夏の甲子園出場を懸けた「第101回全国高校野球選手権・新潟大会」は15日、4球場で3回戦8試合を行い、ベスト16が出そろった。鳥屋野球場では第5シードの高田と第6シードの五泉が、五十公野球場では第6シードの糸魚川と逆転勝ちの新潟西が、悠久山球場では昨秋準優勝の新潟南と第6シードの東京学館新潟が、佐藤池球場では加茂暁星と新潟明訓の私立勢が、それぞれ4回戦に駒を進めた。16日は試合がなく、17日に4球場で4回戦8試合が行われる予定。
佐藤池②新潟明訓4-3六日町
サヨナラ打の本田健人(3年・中央の帽子がない選手)を囲む新潟明訓の選手たち
◎15日の3回戦の試合結果◎ ※記録と氏名は新潟県高野連発表
<鳥屋野>
①高田6-5万代(9回サヨナラ)
(バッテリー)
万代:小熊恭平-堀川健太
高田:小林慶祐、矢坂大聖、小林慶祐、矢坂大聖-田中充
(二塁打)
万代:皆川青海(2回)
(三塁打)
高田:岩﨑宏真(4回)
②五泉7-0三条商(8回コールド)
(バッテリー)
三条商:井上優真-山田麻仁
五 泉:城丸洸紀、加藤昂大-佐藤芽吹
(二塁打)
三条商:宮島希連(6回)
五 泉:皆川大樹(8回)
(三塁打)
五泉:皆川大樹(3回)、長谷川泰輝2(5回、7回)、片野太陽(7回)
<五十公野>
①糸魚川4-0新潟商
(バッテリー)
糸魚川:渡辺勝誠-伊藤想
新潟商:三代川怜雄、町屋駿-白崎了宇
(二塁打)
糸魚川:渡辺勝誠(4回)
新潟商:三代川怜雄(8回)
②新潟西4-2長岡向陵
(バッテリー)
向 陵:長島蓮、笠井海人-小林瑶生星
新潟西:田辺隼人-長田義志
(本塁打)
向 陵:秋元陸馬(8回・2ラン)
<悠久山>
①新潟南12-0上越(5回コールド)
(バッテリー)
新潟南:清水響介-岩渕大
上 越:土井佑吹、笹屋丈太郎、清水達弥、大野駿、土井佑吹-宮橋康太
(二塁打)
新潟南:井口駿(1回)、清水響介(3回)
(三塁打)
新潟南:鷲尾太輝(1回)
上越は5回裏2死から七番・宮橋康太(3年)が四球を選び出塁
新潟南の先発①清水響介(3年)は5回参考記録ながら無安打無得点試合を達成
②東京学館新潟4-0新井
(バッテリー)
新井:岡本宏太、小林空-柳沢広大
学館:田村颯瀬、長谷川輝-渡邊勇士
(二塁打)
新井:岡本宏太(2回)
学館:其池勇哉(3回)、田村颯瀬(4回)、目黒颯太(4回)
(三塁打)
学館:古俣秀(4回)、目黒颯太(7回)
新井の先発①岡本宏太(3年)
7回裏、東京学館新潟は其池勇哉(3年)の左犠飛で目黒颯太(3年)が生還
<佐藤池>
①加茂暁星1-0新潟産大附
(バッテリー)
産附:坪野内椋也-梨本諒太、畠山祐輝
暁星:白勢悠貴-太田輝
(二塁打)
産附:辰村悠輔(2回)
加茂暁星①白勢悠貴(3年)
2回裏、加茂暁星は白勢の二ゴロの間に、二塁打で出塁した辰村悠輔(3年)が生還し1点先制
◇加茂暁星・高橋諒監督の話◇
「予想外の展開。相手は試合巧者で、こういう試合になることも想像していたが、1対0で守備が0で抑えることができたのが、秋春とここ一番でミスしてきた守備で選手たちの成長が出ていた。もう少し得点できると思っていた。(白勢は)常に走者がいたが落ち着いて投げることができた。白勢は後半からよくなるタイプで安心して見ていた。(打撃は)相手の坪野内投手がいい投球で、もう少し工夫ができたかもしれないが、点数を取るのが厳しかった。先制点を取ることができたのが大きかった。苦しい試合をものにしたのはいい経験。(次戦へ)どことやってもウチの野球ができるように、しっかり準備をしていきたい」
◇加茂暁星・白勢悠貴投手の話◇
「最初から緊張していたが、守備に助けられた。ブルペンから直球も変化球もよく、調子はよかった。チェンジアップとカーブが有効だった。初回の先頭打者へのチェンジアップで三振を取れたのがよかった。走者を出さず、無失点で抑えることを意識した。(ピンチでは)捕手が声を掛けてくれて『1点勝っているから点数をあげてもいいぞ』と言われ、気持ちが楽になった。(9回は)ここまできたら最後まで投げようと思っていた。今まで一番いい投球ができた。(次戦へ)中一日、しっかりケアして投げられるようにしたい」
◆新潟産大附・坪野内椋也投手の話◆
「僅差の試合になると思っていたので、先制されても味方の援護を信じ、次の1点をやらないようにと投げた。先制されてしまい、自分の失投で長打を許した。みんなに謝りたい。たくさんのピンチがあり、苦しい試合だったが守備に助けられた。背番号1をもらい、この試合は最後まで投げ抜くつもりだった。負けてしまったが最後まで投げ切ることができよかった。最高のチームで、明るい雰囲気で、スタンドの応援も力になった。ありがとうと伝えたい。去年夏はワンアウトも取れず、不甲斐ない投球をしてしまったので、自分が成長しなければと冬にしっかり練習してきた。最後の大会で自分の一番の投球はできた。(今後は)大学に進学して野球を続けたい」
②新潟明訓4-3六日町(9回サヨナラ)
(バッテリー)
六日町:青木与夢-岩﨑要
明 訓:山本大凱-吉田建人
(二塁打)
六日町:青木与夢(1回)
明 訓:五十嵐太一(6回)、本田健人(7回)、髙橋陽人(9回)
(三塁打)
明 訓:五十嵐太一(8回)、本望斗和(8回)
新潟明訓①山本大凱(3年)
1回表、六日町が青木与夢の適時二塁打で北村凌士(2年)が生還し、1点を先制
六日町①青木与夢(あとむ・3年) 5回まで明訓打線を無安打に抑えた
7回裏、新潟明訓は髙野蓮(3年)の中前適時打で、二塁打で出塁の本田健人(3年)が生還し、1-1の同点に追いつく
8回裏、新潟明訓は本田健人の中前適時打で勝ち越し。さらにこの後、1点を加え、3-1と2点差に
9回表、六日町は2死1、2塁から北村凌士の左前適時打で小林佳史(3年)が生還、1点差に
9回表、六日町は青木与夢の中前適時打で坂大豪輝(2年)が生還し、土壇場で3-3の同点に追いつく
新潟明訓は9回裏、2死2、3塁から本田健人が右前にサヨナラ打を放ち、激闘に終止符を打った
◇新潟明訓・島田修監督の話◇
「青木投手がいい投手で、手の打ちようがなかった。前半は流れがなかったので耐えるしかないと思った。追い込まれるまでは絞っていこう、打たされるのはやめなさいと話した。後半チャンスが来ればと思っていた。相手の守備も投球も粘りがあり、全然崩れてくれず、打って取るしかないという試合になった。3年生の意地に期待するしかない展開だったが、よく3年生が打ってくれた。(本田選手がよく打ったが)本田だけがきょうツキがあった。彼は信頼している四番打者。本田に回せという声に応えてくれた。春は打率が低かったが、一緒にティーを打つ中で風格が出てきた。チャンスに回ると確率が上がる。よく打ってくれた。(9回表は)この試合は山本を青木くんより先に降ろしてはいけないと思っていたのでいかせた。球数が増え、際どいところが外れ、ストライクを取りにいったところが打たれてしまった。同点まではOKと思っていたので焦りはなかった。高校野球は我慢比べ。耐えられるかどうか。そこは練習してきたつもり。2試合続けて高校野球の厳しさをたくさん教えていただいている。選手にはどんな練習よりもいい教訓になっている。(次戦は加茂暁星戦だが)春も対戦したが、きょう見たがものすごくバットが振れている。集中力がある。厳しい試合になると思うが、こちらも最大集中で最後まで諦めずやりたい」
◇新潟明訓・本田健人選手の話◇
「最後に打ったのはスライダー。変化球を狙っていた。チームの勝利に貢献でき、とてもうれしい。(8回の勝ち越し打は)打ったのは直球。後半になって球威が落ちてきた感じがして、タイミングが合って打つことができた。前の2年生2人がチャンスをつないでくれたので絶対に還さなければと思った。(春は)練習試合で結果が出ず、夏は絶対に期待に応えなければと思った。同点にされても切り替えて、次に自分に回ってくるので、そこで決めようと思った。(サヨナラ打の後)チームメイトから『やっと四番の仕事をしたな』といじられた。(次戦は加茂暁星戦で)次も四番打者として仕事ができるように頑張りたい」
◆六日町・青木与夢投手の話◆
「(目を真っ赤にしながら)公式戦の中では一番の投球ができた。秋は自分の自滅で負け、春も自分のバント処理のミスで負けてしまった。夏は絶対にミスで負けないようにと、バント処理やボールを低めに集める練習をしてきた。最後は打たれたが、ミスではなく、打たれて負けたので相手の力が上だった。きょうは海の日で、学校の友達が応援に来てくれて、すごい声援で、その中で野球ができたことはうれしかった。試合中は楽しんで投げることができた。(9回表の同点打は)盛り上がりがすごくて、一塁上で(歓声が)聞えてきた。明訓の一塁手から『ナイスバッティング』と言われ、試合後も握手をする時に明訓の選手から『ナイスピッチング』と言われ、うれしかった。明訓さんには次も頑張ってほしい。(今後は)大学でも野球を続けるつもり」
◎17日(水)の4回戦の試合予定◎
※16日は試合なし
<鳥屋野>
①日本文理(9:00)長岡商
②五泉(11:30)高田
<五十公野>
①北越(9:00)十日町
②新潟西(11:30)糸魚川
<悠久山>
①中越(9:00)佐渡
②新潟南(11:30)東京学館新潟
<佐藤池>
①新潟(9:00)三条東
②加茂暁星(11:30)新潟明訓
(取材・撮影・文/岡田浩人 悠久山撮影/武山智史 情報協力/各地の皆様)
応援しています。
アンチ私立高では無いのですが、公立高校に是非頑張ってもらいたいです。