【高校野球】日本文理が6季連続優勝 三条は準優勝 春季県大会

第140回北信越高校野球・新潟県大会(春季県大会)は12日、長岡市悠久山球場で決勝戦を行い、日本文理が11対3で三条をくだし、春秋の大会では6季連続26回目の優勝を飾った。優勝した日本文理と準優勝の三条は、6月1日から富山県で開催される北信越大会に出場する。決勝戦の前に行われたシード順位決定戦では北越が9対8で村上桜ヶ丘に勝ち、今夏の選手権新潟大会で北越が第3シード、村上桜ヶ丘が第4シードとなることが決まった。

決勝戦 日本文理11-3三条
1回裏、日本文理が長坂陽の2点適時三塁打で4-1とリードを広げる

◎12日の試合結果◎
<悠久山>
②決勝戦
日本文理11-3三条
→日本文理が優勝 両校が北信越大会へ

(バッテリー)
三条:熊倉、長谷川、外山、丸山-小林
文理:渡邊京、長谷川、池田-佐藤、関
(二塁打)
三条:井上大2(1回、3回)
文理:桑原(2回)、長谷川2(2回、8回)、中田(2回)
(三塁打)
三条:小林(3回)
文理:長坂(1回)

日本文理の先発⑱渡邊京(2年)


1回表、三条は井上大輝の適時二塁打で小林丈一郎が生還し先制


三条の先発⑦熊倉紳太郎


1回裏、日本文理は1死満塁から安城健汰の適時打で2人が還り、逆転


三条は2回途中から⑪長谷川聡太が登板


3回表、三条は1点を返した後、井上大輝の左中間適時二塁打で3-7と追い上げ


三条は6回から③外山大樹が登板 2回を無失点に抑える


日本文理は7回から⑤長谷川優也(2年)が登板


日本文理は9回に①池田真士が登板 先頭の四球を許すも最後は併殺で締めた


6季連続26回目の優勝を飾った日本文理


1970年秋以来の優勝はならなかったが、準優勝に輝いた三条

◇日本文理・鈴木崇監督の話◇
「もともと粘り強さ、先行されても慌てないところはあったが、今大会はずっとそういう展開が多かった中、そこで粘り抜けたのは選手たちの成長。試合の中で課題が出てきたのでそれを糧に選手には練習をしてもらいたい。課題は打つ球、見る球、選球眼をもう1つ2つレベルを上げなければ。積極さの中にボールを見極める姿勢、ちょっと打ちにいき過ぎているところがあった。準決勝、決勝と8回裏に複数得点できた。そこは今後も続けていきたい。(投手では)先発の渡邊は練習試合に向けた過ごし方と違うことを公式戦で経験できた。これを若手に伝え合って今後の練習試合に繋げてほしい。(登板がなかった)南(隼人)もこれからエンジンをかけると思う。(きょうのオーダーは)元気な選手からと思って。決勝という舞台で、成長してもらいたいと思った。ステージが選手を育てるということもある。みんなで勝つぞと話し、5試合だけではなく、きょうこそ勝って『みんなで勝つ』だからと朝、長坂が言っていたので、自分もそれに応えようと思った。何よりも8回の集中打、ああいうふうに繋がるのは選手たちにとってもよかった。(去年の春の優勝と比べて)去年は新谷と鈴木の2枚がしっかりしていたが、今回は3年生の頑張りがよかったのでは。北信越大会は他県の名前を見ても名のある学校。夏へ選手たちの奮起を期待したい。大会期間中、故障者なく過ごせたのでこれを夏につなげたい。夏は別物。去年は鈴木と新谷という柱がいる中だったが、今回は“小柱”しかいないが、あと2か月あるので、長坂筆頭に向かっていく気持ちを、こちらが束ねたい」

◇日本文理・長坂陽主将の話◇
「もう負けるのは嫌だと思っていて、勝つために取り組んできた結果。今までも変わらないが、勝たなければいけないというのは、より感じた代だと思う。勝ちにはこだわってやってきた。毎年負けられないのが日本文理で、それを引き継いでやっている。(課題は)目に見えない課題をクリアしたい。エラーは少なかったが、見えないエラー…きょうも盗塁の走者を挟んだ時に、二塁のカバーが入っていなかった。そういう見えないエラーを少なくしたい。(北信越大会へは)昨秋、負けて選抜を逃してしまったので、今回は優勝するつもりで頑張る。(難しい展開が続いた大会だったが)そういう試合を粘り強く勝ち切れたのは自信になったが、夏もこういう戦いをしてはどちらに転んでも分からない。もっと強くなって練習をして夏を迎えたい。今年の夏は絶対に負けない」

◆三条・平澤周太郎監督の話◆
「中盤よく凌いだので、3対7からもう1点取れていれば。そこが悔しいところ。継投は最初からそのつもりでいた。1まわりずつ4人でと思っていたが、あまりにも苦しい展開になってしまい、なかなかできなかった。(春の大会は)粘り強くなった。きょうも途中はピンチを凌いで0を重ねて、その中で次の1点を取る形はやれたと思う。長谷川はもっと早く交代する予定だったが、思いのほかよかったので粘らせた。外山は本来エースになってもらいたい選手。きょうのこの舞台できっかけをつかめればと思って出した。(北信越大会へ)きょう宿題をいっぱいもらった。お勉強は得意のはずなので(笑)その宿題をこなし、北信越では1点を上回って勝てるようにしたい」

◆三条・熊倉紳太郎副主将の話◆
「今大会は北信越出場、決勝まで行くという目標で臨み、決勝まで来ることができたのはよかったが、最後に日本文理に自分たちの力が及ばず、力不足を感じた。夏は絶対にこの借りを返して甲子園に行きたい。自分たちのよかったところは、武器であるエンドランや盗塁など足を絡めた細かい野球がうまく機能した。悪かったところは、最後に大事なところで負けてしまう精神的な弱さ、体力など、甲子園に行くための力が足りないと感じた。(投手としては)制球が武器だったが、高めにいき、打ち取ったと思っても外野に運ばれてしまった。夏は低めを心掛け、さらに練習を徹底したい。(北信越大会へ)新潟県代表として強豪と対戦できるのはいい機会。今大会悪かったところは見直し、よかったところは継続してできるよう、北信越大会で強豪を破れるように頑張りたい」


6季連続優勝の日本文理 6季連続37回目の北信越大会出場


準優勝の三条 1981年春以来38年ぶり3回目の北信越大会出場


①シード順位決定戦
北越9-8村上桜ヶ丘
→北越が夏の第3シード、村上桜ヶ丘が第4シード

(バッテリー)
北越:阿部、高橋哲、大野-笠原
桜丘:山田、菅原、堀-工藤
(二塁打)
北越:小川(2回)、大橋(4回)、髙橋哲(7回)、佐藤(8回)
桜丘:角屋(8回)、工藤(8回)
(三塁打)
北越:大橋2(6回、9回)、佐藤(9回)
(本塁打)
北越:髙橋哲(8回・2ラン)

北越の先発⑪阿部柚士郎(2年)


村上桜ヶ丘の先発⑬山田尚幸(2年)


2回表、北越は2死1、2塁から小川翔平(左)が中越え二塁打を放ち2点を先制


5回裏、2つの押し出し四死球で逆転した村上桜ヶ丘は宮村翔の適時打で4-2に


北越は5回途中から③高橋哲也が登板


同点に追いつかれた村上桜ヶ丘は7回裏、菅原の右前適時打で勝ち越し 5-4に



8回表、同点に追いついた北越は高橋哲也の右越え2ランで勝ち越し 7-5に



8回裏、村上桜ヶ丘は満塁から工藤健太の左越え二塁打で走者一掃 8-7と逆転


9回表、同点に追いついた北越は笠原拓朗の適時打で三塁打で出塁の佐藤圭が生還 9-8に

◇北越・小島清監督の話◇
「(苦笑した後)疲れました。(準決勝からの切り替えは)みんな悔しい気持ちはあったが、もう1試合あるという意味づけが大事だと話した。(第3)シードを取る試合、公式戦の6試合目を戦える意味は、『もう夏の大会が始まっている』という気持ちで選手は臨んでくれた。(投手は)幸田と大野以外の投手を公式戦で投げる場をいただいたのはウチにとってはいい収獲。よく投げてくれた。(逆転、逆転だったが)7、8、9回できのうの準決勝はまくられたので、きょうは『7、8、9回で勝負だ』と、『きのう届かなかった1点差をきょうはモノにするぞ。後半勝負』という意識だった。(9回は)よく繋いでくれた。今大会は色々な試合が経験できた。逆転も接戦も。夏に6つ勝ち抜くのは容易ではないので、体力、心のスタミナ含め、課題と向き合っていきたい」

◆村上桜ヶ丘・松田忍監督の話◆
「最後は勝てそうな雰囲気もあったが…ウチにすれば上出来というとおかしいけれど、目指してきたことがプレーで発揮できるようになった。収獲の春。夏に繋がる大会になれた。(終盤は点の取り合いだったが)パワーは北越さんの方が1つ上。ただ向こうのミスにつけ込み、接戦に持ち込むことができた。2年生の投手(山田)も経験できた。堀は疲れがあった。制球が勝負だったが、甘くなってしまうと力のある打者には…。夏を考えた時にはまだまだ力不足だが、よくなる要素がある。(石井と堀で)両輪で引っ張っていって力をつけてほしい。そして打力をアップする。ここまでやれるチームじゃないと思っていたが、選手たちがよく頑張ってくれた。本当は文理とやりたかったが(笑)。(夏に向けて)もっとディフェンス力を高めないと。本来はこ8対9という試合を目指しているチームではない。5点以内の勝負をできるチームにしなければ」

(取材・撮影・文/岡田浩人 取材/松井弘恵)


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です