【高校野球】北越「甲子園を意識して練習を」 21世紀枠・県推薦校表彰

来春甲子園で開催される「第92回選抜高校野球大会」の21世紀枠新潟県推薦校に選出された北越高校への表彰式が28日、新潟市の同校で行われ、新潟県高野連の富樫信浩会長から阿部柚士郎主将(2年)に表彰状が手渡された。阿部主将は「これまでの先輩たちのおかげ」と感想を話し、「常に甲子園を意識して練習しているが、チャンスをいただけたのでもっと工夫して練習したい」と意気込みを示した。

新潟県高野連の富樫信浩会長から表彰状を受け取る北越・阿部柚士郎主将

北越の野球部は1949年の創部で、春夏ともに甲子園出場はない。今秋の県大会ではエースの阿部柚士郎主将を中心に、8年ぶり4回目の優勝を果たした。10月の北信越大会では1回戦で北陸(福井3位)、準々決勝で上田西(長野1位)に競り勝ち、準決勝では日本航空石川(石川2位)に敗れたものの、ベスト4に進出した。

新潟県高野連は21世紀枠の県推薦の理由として、①通常練習しているグラウンドは非常に狭小で他部と共用だが、バッティング練習はバックネットに向かっておこなうなど工夫していること、②近年の県大会ではほとんどの大会でベスト8以上に進出しているほか、2年前の秋の北信越大会2回戦で準優勝の星稜(石川)と延長戦にもつれる接戦を演じるなど著しい成績を残していること、を挙げ、「野球に取り組む真摯な姿勢が他校や地域に良い影響を与えたことが高く評価された」と称えた。

阿部主将は「こういう形で新潟県代表になることはなかなかないことでうれしい。今までの練習や大会での成績が評価されたことは先輩やOBの人たちおかげ」と話し、小島清監督も「望んでもいただけるものではない。身が引き締まる思いで光栄」と感想を話した。

左から小島清監督、阿部主将、加藤寿一校長

勝てば一般枠での選出が濃厚だった北信越大会準決勝(日本航空石川戦)の敗戦から1か月余り。阿部主将は「悔しかった。力の差はあったが、自分たちのミスもあり、もう少しいい試合ができたはず」と振り返り、「甲子園まであと一、二歩のところまで行くことができ、レベルの高い試合を何試合も経験できた。甲子園が現実的なものになり、練習の内容や取り組み方も変わった」とチームの成長を実感している。

小島監督も「(選手は大会前と)全然違う。自信になった部分と悔しい思いがあり、もっとうまくなりたい、強くなりたいという気持ちが伝わってくる。いい経験をさせてもらった」と振り返る。

北信越大会ではベスト4進出 「自信と悔しさ」を胸にさらなる成長を誓っている

北信越大会準決勝で足を痛め、途中交代した阿部主将は「(診断は)右足の捻挫だった。少しずつよくなり、今は部員たちと一緒に練習できている」と明るい表情を見せた。「常に甲子園を意識して練習しているが、21世紀枠のチャンスをいただけたのでもっと工夫してやりたい」と意欲を示した。

小島監督は「どういう形であれ、甲子園出場は光栄なこと」と話し、「選抜は選んでいただく立場。常に実戦を意識して練習に取り組むことは変わらない。ただ(冬場は)体力を含め総合力を上げる大切な時期。チームとして個人として春に向けてベースアップできる練習をしていきたい」とこの冬の練習を見据える。

今後は12月13日に北信越地区5県の各候補校の中から地区代表が1校に絞られる。その後、来年1月24日に開かれる選考委員会で全国9地区代表から3校が21世紀枠に選出される。新潟県からは2003年に柏崎、2011年に佐渡が21世紀枠での選抜甲子園出場を果たしている。

(取材・撮影・文/岡田浩人)


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です