【高校野球】中越 甲子園ベンチ入りメンバー紹介(前編)

「第100回全国高校野球選手権記念大会」に新潟代表として2年ぶり11回目の出場を果たした中越高校のベンチ入りメンバー18人と記録員を前編・後編の2回に分けて紹介する。

※名前・読み方・学年・守備位置・出身中学(硬式出身チーム)・身長体重・投打


①山本雅樹(やまもと・まさき)3年・投手
 直江津中 176センチ 83キロ 右投右打

この夏はエースとして新潟大会で先発を重ねてきた。直江津中で中2の夏に四番打者・一塁手として全国ベスト4を経験。中3から投手。「テレビで甲子園で戦う中越を見て、進学を決めた」と話す。入学時から本田監督が「今井啓介以来の逸材」と話し、2年に入ると実戦経験を重ねてきた。ただ、この夏は初戦で6失点。「チームに迷惑をかけた。体の開きが速かった。徐々に試合の中で修正する力がついた」と振り返る。大会が進むごとに調子を挙げ、準決勝、決勝は2試合連続で完投。最速142キロの直球とスライダーが持ち味。甲子園では「テンポよく、攻撃に繋がる投球をして、持ち味の直球で抑えたい」と意欲を見せる。

②小鷹葵(こたか・あおい)3年・捕手
 燕中 171センチ 80キロ 右投左打

四番で捕手、そして主将。チームの要である。新潟大会では打率・520、3本塁打、10打点と活躍。お立ち台では苦しかった2年4か月が頭に浮かび、涙を見せた。エリートではない。中学卒業時、希望した公立高校の受験に不合格。中越に入学した時も「最初ははじっこの方だった。みんなを下から見上げていた」。1年夏、投手に返球できなくなる「イップス」になり、「初めて野球をやめようと思った」。しかし「そこから這い上がろうと思った」。悔しさをバネに2年春からベンチ入り。去年夏は決勝で最後の打者になり、涙をこぼしたが、全てはこの夏に報われた。ただし小鷹の目標は甲子園に出ることではない。「新潟県民の皆さんの期待もある。まずは1勝しか見ていない。そしてもっと上へ行きたい」と前を見据える。

③安達大和(あだち・やまと)3年・一塁手
 片貝中 177センチ 77キロ 右投右打

春の県大会準々決勝で1試合2本塁打をマーク。パンチ力のある打撃が持ち味である。「地元出身の選手たちで甲子園に出て、優勝を狙いたい」と中越を志望した。2年秋の北信越大会からベンチ入りも、なかなか結果が出なかったが、「春の準々決勝で五番に上がり、(2本塁打という)結果を出せたことで自信がついた」と語る。スタンドからの応援ソングは名前にかけて『宇宙戦艦ヤマト』。甲子園では「自分のスイングをすること。そうすれば自然と結果が出る」と自然体で臨む。

④広瀬航大(ひろせ・こうだい)1年・二塁手
 分水中(新潟シニア)176センチ 66キロ 右投左打

「小さい時から中越のグレーのユニフォームがカッコいいと思ってきた。阿部拳斗さんや渡邉雄大さんの活躍を見ていた」と中越入り。1年夏から二塁手のレギュラーの座を勝ち取った。本田監督も「1年夏でのレギュラー起用は初めて」と話す期待の選手。新潟大会では思い切りのいい打撃でチャンスメイクや打点を稼いだ。「自分の役割を考えて、どうやったら勝ちに繋がるプレーができるかを考えた」と話す。甲子園では「いい投手相手でも自分の持ち味であるフルスイングをしたい」と話す。

⑤品田悠太(しなだ・ゆうた)3年・三塁手
 柏崎松浜中(柏崎シニア)169センチ 72キロ 右投左打

柏崎シニアでは捕手。「中学の時、中越が優勝した(2015年)のを見て入学を決めた」。入学後は1年秋から外野手に転向。三塁手を始めたのは3年春になってから。その後、初のベンチ入り、そしてレギュラーを勝ち取った。努力を重ね、「いろいろな守備位置に挑戦してチャンスを掴めたことがよかった」と語る。左投手相手でも結果を残し、本田監督の信頼も厚い。甲子園では「県大会と同様、繋ぐところは繋ぐ、走者を還すところは還せるよう、自分の役割を果たしたい」と力を込める。

⑥坂井翔太(さかい・しょうた)3年・遊撃手
 紫雲寺中(新発田シニア)174センチ 71キロ 右投右打

プロスカウトが注目する強肩・強打・俊足の三拍子揃った中心打者。坂井自身は「メンタルが弱かったので、そこを強くできる。自分が変われるきっかけができるのでは」と中越進学を決めた。1年秋から遊撃手。新潟大会では打率・417、1本塁打、11打点。「ボールを見極めることができ、いい結果に繋がった」と振り返る。「15、16年と中越の甲子園を見てきたが、長打で点を取ることが少なかった。今年は長打で得点したい」と自らのバットで勝利を引き寄せる。

⑦長岡真男(ながおか・まお)3年・外野手
 分水中(新潟西シニア) 172センチ 66キロ 右投右打

不動の一番打者。中学時代から外野手を経験。「甲子園に行きたかったので中越を選んだ」と話す。入学後は「練習が厳しくて、ついていけるかと不安だった」というが、1年冬から2年春にかけて、坂井ら仲間と一緒に夜遅くまで打撃練習をしてきた。その甲斐あって2年春からベンチ入りを果たす。甲子園では「四球でも安打でも自分が必ず塁に出て、中軸で本塁に還ってくる。最初にホームを踏みたい」と意気込んでいる。

⑧小出颯太(こいで・そうた)3年・外野手
 小千谷中(長岡シニア)175センチ 72キロ 右投左打

50メートル6秒1という俊足をいかし、外野守備でチームに貢献する。打順は九番だが、内野の頭を越える、外野の間を抜く、という相手の嫌がる打球でダイヤモンドを駆け回る。「2015年に甲子園に出場した代を見て、中越で甲子園に行きたいと思った」と入学の理由を話す。1年秋にベンチ入りも、2年は春夏秋ともベンチ外。苦手だった状況に応じた判断とプレーを練習で繰り返してきた。甲子園では「低い打球を打って先の塁を狙う。1点でも多く取りたい」と力を込める。

⑨山田叶夢(やまだ・とむ)3年・投手・外野手
 荒川中(新発田シニア)173センチ 76キロ 左投左打

右の山本ともに、中越の双璧をなす左腕。最速140キロの直球とキレのあるスライダーが武器も、今春に左ひじを手術し、今夏の新潟大会では打者3人だけへ投じただけだった。しかし、「実戦感覚が戻ってきた。変化球の制球もよくなってきた」と甲子園での投球へ、手応えを掴んでいる。中学3年生の時に、本田監督と話した時、「この監督についていけば甲子園に行ける」と直感したという。甲子園では「持ち味の真っすぐで空振りを取れる投球を」と復活を誓っている。

(取材・文/岡田浩人 撮影/嶋田健一)


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