【高校野球】日本文理が準決勝へ 関根学園は敗退 北信越大会・準々決勝

石川県金沢市で開催中の「第138回北信越高校野球大会」は3日、2球場で準々決勝4試合が行われ、日本文理(新潟1位)が坂井(福井1位)に3対2で競り勝ち、2016年秋以来の北信越大会ベスト4進出を果たした。関根学園(新潟2位)は今春センバツベスト8の星稜(石川1位)に0対7、7回コールドで敗れた。4日は石川県立球場で準決勝2試合が予定され、日本文理は4年ぶりの決勝進出を懸けて佐久長聖(長野1位)と対戦する。

準々決勝 日本文理3-2坂井
1回裏、日本文理が相場一成の右前2点適時打で3点をリードする

◎3日の準々決勝の試合結果◎
<金沢市民>
②日本文理3-2坂井
坂井 001 010 000 =2
文理 300 000 00 × =3
(バッテリー)
坂井:帰山慎、嶋田-石川
文理:鈴木、川野邊、新谷-佐藤旭
(三塁打)
坂井:帰山賢(5回)

1回裏、日本文理は2死満塁から長谷川優也(1年)の左前適時打で先制



日本文理の先発①鈴木裕太は3回に自己最速タイの150キロを計測も4回1失点


5回から登板した日本文理⑪川野邊一輝は2イニングを投げ1失点


7回から登板した日本文理⑨新谷晴 7回には無死3塁も気合いの投球で0に

◇日本文理・鈴木崇監督の話◇
「また明日新しいことに挑戦できる。鈴木もそうだがボールの後の直球が打たれている。打撃は(相手に)いい投手が2枚いるということで、きょうも朝打撃練習をしてきたが、そこは去年夏の出場校。向かっていこうというのが気負ったかもしれない。(新谷のリリーフは)明日を迎えるため。課題は左打者を抑えること。ちょうど1番からの打線だったので行けと。新谷はやっと、やっと、やっとその気になってきた。4連戦は甲子園でもないこと。鈴木の先発は土日の練習試合ではあることなので。ただ球数、あさって(決勝)も考えなければいけないので4回で降ろした。きょうは後半に(鈴木)裕太がいなくてもやれたことを自信にしてもらいたい。苦戦はしたが、自分たちから崩れなかったのでよかった。(打撃は)ウチはこんなもの。なので走塁と1つ先の塁を狙う、カウント別でどう打とうかというのをやってきた。その中で佐藤旭の早打ちは違うでしょ、と話した。(準決勝へ)佐久長聖はたくさん投手がいる。相手どうこうじゃなく、場数を経験できるという中、新しいオーダーを考えて臨みたい」

◇先発した日本文理・鈴木裕太投手の話◇
「(3回の150キロについて)あの回に出たことは投げ終わってから聞いた。1、2回と自分の投球ができず、逃げの投球をしてしまった。監督から『直球は打たれてないから強気でいけ』と言われ、そこから気持ちを入れ直した。(3回は)直球一本で、冷静に変化球で曲げていけたらと思う。低めに制球しないと相手もいい打者が揃っていたので意識して投げたが、カウント取りにいった球を打たれてしまった。そこで変化球でかわそうとしたが、制球がいまいちで自分の投球ができなかった」

◇1回に2点適時打の日本文理・相場一成選手の話◇
「フルスイングで打つというのが持ち味。振り抜いた結果、セカンドの後ろに落ちたと思う。日頃からチームのために何ができるかを常に考えていたが、自分の武器は声を出すこと。チームのためにと意識してきた結果が、ああいう結果に結びついて嬉しかった。打ったのはインハイの直球。体が反応した。(一塁ゴロを好守で守った場面もあったが)自分は守備力がないので必死だった。スタメンは昨日の夜に聞いた。スタメンは久しぶりでやってきたことを出そうと臨んだ。(準決勝へ)やることは変わらない。しっかり声を出してチームのためにやっていきたい」

◇7回から3回無失点で抑えた日本文理・新谷晴投手の話◇
「(7回の登板でいきなり無死3塁のピンチだったが)味方のミスもあって仕方ないことなので、ここは絶対に抑えてやろうという気持ちだった。ピンチは嫌いではないので燃えた。9回は先頭を取ることが大事だった。1人1人、と意識した。(9回の三振も)スライダーも、その前のカーブもいい感じで決まり、その過程がよかった。きょうは変化球の制球がよかった。(監督から『やっと』と言われ)今までチームに迷惑をかけてきた。練習試合でも情けない投球だった。きょうはチームに貢献できたかなと思う。自分に任された仕事はしっかり果たしたい」


<石川県立>
①関根学園0-7星稜(7回コールド)
星稜 050 101 0 =7
関根 000 000 0 =0
(バッテリー)
星稜:寺西、萩原-山瀬
関根:西本、酒井-玉木
(二塁打)
星稜:寺西(2回)、東海林(2回)、河井(4回)、内山(6回)
関根:平塚(4回)
(本塁打)
星稜:南保(2回・3ラン)

関根学園の先発①西本航紀 この試合は変化球の制球に苦しんだ



2回表、星稜は2点を先制後、四番・南保良太郎が右越え3ランを放つ


関根学園は6回途中から左腕⑬酒井陸玖が登板


7回コールドで敗れた関根学園 北信越初勝利を挙げるなど収穫の多い大会だった

◆関根学園・安川巧塁監督の話◆
「いい勉強になった。西本もここまでずっと思い通りになってきて、ここで本人もだいぶ悔しがっていたので、いい勉強になったと前向きに考えたい。2点先制された時点で、西本の悪い癖で集中力が切れた部分で、初球に3ランを打たれた。ああいうところがこの夏の課題。得点されるのは仕方ないので最少失点で、と伝令で送ったが…気持ちの切り替えができなかった。春は西本におんぶにだっこだったが、夏は平野が戻って来るので西本の負担は減るかなと思う。(打撃は)相手投手が思ったよりも球速が出ていなかった中、打たなければいけないレベルだった。(日本文理の)鈴木くんと新谷くんを倒さなければ甲子園はない。もう少し健闘してほしかったのが本音。(4回の)無死1、2塁で5点差ある中、1点2点を返していい試合をするよりも、試合前から『こういうチームに勝たなければ甲子園はない』と強気で言っていたので、バントをせずに三番四番五番で強攻で点を取りにいった。あのワンチャンスをものにできたら、試合展開も変わったのかなと。(夏に向けて)星稜とやれることだけでも勉強になったので、この勉強を夏にいかせるかどうか、課題をクリアできれば。他県の1位と公式戦で戦えるのは本番でしか味わえない緊張感と経験ができる。選手たちがこれを機に夏に向けて変わってくれれば」

◆関根学園・西本航紀投手の話◆
「きょうは、きのうに続く連投で、自分の思った通りに投げられなかった。変化球でストライクを取れなかった。直球だけでは厳しい部分もあり、変化球でストライクが取れないのは痛かった。星稜の打者がスライダーやフォークを手を出してくれなかった。選球眼が相手が数倍上回っていた。低めの変化球が使えず、球が浮き、打ちやすいコースに行ったのは反省点。アウェーの中、戦える精神面をもっと強くしなければと思った。(収獲は)新潟県では対戦できない打者、甲子園出場経験のある格上のチームと戦えたことは収獲。夏は頂点を目指して、この北信越に出た経験をいかして夏に繋げたい」


◎3日のその他の試合結果◎
<石川県立>
②高岡商14-6金沢(7回コールド)
高岡商 100 10 30 0 =14
金 沢 000 2 40 0 =6

<金沢市民>
①佐久長聖3-2日本航空石川(9回サヨナラ)
航空 010 000 010 =2
長聖 000 100 101 =3


◎4日の準決勝の試合予定◎
<石川県立>
①星稜(10:00)高岡商
②佐久長聖(12:30)日本文理

(取材・撮影・文/岡田浩人)


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