来春の選抜甲子園の出場校決定のための選考資料となる「第141回北信越高校野球大会」は15日、石川県で準々決勝2試合を行い、新潟県勢で勝ち残った北越(新潟1位)が3対2で上田西(長野1位)をくだし、準決勝進出を決めた。北越が北信越大会準決勝に進むのは北越商時代の1980年秋以来39年ぶり。北信越の選抜出場枠は2で、大一番となる準決勝は19日に石川県立球場で行われる予定。
準決勝進出を決め、喜ぶ北越の選手たち
◎15日の準々決勝の試合結果◎
<金沢市民>
北越3-2上田西
→北越が北越商時代の1980年秋以来39年ぶりのベスト4進出
(バッテリー)
上田西:阿部巧雅、山口謙作-小林大将
北 越:阿部柚士郎-高橋大将
(二塁打)
上田西:柳澤樹(9回)
北 越:佐藤圭(8回)
北越の先発は主将①阿部柚士郎(2年)
1回裏、北越は2死1、3塁から重盗を仕掛け、3塁走者の佐藤圭(2年)が生還
同点で迎えた6回裏、北越は1死2塁から佐藤圭の右前適時打で松山琉人(2年)が生還し、2-1と勝ち越す
7回裏、北越は2死3塁から小川耀生(2年)の左前適時打で3-1に
ベスト4に進出した北越ナイン 春夏通じて初の甲子園出場を懸け準決勝に挑む
◇北越・小島清監督の話◇
「少ないチャンスをモノにできたのが大きかった。要所を締めることができた。相手を最少失点に抑えることができた。阿部は勝負所の球が非常によかった。よく併殺、内野ゴロに打ち取った。それがウチの持ち味。守備から攻撃に流れを持ってくることができた。(初回の重盗を仕掛けての先制は)もらったチャンスなので、こちらがリスクを冒してでも先制点が欲しかった。相手も落ち着く前で仕掛けていこうと思った。相手の阿部投手がいい投球で、なかなか打てないと思った。バットには当たっていたので球際をとらえてヒットに持っていこうと話した。選手には『重盗の1点で逃げ切れるほど甘くない』と言っていた。後半タイムリーを出すぞと言っていた。(6回の佐藤圭の適時打は)ウチの役者、松山、佐藤圭という打つべき人が打ったので、こちらに大きく流れを呼び込む一打だった。(3点目は)小川耀が(2死球と)当たっていたので(笑)『きょうは当たってるぞ』とベンチで話していた。冗談を言い合いながらやっていたので悲壮感はなかった。よくヒットゾーンに飛んでいってくれた。あの1点が大きかった。(9回のピンチは2点差で伝令を出し)あそこは走者は関係ないので、けん制も必要ないし、打者を1人ずつ取っていこうと話した。1点はOKだった。(準決勝へ)全然実感がわかないが、時間があるので考えて臨みたい。(阿部が中3日となるが)ピンピンしているので3日あれば。あす以降は普通に授業を受けて、練習して臨みたい」
◇北越・阿部柚士郎主将の話◇
「投球は最初はゼロで抑えて、いけると思っていたが、2巡目から対応力が今までのチームと違った。1巡目で通用した球が通用しなかったので我慢した。前の試合を振り返るとギアを上げるのが早かったので、(中盤は)通用しない球をいかにうまく使うかを捕手と話し、6回までその投球でいった。(勝ち越して)7回からギアを上げて、今まで投げていなかった球を投げ始め、直球もスピードを上げた。それが打者にうまくはまった。(併殺が大きかったが)内野ゴロを打たせて取ろうと低めを意識した。(野手と)コミュニケーションを取って補うことができた。(主将として準決勝進出について)新チームが始まった時から甲子園を目標にしていた。一戦一戦と試合をしてきたらここまで来た形。また次の試合も集中してみんなで勝ちたい。(日本航空石川が相手だが)地元の学校だが、相手ではなく、自分たちがチームで言い合っている『仲間のため』『誰かのため』ということを大事にしたい。そういう気持ちで練習すると妥協しない。(中3日だが)やることは変わらない。またみんなでうまくなって臨みたい」
(試合内容)※公式記録と異なる場合があります
・9回表 上田西 ⑥柳澤 右中間二塁打 ⑦飛鳥井 二ゴロで3塁 ⑧代打杉浦 空三振 ⑨小林 右前Hで1点 ①高寺 左飛 得点1
・8回裏 北越 ①松山 左飛 ②本間大 空三振 ③佐藤圭 中越えフェン直二塁打 ④本間圭 四球 ⑤高橋 左前Hも本塁アウト 無得点
・8回表 上田西 ②梅香 投ゴロ ③清水 中前H ④笹原 左前Hで1、2塁 ⑤阿部 二ゴロ併殺 無得点
・7回裏 北越 ⑤高橋 四球 投手交代 左腕⑩山口 ⑥小林 犠打で2塁 ⑦山﨑 遊ゴロ、3塁 ⑧小川耀 左前Hで1点 ⑨阿部 遊ゴロ 得点1
・7回表 上田西 ⑧水出 二ゴロ ⑨小林 見三振 ①高寺 空三振 無得点
・6回裏 北越 ①松山 左前H ②本間大 犠打 ③佐藤圭 右前Hで1点 ④本間圭 空三振 ⑤高橋 二盗失敗 得点1
・6回表 上田西 ④笹原 中前H ⑤阿部 投ゴロ、二塁アウトも一塁悪送球、走者2塁 ⑥柳澤 四球で1、2塁 ⑦飛鳥井 遊ゴロ併殺 無得点
・5回裏 北越 ⑥小林 遊ゴロ ⑦山﨑 空三振 ⑧小川耀 死球(腕…自分で1塁へ) ⑨阿部 空三振 無得点
・5回表 上田西 ⑧水出 右飛 ⑨小林 遊飛(好捕) ①高寺 右前H ②梅香 二盗(完全に盗まれる)、左前Hで1点 ③清水 牽制悪送球で2塁(守備タイム)、右飛 得点1
・4回裏 北越 ③佐藤圭 中前H(チーム初安打) ④本間圭 二ゴロ併殺 ⑤高橋 三ゴロ 無得点
・4回表 上田西 ④笹原 中飛 ⑤阿部 中前H ⑥柳澤 中飛(好捕) ⑦飛鳥井 遊ゴロ 無得点
・3回裏 北越 ⑧小川耀 死球(足…臨時代走) ⑨阿部 犠打 ①松山 右飛 ②本間大 空三振 無得点
・3回表 上田西 ⑨小林 中飛 ①高寺 中前H ②梅香 左飛 ③清水 遊ゴロ(Fineplay!) 無得点
・2回裏 北越 ⑤高橋 三ゴロ ⑥小林 空三振 ⑦山﨑 空三振 無得点
・2回表 上田西 ⑤阿部 空三振 ⑥柳澤 遊H ⑦飛鳥井 犠打で2塁 ⑧水出 中飛 無得点
・1回裏 北越 ①松山 右飛 ②本間大 遊ゴロ ③佐藤圭 四球 ④本間圭 暴投で3塁、四球で1、3塁 ⑤高橋 重盗で本塁生還、二塁はアウト 得点1
・1回表 上田西 ①高寺 二ゴロ ②梅香 四球 ③清水 一ゴロ、2塁 ④笹原 二ゴロ 無得点
(先発メンバー)
上田西:①遊 高寺 ②中 梅香 ③一 清水 ④右 笹原 ⑤投 阿部 ⑥三 柳澤 ⑦二 飛鳥井 ⑧左 水出 ⑨捕 小林
北越:①中 松山 ②左 本間大 ③遊 佐藤圭 ④一 本間圭 ⑤捕 高橋 ⑥二 小林 ⑦右 山﨑 ⑧三 小川耀 ⑨投手 阿部
<石川県立>
日本航空石川7-3敦賀気比
航空 001 101 040 =7
気比 000 110 100 =3
◎19日の準決勝の試合予定◎
<石川県立>
①佐久長聖(10:00)星稜
②北越(12:30)日本航空石川
(取材・撮影・文/岡田浩人)