第129回北信越高校野球大会は19日、準決勝が福井県営球場でおこなわれ、日本文理(新潟1位)が4-3で地球環境(長野2位)をくだし、決勝進出を果たした。日本文理が秋の北信越大会で決勝に進出するのは2010年以来3年ぶり(春は2011年に決勝進出)。
北信越大会は来春の甲子園球場でおこなわれる選抜大会の出場校選考の重要な参考となる大会。北信越地区の出場枠は例年2校で、決勝に進出した日本文理は3年ぶりの春の選抜出場に向けて大きく前進した。
大一番の準決勝に勝利し、校歌を歌う日本文理ナイン
◆19日の準決勝の結果◆
<第1試合>
地球環境 001 011 000 0 3
日本文理 002 000 010 1× 4(延長10回サヨナラ)
(投手)
地球環境 ①星野
日本文理 ①飯塚
日本文理が延長10回サヨナラ勝ちで選抜を引き寄せた。
日本文理の先発投手・飯塚悟史は初回のアウトを全て三振で奪うなど上々の立ち上がり。しかし、3回に2死1塁から地球環境打線に3連打を浴び1点を先制された。
延長10回149球で完投した飯塚悟史投手 被安打9で3失点だった
1点を追う日本文理は3回裏、二塁打を放った8番・鎌倉航を犠打で3塁へ送り、2番・黒台騎士(ないと)が右前へ同点適時打。さらに3番の星兼太がヒットで続き、4番・小林将也の中前適時打で逆転に成功した。なお2死満塁と攻め立てたが6番・池田貴将は内野フライに倒れ、追加点はならなかった。
3回裏、逆転中前適時打を放った4番・小林将也選手
しかし5回表、日本文理は守備が乱れてしまう。遊ゴロ失策とバントの悪送球で走者を出し、四球で1死満塁のピンチを招く。ここでエース飯塚が押し出し四球を与えてしまい、2-2の同点に追い付かれた。
さらに6回表、地球環境は左越え二塁打と投手前のバントヒットで無死1、3塁と日本文理の飯塚を攻める。ここで飯塚は連続三振を奪い2死とするも、1番・小川に右前適時打を許し、地球環境が1点を勝ち越す。
5回表、地球環境が満塁から押し出し四球で同点に追い付く
1点を追う日本文理は8回裏、1死1、2塁のチャンスで、6番・池田の遊ゴロ失策の間に2塁走者が還り、3-3の同点に追い付き、試合は9回で決着がつかず延長戦に。
8回裏、池田貴将選手の遊ゴロ失策の間に小林将也選手がホームイン 同点に
延長10回裏、日本文理はヒットと四球で1死1,2塁のチャンスを作ると、6番・池田貴将が左中間に適時二塁打を放ち、サヨナラ勝ち。接戦を制し、決勝進出を決めた。
延長10回裏、池田貴将主将が左中間にサヨナラ適時打を放つ
延長10回裏、二塁走者の星兼太選手がサヨナラのホームを踏み、喜びを爆発させる
サヨナラ適時打を打った池田貴将主将(先頭)
◇日本文理・大井道夫監督の話◇
「よく子どもたちが踏ん張ってくれた。飯塚は調子が悪かったが、悪いなりにあれだけ投げられたということはきょうで一皮むけて、もう1つ成長してくれるのではないか。(打撃は)相手投手のチェンジアップにやられた。池田は3回の満塁のチャンスにボール球に手を出していた。責任を感じているようだったので、(10回は)おまえで決めろと言った。北信越で優勝して神宮大会に行くと子どもたちと言っているのだから、あすは何が何でも勝ちに行く。選抜に選ばれるようあすの試合を頑張る」
◇日本文理・池田貴将主将の話◇
「嬉しい。(10回裏は)自分で決めるという気持ちで入ったが、ベンチ前を見たら飯塚と鎌倉がいて『お前だけじゃないんだから、しっかりつなげよう』と言われて、決めるという気持ちは捨てて『つなげる』気持ちだった。県大会の(準々決勝の)北越戦、(準決勝の)三条戦、(決勝の)明訓戦までで接戦の経験を積んできたからこそ、きょうもこういう試合ができた。決勝でも接戦でも諦めない気持ちを出し優勝したい」
◇日本文理・飯塚悟史投手の話◇
「こういう接戦の試合をモノにできたのが大きい。先制点をあげたくなかった。ブルペンでは思うように投げられていたが、こういう大一番で力が入って制球が乱れた。結果的に先制されてしまったが、そこで大量失点しないように気を付けた。自分の制球が乱れたこと、仲間がミスした後にカバーできなかったのが反省点。(最後は)池田はやってくれると信じていた。(決勝は)あすまでの時間を有効に使って、エースとしてゼロに抑える気持ちで投げたい。(優勝して)神宮大会で投げたい」
<第2試合>
東海大三(長野1位)5-2北陸(福井2位)
◆20日の決勝◆
日本文理(10:00)東海大三
(取材・文/岡田浩人)