夏の甲子園出場を懸けた「第101回全国高校野球選手権・新潟大会」は23日、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで準決勝2試合を行い、日本文理と東京学館新潟が決勝に進出した。第1シードの日本文理は初回から打線が新潟投手陣を攻略し、コールド勝ち。春はベスト16だった東京学館新潟は1点差で糸魚川を振り切り、初の決勝進出を決めた。決勝は24日の13時から同スタジアムで行われる。日本文理が勝てば夏は2年ぶり10回目、東京学館新潟が勝てば春夏を通じて初の甲子園出場となる。
第1試合 日本文理9-0新潟
1回裏、日本文理の四番・中田龍希(2年)が先制3ランを放ち、ガッツポーズ
第2試合 東京学館新潟2-1糸魚川
初の決勝進出を決め、ガッツポーズの東京学館新潟の投手⑪長谷川輝(3年)
◎23日の準決勝の試合結果◎
<ハードオフ>
①日本文理9-0新潟(7回コールド)
→日本文理が2年ぶり決勝進出
(バッテリー)
新潟:笹川拓馬、遠藤彰、笹川拓馬-田中雅大
文理:南隼人、種橋諒、池田真士-佐藤魁星
(二塁打)
新潟:田中雅大(3回)
文理:桑原大紀(4回)、中田龍希(4回)、佐藤魁星(5回)
(三塁打)
文理:佐藤魁星(1回)
(本塁打)
文理:中田(1回・3ラン)
日本文理の先発①南隼人(3年)
1回裏、日本文理は四球で出た走者を主将の長坂陽(3年)が犠打で2塁へ送る
1回裏、日本文理は1、2塁から四番・中田龍希(2年)が左越え3ランで先制
3回表、新潟は1死から一番・田中雅大(2年)が左中間二塁打を放つ
3回表、143キロの直球で三振を奪い、ベンチに戻る日本文理①南隼人
4回裏、日本文理は中田龍希の適時二塁打で2点を追加、7-0に
7回表、新潟スタンドは1000人による応援歌「丈夫(ますらお)」の大合唱
7回表、日本文理は⑩池田真士(3年)が登板、三者凡退で試合を締める
決勝進出はならなかったが、ノーシードから見事な戦いを見せた新潟
◇日本文理・鈴木崇監督の話◇
「今までで一番緊張し、喉が渇いた。先制、中押し、ダメ押しといい形になった。今までやってきたことを、と長坂主将が代表して言ってくれていた。私は特に細かい指示は昨日までにして、今日はしっかり行ってこいと言っただけ。この大会期間中、打つ球の見分けが選手は落ち着いてできている。練習してきた成果だと思う。投手陣は春の大会含め全員で頑張ってきた。その成果が結果として生まれると自信に変わる。。あすは集大成でコンディションを整えたい。(昨年敗れた新潟が相手で)意識するなということは無理にしても、準決勝という舞台で新潟高校とやることに集中しようと。一球一球と取り組んだ。(中田が5打点だが)またあした。あしたを楽しみにしている。ウチの看板を背負っている選手。(決勝へ)きょうはきょう。あすに向けて、一回落ち着かせて臨みたい。選手同士の繋ぎ、打線だけでなく、チーム内での繋ぎの強さを感じた。あす、最後のタスキをしっかり繋ぎたい」
◇日本文理・長坂陽主将の話◇
「(決勝進出を決め)率直によかった。ずっと一戦必勝の中でやってきたが、その中で去年負けた新潟高校に勝ててよかった。(勝因は)先手必勝で先制点を意識してずっと練習してきた。初回の3点が大きかった。(決勝へ向け)ずっと一戦必勝とやってきた中で、最後に本当の一戦必勝だと思う。もう一度、チームひとつになって挑みたい。先制点にこだわってやってきたので、次も先制点を取って、その流れでいきたい」
◇日本文理・中田龍希選手の話◇
「バスの中で先取点とミーティングで話していたので、自分のバットで何とか先取点を取ろうという思いだった。(1回の3ランは)打ったのは真ん中低めのスライダー。自然にバットが出た。(打球がスタンドに)入った瞬間は思いが込み上げ、うれしかった。(決勝へ)あすも一戦必勝で今まで通り気持ちを入れたい。しっかり寝て、明日を迎えたい」
◆新潟・後藤桂太監督の話◆
「日本文理はいいチームだった。今年は完敗だった。文理打線が低い打球で繋いで、強かった。こちらのペースを作ることができず、苦しい展開だった。(声援は)選手だけでなく、新潟高校一丸となって戦うと話していた。全校生徒が集まってくれて、その声援を背に我々も全力で戦った。(データについては)生徒が言うように相手の打者、投手の特徴がその通りだなと感じながら試合を進めた。それを上回る、文理の集中力が高かった。(新潟は今年は力のないチームと言ってきたが)体力も技術もなく、『史上最弱だ』と新チームは始まった。秋、春、夏と1つでも勝てるのだろうかという印象だったが、粘り強く努力をしてくれる選手たちだった。ここまでよく粘り、勝ってくれた。私の中でもひと夏で5回勝ったのは史上初。史上最弱のはずのチームが、史上最高の勝ち星を挙げてくれた。高校生のエネルギー、成長は凄いと感じさせてもらった。これからまた大きな志を持って世の中に出ていくのだろうと信じている」
◆新潟・笹川拓馬投手の話◆
「日本文理の力を見せつけられた。ただ、全力で最後までやることができてよかった。データ通りの攻めをしたが、四番の中田くんに1球浮いた球を運ばれてしまった。完敗。どの打順でも力強く振ってきて、力の差が表れた。長谷川くんには外のスライダー、長坂くんにはインコースの直球でどんどん行こうと思ったが、上手く返されてしまった。(6回はコールドになる危機だったが)7回に丈夫(ますらお)があり、全校生徒が来てくれたのでせめてそこだけでもと思い、失うものはないので全力で投げた。(2度目のマウンドは)打たれたら終わりの中、望みを繋ごうと思って投げた。自分のやりたい投球が初回はできなかったが、全体を通してみると自分のやりたいことはやることができた。日本文理が一枚上手だった。(今後は)ここからは受験勉強に切り替え、勉強で大学に入り、野球はまた考えたい」
②東京学館新潟2-1糸魚川
→東京学館新潟が初の決勝進出
(バッテリー)
糸魚川:渡辺勝誠-伊藤想
学 館:寺田仁、長谷川輝-渡邊勇士
(二塁打)
学 館:古俣秀(2回)
(三塁打)
糸魚川:岡﨑快陸(2回)
学 館:其池勇哉(5回)
試合前に気合いをいれる糸魚川ナイン
東京学館新潟のスタンドには約1000人の在校生が応援に駆けつけた
1回表、糸魚川は2死から池田向輝(2年)が中前安打で出塁も無得点
1回裏、東京学館新潟は2死から主将の渡邊勇士が右前安打で出塁も無得点
2回表、糸魚川は四番・岡﨑快陸(3年)の左中間三塁打でチャンスをつくる
2回表、糸魚川は無死3塁から五番・伊藤想(3年)の遊ゴロ悪送球の間に岡﨑快陸が先制のホームを踏む
2回裏、東京学館新潟は古俣秀(1年)の投強襲二塁打でチャンスをつくる
2回裏、東京学館新潟は犠打で1死3塁とし、寺田仁のセーフティースクイズで1-1の同点に追いつく
5回表、糸魚川は1死から九番・清水魁(3年)が左前安打で出塁
5回表、続く一番・日馬幸史郎(3年)も左前安打で続く この後、1死満塁に
5回表、1死満塁から池田向輝の右飛で、三塁走者の清水魁がホームを突くも、好返球でタッチアウト
5回裏、東京学館新潟は2死2塁から一番・其池勇哉(3年)の右中間適時三塁打で代走の小池涼(3年)が生還、2-1と勝ち越し
糸魚川スタンド 2時間以上の移動時間をかけ、大勢の生徒や市民が駆けつけた
6回表、糸魚川は渡辺勝誠の左前安打で1死1、2塁も後続が倒れ無得点
7回表、糸魚川は2死から山本力(3年)が全力疾走も二ゴロに倒れる
東京学館新潟の長谷川輝は7回以降、1人の走者も許さない好投を見せた
決勝進出はならなかった糸魚川だが、投打にハイレベルな力を見せた
◇東京学館新潟・長谷和昭監督の話◇
「選手たちが粘り強く、1回1回を戦ってくれた。相手の渡辺くんが好投手で、なかなか打ち崩すのは大変だろうなと思っていたが、ロースコアの試合を取れたのは大きかった。(継投は)寺田は持ち味を出し、ゲームを作ってくれたので合格点。二番手の長谷川は正直、表現は悪いが(4回戦の登板で1死も取れず降板し)一度死んだ選手。そこで『一度死んだ人間は強いんだ』と言い、強い気持ちで自信を持って行きなさいと言った。長谷川がきょうの一番の収穫。徐々によくなってきたので、何とかこれを自信にしてくれればと思った。ボールがよかったので投げ切ってもらうことが、あすの決勝へ行けるのではと考えた。(其池は)悪送球の失敗は切り替えようと。得点圏に走者を置いた時の選手の集中力は今大会のウチのチームの成長。選手たちは粘り強く成長してくれた。高校野球が終わった後でも、幾らでも社会で頑張っていける。次に繋げてもらえる野球を自然にやってくれている。(決勝は日本文理が相手で)隙のないチーム。ただウチも自分たちでできることを完全燃焼しようと言い続けてきた。あすの一戦も自分たちのできることを完全燃焼するということで戦いたい。ラストの1試合、選手たちの野球を思う存分やらせたい。」
◇東京学館新潟・長谷川輝投手の話◇
「今まで投手2人(寺田、田村)が繋いでくれた。自分もここで応えなければという思いで、一球一球全力で投げた。これまで結果が出なかったが、きょうは自分がやるという思いだった。直球が走っていた。(141キロは)自己最速タイ。(6回は)四球を出した後、今まではそこで潰れてきた。ここが勝負所だと思った。変化球でしっかりカウントを取ることができ、修正できた。自分はワンポイントの投手。1回、1球をしっかり抑えていけるように頑張りたい。(決勝は)自分の役割をしっかり果たしてチームに貢献できるよう頑張っていきたい。ここまで3人で切磋琢磨して練習してきたので、最後は3人の力を結集し、王者にぶつかりたい」
◇東京学館新潟・其池勇哉選手の話◇
「1年生の頃から甲子園出場が目標だった。きょうは自分のエラーで点を取られたので、その分も取り返そうという気持ちだった。(5回の勝ち越し三塁打は)これまで迷惑をかけてきた投手のためにも自分が試合を決めるつもりだった。一番打者としては出塁率を意識している。(決勝へ)とにかく出塁して、チームにチャンスを作りたい。明日の日本文理戦も挑戦者の気持ちでぶつかりたい」
◆糸魚川・伊藤修監督の話◆
「(渡辺は)悪くはなかった。よく投げた。(5回の攻撃後の守りが流れを変えたが)チャンスを潰した後で注意をしていたが、其池くんに勝負強く外の球を打たれた。塁も空いていたのでもう少し警戒していればよかったのかなと思う。(最後まで渡辺だったが)失点も2点だったのと気合いも入っていたので最後までという気持ちはあった。(東京学館新潟の守備が堅かったが)なんとか塁に出ればチャンスも広がると思ったがミスがなかった。最初は伊藤、岡﨑、日馬が打撃で引っ張るチームだったが、6月に入ってから湿りがちになり、今大会は渡辺1人で頑張ってくれている状態。投手が投げて、守るという守備型のチームだった。先制点はよかったが、あとが続かなかった。糸魚川市も野球部員が少なくなり、これから難しい状況を迎える。野球でも何か盛り上がるものがあればと思っていた。こういう形になりよかったと思う。全員で応援することがないので、こうやって集まってもらって応援してもらったのは学校にとってよかった。(佐渡で選抜甲子園に出場した際の監督である)深井(浩司)部長が来たことが大きかった。精神的なこともカバーしてもらった」
◆糸魚川・渡辺勝誠投手の話◆
「前半に点を取られ、相手の打線が一枚上手だった。相手に流れが行く場面で打たれてしまい、悔しい。(体調は)ここまで来たのでどうこう言っている場面でない。どんな調子でも1人で投げ切ろうと考えていた。相手の応援も凄かったが、ピンチの場面で自分の弱さが出た。打たれた後もバックが『大丈夫』と背中を押してくれて(泣きながら)本当は抑えてほしい場面で打たれたのに、周りのみんなが大丈夫と言ってくれた。みんなのおかげでここまでやってくることができた。(小学生の頃から一緒だった仲間で)チームワークがよく、他のチームに入ったことはないが、自分にとって一番実力があり、甲子園に行っても戦えるチームだと思っていた。(後輩へ)ここまで来ることができたのも後輩たちのおかげ。声掛けを忘れず、来年も頑張ってもらいたい。(今後は)大学に行って野球をやりたいと思う」
◎24日の決勝戦◎
<ハードオフ>
日本文理(13:00)東京学館新潟
(取材・撮影・文/岡田浩人 取材/松井弘恵 撮影/嶋田健一 撮影/武山智史)
日本文理おめでとう!昨日TVで投手の「気負わず」という言葉を頼もしく感じ、その陰に素晴らしいチームメンバー達と指導者がいるのを感じた。今年も文理らしい良いチームだ!でもまだまだこれからが勝負。粘りの野球、見せてくれ!ずっと応援しているよ。
文理高校の皆さま決勝進出おめでとうございます👍
やっとここまで来ました😆
後は、気持ちの持ちようだと思います❗
仲間を信じておもいっきり悔いの残らない用にプレーをして下さい🎵
一生懸命応援します🙇
いつもありがとう😉👍🎶
東京学館新潟高校初の決勝進出おめでとうございます!
粘り強く逞しくなった後輩を誇りに思います😄明日の決勝も粘り強い試合を期待してます。ここまで来たら甲子園に行きましょう!頑張れ〜!
新潟高校の選手のみなさん、お疲れ様でした。かわいいさわやかな笑顔をたくさん見せてくれてありがとう。
後藤監督には、新津高校在学中に選抜に連れて行って頂き、更に娘が新潟高校在学中は三度もエコスタで応援をさせて頂きました。感謝感謝です。
また、国立高校対箕島高校の試合を見てから高校野球に夢中になった私にとり、
県高が甲子園に出場することが夢であります。近い将来に実現することを願ってます。
大丈夫球児お疲れ様でした。関西でも我々OB達が必死に声援を送ったつもりだったけど残念でした。勝つか負けるかは時の運です。本当にお疲れ様でした。