夏の甲子園出場を懸けた「第１０１回全国高校野球選手権・新潟大会」は１４日、４球場で３回戦８試合を行い、ベスト１６進出の８校が決まった。鳥屋野球場では第１シードの日本文理と長岡商が、五十公野球場では第３シードの北越と十日町が、悠久山球場では春の県大会準優勝で第２シードの三条を破った佐渡と連覇を目指す中越が、佐藤池球場ではともにノーシードの三条東と新潟が、それぞれベスト１６に名乗りを挙げた。１５日は４球場で３回戦８試合が行われ、ベスト１６が出そろう予定。

五十公野②十日町３－２新潟工
９回表、十日町が２死２塁から岡田陽亮（３年）の中前適時打で猪股亮佑（３年）が生還し、勝ち越し

◎１４日の３回戦の試合結果◎　※記録と氏名は新潟県高野連発表
＜鳥屋野＞
①日本文理５－０新潟県央工

（バッテリー）
県央：多田純一郎、滝沢拓豊－長谷部凌我
文理：種橋諒、渡邊京－佐藤魁星
（二塁打）
県央：多田純一郎（３回）
文理：佐藤魁星（８回）
（三塁打）
文理：長坂陽（７回）

日本文理の先発⑪種橋諒（２年）

新潟県央工の先発①多田純一郎（３年）

５回裏、日本文理は主将・長坂陽（３年）の犠飛で小林未来雄（３年）が生還し先制

新潟県央工は７回から滝沢拓豊（２年）が登板

７回裏、日本文理は２死１、２塁から長坂陽の左中間適時三塁打で２点追加

日本文理は８回から⑱渡邊京（２年）が登板し、完封リレー

◇日本文理・鈴木崇監督の話◇
「きょうは種橋。頑張った。落ち着いて、自分のテンポで投げ、無駄な四球もなかった。前回の県央工の試合を見させていただき、落ち着いているチームという印象だった。（長坂が３打点で）きょうはしっかり打って締めてくれた。今までやってきたことをしっかり出すこと、予報が雨予報が続いていたので、体調をしっかり整えようと話した。（終盤に加点して）試合の中のリズムや相手のあることで、自分たちの思い通りにいかない時に我を忘れないこと、春も経験できたことや練習の成果。（次戦へ）私も空回りしないようにと思っているが、選手たちがより一層そう思っている。いい方向に矢印を向けて力になるようにしたい」

◇日本文理・長坂陽主将の話◇
「（先制犠飛は）たぶん真っすぐ。後ろに長谷川もいるので四球でもいいという気持ちで立った。長谷川が控えているのは大きくて楽に打つことができた。得点が入ってよかった。（７回の三塁打は）たぶん変化球。来た球に反応しようというだけだった。緩く来た球に反応できてよかった。この一戦に、という気持ちは強く思っていた。チャンスで一本打ててよかった。（前の試合で３安打だったが）自分としては打てなかった２打席での結果を求めて練習してきた。秋も春も圧倒した戦いはなかったので、競った戦いは落ち着いていこうとチームで話している。（次戦へ）どの試合も気を抜かずにやってきた。負けられないのはどの試合も同じ。次も一戦必勝で勝てるように臨みたい」

◆新潟県央工・多田純一郎投手の話◆
「負けたが一番の投球はできた。コーナーを突くことができ、インコースを使って組み立てる投球はできた。リードされても『ここからが勝負だぞ』と監督に言われ、気合いを入れた。（文理打線は）少し怖い部分はあったが、自分の投球はできた。（印象に残っているのは）初回にインコースを突いて（三振を奪い）イニングを終えることができた時。（父親の転勤で福島から新潟に来て３年が経ち）チームに貢献できてよかった。（今後、野球は）どうするかはまだ考えていない。」

②長岡商２－１巻

（バッテリー）
巻高：村井孝輔、中川智樹－石倉拓馬
長商：目黒宏也－酒井翔真
（二塁打）
巻高：菅井琉雅（１回）、梅田圭健（９回）
長商：目黒宏也（５回）
（三塁打）
巻高：加瀬晴人（３回）

長岡商の先発①目黒宏也（３年）

１回表、巻は四番・菅井琉雅（３年）の左前二塁打で１点を先制

巻の先発⑱村井孝輔（２年）

５回裏、長岡商は１死１、２塁から目黒宏也の右越え適時二塁打で同点に追いつく

長岡商は５回裏、１死２、３塁から堀井光輝（３年）の犠飛で平澤駿弥（３年）が生還し、２－１と勝ち越し

巻は６回から⑪中川智樹（２年）が登板

９回表、巻は２死２塁から荒木空（３年）が右前安打で１、３塁とし粘りを見せる

１点差を逃げ切った長岡商のバッテリー　４回戦は春惜敗した日本文理との再戦

◇長岡商・目黒宏也投手の話◇
「（立ち上がりは）腕を思い切り振ることができていなかったのが打たれた理由。もっと思い切り振ることを意識し、相手を打ち取ることができた。逆転した後、気持ちが楽になり、もう１点もやらないという気持ちだった。（５回の適時二塁打は）低めの直球。長打は狙っていなかった。内野の間を抜ければと思っていたが、結果的に外野の頭を越えた。つなぐ意識が安打につながった。（終盤は相手打線に粘られたが）甘い球ではなかったが、食らいついて打たれた。前の打者で打たれた反省をいかして落ち着いて抑えることができた。冬はウェートトレーニングや走り込みで集中して鍛えたことがいきている。（春の文理戦は）自信になった部分もあった。春の経験をいかした配球で向かっていきたい。緊張する部分もあるが、また強いチームと試合ができるというところでは楽しみ」

◆巻・清水一弥監督の話◆
「この選手たちは決して力のない選手たちではなかったが、どうしても気持ちが弱いところがあり、相手に負ける前に自分に負けるところがあった。自分で限界をつくって、諦めたり逃げたりするところが多かったが、最後のああいう場面で逃げてしまったら人生もきっと逃げてしまうから、ここは挑んでほしいと思った。３年生が最後にきちんと逃げずに立ち向かった。それは成長したのでは。（春は初戦で５回コールド負けだったが）きょうは一番こういう緊張する場面から逃げずに立ち向かえた。本当は結果が出れば一番よかったが…。そこは成長したし、これからも成長できる。（村井が好投し）勝っていたのでどこで代えようかと思っていたが、（２安打のみで）３点目を許さず粘った。（３年生へ）ある意味で『ほら見ろ。やっぱりおまえらできただろ』と言いたい。今までは自分たちでできないと決めつけていた、やってみなければわからないのにやろうとしなかった、でもやっぱりできるじゃないかと。さらに言うなら、もっとできるはずだと。先は長い。今度こそ挑戦してやってほしい」

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＜五十公野＞
①北越７－０見附（８回コールド）

（バッテリー）
見附：山口鉄心－穴澤大和
北越：阿部柚士郎、大野絢平－髙橋良輔、笠原拓朗
（二塁打）
北越：佐藤圭（５回）

北越の先発⑪阿部柚士郎（２年）

見附の主将で先発①山口鉄心（３年）

５回裏、北越は佐藤圭（２年）が満塁の走者一掃となる中越え三塁打を放つ

北越は６回から⑩大野絢平（３年）が登板

◇北越・小島清監督の話◇
「阿部は初戦よりは落ち着いていた。（打撃は）もっと打って欲しかったが、山口投手がよかった。５回はチャンスでの一本を佐藤圭が出してくれた。大事なところでの適時打は集中している証拠だと思う。２年生だけど勝負強い。２－０で終盤にいったらどうしようかと考えていた。（大野が初登板だったが）力まず、安心して見ていられた。課題は毎試合出てくるが一戦ごとに成長していければ。初戦は高めのボール球を振ってしまったので、きょうはそこで三振というケースはなく、修正できた。ただ一振りでとらえる精度を上げてほしい」

◇北越・佐藤圭選手の話◇
「先輩が繋いでくれたチャンスで絶対に打とうと打席に入った。甘い球を一発で仕留めることができてよかった。真ん中低めの真っすぐで狙っていた。中学時代に県大会初戦で満塁の場面で逆転サヨナラ打を打ったことがある。（同じ上山中出身の阿部が先発で）ずっと一緒にやってきているので何とか打ってやろうと打席に立った。アベレージよりも長打がウリ。打った瞬間はセンターを越えると思った。守備では先頭打者を抑えようと声を掛けていた。（目標は）冬場に先輩たちと一緒にやってきて、何とか先輩たちを自分が甲子園に連れて行くつもりでやってきた。大会に入ってからチームのムードは上がっているので、このまま甲子園に行きたい」

②十日町３－２新潟工

（バッテリー）
十日町：長谷川廉－西川嵩峰
新潟工：村山拓海、谷澤亮－濱谷侑輝
（二塁打）
新潟工：平方礼都（５回）

新潟工の先発⑪村山拓海（２年）

十日町の先発①長谷川廉（３年）

５回裏、新潟工は四番・宮澤俊斗（３年）の適時打で２－１と勝ち越し

６回表、十日町は羽鳥港（２年）の左前適時打で２－２の同点に追いつく

９回表、十日町は２死２塁から岡田陽亮（３年）の中前適時打で勝ち越し、３－２に

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＜悠久山＞
①佐渡１１－３三条（７回コールド）

（バッテリー）
三条：丸山尊仁、外山大樹、丸山尊仁、長谷川聡太、熊倉紳太郎－小林丈一郎
佐渡：橋本玲音、笠井凌介－野﨑大夢
（二塁打）
三条：関川達也（７回）
佐渡：野﨑大夢（４回）、三浦瑞己（６回）、海老名寿一（６回）
（三塁打）
佐渡：服部兼真（５回）、野﨑大夢（６回）
（本塁打）
三条：井上大輝（６回・２ラン）

②中越２２－２新発田農（５回コールド）

（バッテリー）
新発農：沼澤竜馬、葛見柊太、沼澤竜馬－山賀新
中　越：菅井道、阿部哲朗－佐藤旦陽、大野拓
（二塁打）
中越：富井新大（３回）、佐藤旦陽（４回）、菅井道（４回）、上村脩葉（４回）
（三塁打）
中越：廣瀬航大（４回）、富井新大（４回）、上村脩葉（４回）
（本塁打）
中越：五十嵐公輔（４回・２ラン）

＜佐藤池＞
①三条東１０－１新津工

（バッテリー）
三条東：浅生田良、浅田隼也－三ツ井洸太
新津工：太田幹也、澁谷貴矢、川内永季也－宮本和輝
（二塁打）
三条東：和田海斗（２回）、霜鳥丈（４回）、加藤潤大（９回）
（三塁打）
三条東：霜鳥丈（６回）

三条東の九番・霜鳥丈（３年）は先制打を含む３安打３打点の活躍

新津工は６回裏、主将で三番の太田幹也（３年）の左前適時打で１点を返す

②新潟８－０柏崎工（７回コールド）

（バッテリー）
柏崎工：長谷川慧、上野匡翔、町田航輝－小川海大
新　潟：須栗久善、遠藤彰－田中雅大
（二塁打）
柏崎工：小山龍人（２回）
新　潟：三善悠太朗（１回）、小室幹太（４回）

新潟の先発⑨須栗久善（３年）は要所を締め、６回無失点

柏崎工は３回表無死から主将で一番打者の高橋大将（３年）が捕前バント安打で出塁

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◎１５日の３回戦の試合予定◎
＜鳥屋野＞
①万代（９：００）高田
②五泉（１１：３０）三条商

＜五十公野＞
①新潟商（９：００）糸魚川
②新潟西（１１：３０）長岡向陵

＜悠久山＞
①上越（９：００）新潟南
②新井（１１：３０）東京学館新潟

＜佐藤池＞
①新潟産大附（９：００）加茂暁星
②六日町（１１：３０）新潟明訓

（取材・撮影・文／岡田浩人　取材・撮影／松井弘恵　佐藤池撮影／武山智史　情報協力／各地の皆様）