのは投手が頑張ってくれたから。北信越ではメンバーはガラリと変えるつもり。まだ力のある選手もいる。競争させてもう1つ2つ成長できて、また文理と戦えるよう、チーム内で競争させる。この春、中越、文理と試合ができたことは夏へ向けていい準備ができた」

◆関根学園・茅野仁英主将の話◆
「序盤競った中で、自分のミスから失点に繋がり申し訳ない。序盤なかなか打てなくて、監督からは『ワンチャンスが絶対あるからモノにしろ』と言われていた。投手が代わった後、取れるところで得点できたので、そこは夏に繋がる。秋に続いて文理に負けてしまったので、夏は文理を倒して甲子園に行きたい。秋はコールド負けだったが、春は差が縮まっていると感じた。秋は貧打線という厳しい言葉をいただいた。冬は毎日バットを振り込み、春は打の関根を復活させたいと思っていた。繋ぎの部分では成長できた。(今大会の収獲は)西本が連投できるようになったこと、下級生がしっかり仕事をしてくれたこと、夏に繋がることはあった。まずは北信越で1勝して夏に繋げていきたい」


春秋の大会では4季連続24回目の優勝を決めた日本文理


2014年夏以来となる県準優勝となった関根学園


シード順位決定戦
中越7-6加茂暁星
暁星 000 000 033 =6
中越 010 040 101 =7
→夏の選手権は中越が第3シード、加茂暁星が第4シード
(バッテリー)
暁星:白勢-宮本
中越:山本雅-小鷹
(二塁打)
暁星:宮本(6回)
中越:坂井2(7回、9回)、小鷹2(7回、9回)
(本塁打)
暁星:宮本(8回・3ラン)、竹林(9回・3ラン)

中越①山本雅樹 準々決勝で左足にケガも志願して登板した


加茂暁星⑩白勢悠貴(2年) 変化球を駆使し粘り強く投げた


5回裏、中越が安達の左前適時打で2点を追加


回表、加茂暁星は2死から代打・竹林楓也(左から2人目)が同点3ランを放つ


9回裏、中越は小鷹葵の中越え適時二塁打でサヨナラ勝ち

◇中越・本田仁哉監督の話◇
「山本雅樹は投げることを自ら志願した。ボールはケガ前よりも落ちていたが、技術的な反省点は挙げればキリはないが、山田(叶夢)がいない中で背番号1を背負って投げてきたエースが春の最終戦で投げ切ったことが、最後に1点を上回る試合になったのだと思う。夏に向けていい試合ができた。(小鷹のサヨナラ打は)山田がいない、山本も万全でない中、投手をリードしてよく踏ん張ってきた中、気持ちのこもった一打だった。(春の総括は)万全でない状態の中、チームの総合力、新しい戦力を出す中でどう戦うかが春の課題と思っていた。きのうは敗れたが、皆が力を出し切る中できょうは勝って終わることができた。あとは夏に向けて、けが人も順調に戻り始めている。しっかりチームを整備し直して、心身ともに万全の状態で臨みたい」

◇中越・小鷹葵主将の話◇
「(サヨナラ打は)きのう、きょうと自分のミスで、主将としてもっとチームをよくしていくために、何とか自分で絶対に返そうと思った。敬遠気味だったが、2ボールからストライクが入ってきたので、真っすぐを待っていた。高めだったが狙っていた。何とか1本が出てよかった。今回、捕手の配球が勝ち負けに影響することがよくわかった。考え直して夏に挑みたい。失点を少なくしたい。(山本)雅樹はきのうから俺が行くという気持ちがあった。そういう強い気持ちが球に表れていた。夏に向けたいい課題が見つかった。チャンスでの一打、得点を取った後に取られたことが印象に残っている。夏までには(得点を)取ること、凌ぐことを心掛けたい」

◇中越・山本雅樹投手の話◇
「最初から直球も球速が出ず、制球もよくなくて、調子が悪い中で0で抑えてきたが、8回、9回の本塁打は甘くなった。もったいなかった。(左足の状態は)痛くはないが、ぼちぼちだった。自分が投げて雰囲気を変えたかった。真っすぐは秋よりは強くなった。夏はもっと磨いて、真っすぐで抑えられるようにしたい

◆加茂暁星・飯田雅司監督の話◆
「完全な負けゲームのパターン。チャンスで打てない、エラー。これでは投手が可哀想。白勢は走者が出ても粘り強く投げ、よく頑張った。(本塁打2本は)出会い頭。白勢が6点に抑え、コールドギリギリまで踏ん張っていたのであれが出た程度。あれは評価していない。その前のチャンスで打っていれば。毎回のチャンスで捕まえられなかったことで勝敗が決まった。きょうは白勢に任せようと思っていた。(サヨナラ打は)投げミス。歩かせようと考えていた。小鷹くんはいい打者で見逃してくれなかった。(1年生の荒木起用で)1年だとか3年だとかは関係ない。荒木は打撃の技量もあり、いろいろなタイプの投手でも変わらず、崩されることがない。それで起用している。(夏に向けて)課題があり過ぎる。約2か月でできるかなという部分はあるが、特に3年生には発破をかけたい。ベスト4で満足してはいけない。気持ちが序盤の攻撃に出た。目標は甲子園ではなく、甲子園で勝てるチーム。これでは到底無理。準決勝、決勝の2連戦の体力、精神力を一からやり直さなければ

◆加茂暁星・白勢悠貴投手の話◆
「直球も変化球も最初はよかったが、最後はスタミナが切れて打たれた。そこを反省したい。守りから雰囲気を作ろうと、打たせて取っていこうと考えた。秋は完投できなかったが、春は2試合で完投できたことが収獲。もっとスタミナをつけて、常に速い直球を投げること、変化球の制球をよくしたい」

(取材・撮影・文/岡田浩人 取材/松井弘恵)


【高校野球】日本文理が5大会連続優勝 春季県大会” への1件のコメント

  1. 日本文理の皆さん30連勝おめでとうございます。
    敗れた関根学園の皆さんも北信越大会頑張ってください。
    皆さん試合お疲れ様でした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です