【高校野球】日本文理と三条が決勝へ 北信越出場決める 春季県大会・準決勝

第140回北信越高校野球・新潟県大会(春季県大会)は11日、長岡市悠久山球場で準決勝2試合を行い、日本文理と三条が決勝進出を決め、6月1日から富山県で開催される北信越大会への出場を決めた。日本文理は6季連続37回目、三条は1981年春以来、38年ぶり(76季ぶり)3回目の北信越出場となる。12日は同球場で、日本文理と三条による決勝戦と、北越と村上桜ヶ丘によるシード順位決定戦が行われる。

準決勝②三条3-1村上桜ヶ丘
完投で決勝進出を決め、喜ぶ三条の2年生エース①丸山尊仁(みこと)


◎11日の準決勝の試合結果◎
<悠久山>
①日本文理5-4北越
→日本文理が6季連続で北信越大会出場

(バッテリー)
北越:幸田、大野-笠原
文理:安城、長谷川-佐藤
(二塁打)
北越:佐藤(3回)、小林(5回)
文理:瀬川(6回)
(三塁打)
文理:長谷川(1回)、齋藤(8回)
(本塁打)
北越:藤木(1回・ソロ)
文理:安城(4回・ソロ)

1回表、北越の一番打者・藤木航大が右越え場外に初球本塁打を放ち、先制


日本文理の先発⑩安城健汰


北越の先発①幸田大和


3回表、北越は2死2塁から佐藤圭の適時二塁打で松山琉人が生還 3-0に


3回裏、日本文理は無死2、3塁から長谷川優也の犠飛で桑原大起が生還


4回裏、日本文理は安城健汰の左越えソロ本塁打で1点差に迫る


5回表、北越は二塁打で出塁の小林健人が内野守備の乱れで生還し4-2に


日本文理は7回表から⑤長谷川優也(2年)が登板


北越は7回裏途中から⑩大野絢平が登板


7回裏、日本文理は2死1、2塁から長谷川優也(2年)の中前適時打で1点差に



8回裏、日本文理は齋藤現起(2年)の適時三塁打で同点に追いつき、さらに佐藤魁星の適時打で齋藤が生還し、5-4と逆転

◇日本文理・鈴木崇監督の話◇
「粘り強く…という試合が3試合目になり、終盤まで(粘り強く)ということを後攻が決まった時から9回裏までしっかりやろうと言っていた。北越高校の打撃陣に対し先制されたが、4点、5点は(OK)という中で投手陣はやってきた。安城の粘りも最低限、試合を崩さず、何とか終盤を迎えられよかった。(ずっとベンチで「落ち着いて」と言っていたが)それしかかける言葉がない私も選手には頼りないかもしれないが、日頃から(主将の)長坂を筆頭に声かけをしているので、選手に任せ、選手の目と神経で試合を運んでいるのでよくやってくれた。(安城は全体的に球が高かった?)これは安城の取り柄でもあるので、夏までの課題として向上途中。これを機に一皮、二皮むけてもらえるように…でもよく粘ってくれた。(長谷川への交代は)6回からか迷ったが、安城が頑張ってくれた。(攻撃は)左投手(相手)というフレーズがアレルギー的になっているのか…ただ練習はしてきているので何とかタイムリーをと思っていた。(8回の)齋藤が一発で決めてくれたのが大きかった。中盤までの試合運びと終盤での一発は今回経験できたが、夏に向けて中盤までにスタメンの選手への打点、そこの強化は図らなければ。(長谷川は)経験値含め、スタートでもいい当たりを打っていた。エラーはつきもの。(二番手投手として)3回を任せるぞという中、攻めの投球でしっかりやってくれた。(逆転できた要因は)5回のバント処理の失点が致命的になるのかなと思っていたが、粘ろう、粘ろうとできたことが選手ともども、何とか逆転を生んだと思う。(北信越出場が決まり)どの学校も力を持っている。正面からぶつかって、いい糧にしていきたい。何よりきょうは選手が頑張ってくれた」

◇日本文理・齋藤現起選手の話◇
「打ったのは内から真ん中寄りの直球。次の塁、次の塁と考えていたので打った時のことは覚えていない。ずっとスタメンの選手には後ろで準備しているので、全力でやってくれと伝えていた。(8回に守備から入ってからの初打席で)無死1塁で、甘い球を強く打つことを意識していた。タイミングだけを意識し振り抜いた。冬の間は夏に向けて最後までやり抜くことを意識し、体を作り上げてきた。体重は冬の間に5キロ増えた。安城さんが試合を作ってくれたので何としても繋ぐことを意識して打席に入った。(決勝へ)次も苦しい試合になると思うが、最後まで繋ぐ野球をしっかりやっていけたら」

◇日本文理・長谷川優也選手の話◇
「(7回の適時打は)打った球は覚えていない。投手が代わったが、四番の小林未さんから『大丈夫』と声をかけられたので落ち着いて打てた。(投手として7回から登板し)こんなところで負けられない。外は強気で、心の中では冷静にいこうと捕手の魁星さんからも言われていた。(悪送球の)エラーをした時から肩は軽かった。(141キロが出て)140キロ台が出たのは初めて。自分が3イニングをしっかり抑えようという気持ちでいった。(決勝戦へ向けて)きょうの勝利はいい収獲になった。次もしっかり勝って、北信越に行きたい」

◆北越・小島清監督の話◆
「(藤木の先頭打者本塁打は)ファーストスイングでよくとらえてくれた。打ち勝つこと…そうしないと夏はないと話していた。5点の攻防だと昨日から言っていた。こっちが5点目を取れずに向こうが5点を取った。点の取り合い、最終的に1点多くやってきたが、後半勝負で今回負けたのは…ウチも7、8、9回を大事にしてきたが…そこを文理が上回った。そこは完敗。(7回、幸田に打球が当たったのは)関係ない。もともと大野に代える気でいた。幸田は内角に制球よく投げていたが、たまに行った高めをとらえられていた。その精度を上げなければ。(長谷川投手を打てなかったが)投手は誰が出てきても…という打ち合わせは試合前にしていた。(この春を振り返って)公式戦を重ねるたびに選手の成長を感じた。この春は夏に向けて大きな収穫があった」


②三条3-1村上桜ヶ丘
→三条が1981年春以来の北信越出場、1970年秋以来の決勝へ

(バッテリー)

三条:丸山-小林
桜丘:堀、菅原-工藤
(二塁打)
桜丘:工藤(2回)
(三塁打)
三条:丸山(8回)

村上桜ヶ丘の先発⑩堀輝成


三条の先発①丸山尊仁(2年)


2回裏、村上桜ヶ丘は1死3塁から宮村翔の右前適時打で先制



6回表、三条は2死2、3塁から小林丈一郎の三ゴロ失策の間に二者が還り逆転


8回表、三条は丸山尊仁の三塁打で1死3塁とし、加藤禎孝の三ゴロエンドランの間に1点を追加 3-1に

◇三条・平澤周太郎監督の話◇
「丸山は完投したのは練習試合も含め初めて。よくやったと思う。相手の打線がいつ爆発するか怖かったが、堅い守備でも綻びが出る時がくるから我慢しようと話していた。よく我慢して2点取れた。継投のつもりだったが丸山の気持ちが充実していたので、捕手とも話しながら次の回、次の回ときて完投となった。ファーストストライクを厳しい、低めで取れるところが大きい。(3点目も丸山の三塁打からだったが)センスがある。よく打ってくれた。(得点は)ヒットエンドラン。ウチは点はどんな形でもいいのでしっかり取る、三塁の残塁率を少なくしたいとやってきている。教員24年目だが、最初は記録を担当していた。高校野球を見てきて、取れそうで取れないというのを何とかできないかと常々思ってきた。スクイズよりもエンドランは選手がやりやすく、やり直しが効く。よくこの場面で決めてくれた。(49年ぶりの決勝進出で)今回よかったのは(去年)秋に主将を中心に北信越に行くぞ、ベスト4に入れば行ける、三条が会場でもある、という中、(準々決勝で)王手をかけた中で負けた。悔しい負け方の中、自分たちの足りないことをやっていこうとやってきた。春に主将が北信越大会出場を目標に掲げて…よくやってくれた。辿り着いたことはすごい。(決勝戦へ)いつも通りやる。(日本文理相手に)子どもたちの気持ちが充実していれば。やりやすい環境を整えて思い切りやらせてあげたい」

◇三条・丸山尊仁投手の話◇
「この試合に勝つために、主将と捕手とどう組み立てていくかを相談し、北信越を決めるという目標に辿り着くために調整した。直球が投げたいところに決まった。9回を投げ切った完投は初めて。体力は未熟なものがあり、試合前は心配だったが、チームが勝つために考え、力が発揮できた。(2年生で背番号1で)プレッシャーはあるが、チームのためにやることは変わらない。(サイドスローは)中学の先生に勧められた。2回に得点されたが、その後、要所で締められたのが大きい。(3点目のきっかけとなった三塁打は)変化球を打ち崩さない限り得点は難しいと思っていた。内角低めの変化球を狙っていた。(北信越へ向けて)やることは変わらない。後ろを信じて自分にできることをやりたい。(決勝へ向けて)日本文理は三条高校が昔から倒したいと思っていた相手。チームスローガンである『チーム一丸は超一流を超える』を一丸となってやっていきたい」

◆村上桜ヶ丘・松田忍監督の話◆
「力不足。今回、ウチがここまで来たのは、チームとして選手がやってきてミスなくやれたこと。こうやってウチに1つのミスが出て、三条高校は自分たちの野球をやった結果。(2点を失った場面は)エラーだった。投手の堀は丁寧に打たせて取ることをやっていたので、守備がしっかり守ってやらないと可哀想だった。堀は持ち味を発揮してくれた。一番の春の収穫。あとは夏までに球の力と制球の精度を上げてほしい。(打撃は)狙い球のことも勉強しながらやってきたが、きょうは相手投手が上回った。ウチの打撃をさせてもらえなかった。まだウチの力不足。(春は)ベスト8を目標に選手は最初スタートしたが、選手たちが(べスト4を)勝ち取ってくれたので1つの自信にできればいい。はっきりしているのは、打撃もまだまだ。投手ももう1つ高いレベルを身につけてほしい。夏はどこも打力をつけてくる。(あすの試合に向けて)勉強できるので、夏のためにこれまで出なかった選手も試したい。北越は文理を追い詰めたチーム。打力も投手も強い。どこまでやれるか試すいいチャンスだと思う」


◎12日(日)の試合予定◎
<悠久山>
①シード順位決定戦
 北越(10:00)村上桜ヶ丘

②決勝戦
 日本文理(12:30)三条

(取材・撮影・文/岡田浩人 取材/松井弘恵)


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