中学軟式野球の強豪で全国制覇5回を誇る星稜中学校野球部(石川)が21日に新潟入りし、県内で練習試合をおこなっている。来年2016年8月に新潟県で開催される全国中学校軟式野球大会(全中)を見据えた遠征で、21日は全中会場の1つ、三条パール金属スタジアムで地元・三条二中と上越・春日中と3試合を戦った。
春日中(左)と練習試合をおこなう星稜中(右)
星稜中は石川県金沢市の私立中学で、元ヤンキースの松井秀喜氏が活躍した星稜高校の中等部。全国大会での優勝5回(全中3回、全軟2回)、準優勝4回を誇る全国屈指の強豪校として知られる。
今回の新潟での練習試合は来年夏の全中を見据えた遠征で、会場の1つである三条パール金属スタジアムの協力を得て実施された。スタジアムは先週末の降雪で約15センチの積雪を記録し開催が危ぶまれたが、その後の陽気で雪解けが進んだほか、施設管理者が前日に土整備をおこない無事開催にこぎつけた。
◎21日の練習試合結果◎
<練習試合①>
春日中 000 000 0 =0
星稜中 001 001 × =2
星稜中の先発・河井陽紀投手(新3年)
<練習試合②>
三条二 000 000 0 =0
星稜中 201 100 × =4
星稜中の先発・竹内晃平投手(新2年)
<練習試合③>
春日中 000 30 =3
星稜中 010 00 =1 (5回時間切れ終了)
4回表、春日中が選手室橋竜也選手(新3年)の2点適時打で逆転
星稜中は「人間性も野球も日本一を目指す」がモットー。攻守交代の全力疾走や大きな声での挨拶、キビキビとした隙のない野球が特徴で、同年代のプレーに春日中、三条二中の生徒たちも刺激を受けた様子。
春日中の新保愛也主将(新3年)は「星稜中はアップの時から声が出ていて迫力があった。ユニフォームも星稜高校と同じだったが、何とかくらいついていこうと思った。点を取られる時は必ずエンドランなどの技を絡めてきた。ベンチが一体となって声を出していたところなど参考にしたい。このチームで全国優勝するのが目標なので、全国のレベルがわかってよかった」と感想を話した。
三条二中の藤島弘信主将(新3年)は「星稜中は試合の入り方が違って、チーム一丸となって声を出していた。フライ処理などもしっかり声が出ていた。打撃で全然打てずチャンスを作ることができなかった。星稜中の迫力を真似して今後の大会を勝ち抜きたい。去年の先輩たちが(全軟で)県大会まで行っているので上回れるように頑張りたい」と話していた。
星稜中の田中辰治監督は試合後、「これまで糸魚川市までは遠征したことはあったが、三条市は初めて。お互い刺激になったと思うし、今後につながるいいきっかけができた。チームは7年連続となる全国大会出場を目指していて、全国でも上を目指していきたい。星稜高校でコーチをしていた経験があるが、新潟の野球は変わったという印象を持っている。今後も交流ができれば」と語った。星稜中は22日は上越市で練習試合をおこなう予定。
(取材・撮影・文/岡田浩人)