第129回北信越高校野球大会は21日、決勝がおこなわれ、日本文理(新潟1位)が6-5で東海大三(長野1位)をくだし優勝した。日本文理が秋の北信越大会で優勝するのは2008年秋以来の5年ぶり(10季ぶり)3回目。日本文理は来春の選抜大会出場を確実にするとともに、11月16日から始まる明治神宮大会への出場を決めた。
◆21日の決勝の結果◆
東海大三 103 001 000 00 |5
日本文理 003 100 100 01× |6(延長11回サヨナラ)
(投手)
東海大三 ⑪中村-⑱平林(6回~)
日本文理 ①飯塚
日本文理が序盤の4点差を追い付き、延長戦でサヨナラ勝ち。持ち前の勝負強さを発揮した。
日本文理はエース飯塚悟史が先発。初回に1点を先制され、さらに3回にも東海大三打線につかまりヒット4本を集中され3点を追加される苦しい立ち上がりだった。
日本文理の先発・飯塚悟史投手は序盤で4失点と苦しい投球だった
日本文理は3回裏に反撃。竹石の犠飛で1点を返した後、なお走者2人を置いて6番・池田貴将が左越え二塁打を放ち2点を追加。この回、3点を返す。さらに4回には2番・黒台騎士(ないと)の右前適時打で同点に追い付いた。
5安打4打点と勝負強さを発揮した日本文理・池田貴将主将(右)
6回に1点を勝ち越されたものの、7回に追い付いた日本文理。試合は5-5のまま延長戦にもつれ込んだ。
延長11回裏、日本文理はヒットと2つの四球で1死満塁のチャンスをつかみ、6番・池田が左越え適時打を放ちサヨナラ勝ち。日本文理が北信越大会で優勝を飾った。
延長11回裏、日本文理の6番・池田貴将主将が左越えサヨナラ打を放つ
北信越大会を制覇し校歌を歌う日本文理ナイン
◇日本文理・大井道夫監督の話◇
「ほっとしている。神宮大会でリベンジしたいと思っていたので、これで神宮に行けるというのが正直な感想。子どもたちが最後まで諦めず、こういうゲームができるようになったのは精神的に強くなったのかなと監督の私が感心している。4点差つけられたので、あそこで慌てたらバタバタしちゃうのでまずは1点取ろうと。(3回は)普通は送りバントはしないんだけど、あそこで1点入って落ち着くだろうと。池田は主将として引っ張っていなかきゃいけないという気持ちが見えた。打順を上げなきゃかな(笑)。飯塚は前半悪かった。力がある選手だけにまだ物足りない。11回はこの回で決めるぞと。重盗はサイン。ここで勝負と思った。神宮大会は過去2回とも初戦負け。何とか先輩のリベンジをこの選手たちがしてくれると思う。(選抜へは)選ばれても恥ずかしくない力を付けて、冬の期間にもう1ランク上のチームになって選ばれたら頑張りたい」
◇日本文理・池田貴将主将の話◇
「11回はおまえが決めろと周りから言われたが、準決勝と同じように繋ぐ気持ちを忘れずにいった。打った瞬間は犠牲フライ十分という感じで決まったと思った。チャンスで回ってくるのは何かの縁。次の試合でもしっかり打っていきたい。飯塚がしっかり放ってくれたので助けたかった。文理は神宮大会で1勝もしていないので、文理OBのために絶対勝って歴史を塗り替えたい。(選抜甲子園へは)出させてもらえるなら勝ちにこだわってやっていきたい」
◇日本文理・飯塚悟史投手の話◇
「これまでは自分の世界に入りがちな部分があった。今は周りを見ようと心掛けている。技術面ではこの2日間は抜け球が多かった。1週間空いた時の調整を自分なりに考えなくてはいけない。(7回のピンチは)ここで1点取られたら向こうのペースと思ったので1点も取られたくなかった。1点取られてもみんなが打って取り返してくれる。それが心強く、優勝につながったと思う。全国制覇が夢。神宮大会で全国制覇に向けて頑張りたい」
(取材・撮影・文/岡田浩人)