【高校野球】中越が2季連続優勝 春季県大会

第132回北信越高校野球・新潟県大会(春季県大会)は11日、長岡市悠久山球場で決勝戦がおこなわれ、中越が4対0で新潟県央工をくだし、昨秋に続き2季連続、春秋通算14度目の優勝を飾った。中越と準優勝の新潟県央工の2校が6月6日から長野県で開催される北信越大会に出場する。決勝戦の前におこなわれたシード順位決定戦では十日町が上越に5対4で逆転勝ちした。

県央工打線を完封した中越⑩高井涼投手

◎11日の試合結果◎
<決勝戦>
中越4-0新潟県央工

県央 000 000 000 =0
中越 011 200 00× =4
→中越が昨秋に続き2季連続14度目の優勝
(バッテリー)
県央:堀、石橋-高野
中越:高井-波方

県央工の先発⑩堀俊介投手 4回を投げ4失点だったがこの春は大きく成長した


4回裏、中越が2死満塁から3番・小林史弥選手の中前適時打で2点を追加


5回から登板した県央工①石橋健哉投手 4回を投げ被安打1、無失点の好投


優勝の瞬間、中越の高井投手はマウンド上で軽くグローブを叩いて喜びを表した


2季連続14度目の優勝を果たした中越 夏は12年ぶりの甲子園出場を目指す


準優勝の新潟県央工 夏は7年ぶりの甲子園出場を目指す

◇中越・本田仁哉監督の話◇
「高井がよく投げて試合を作ってくれたのが第一。ナイスピッチングだった。3人の投手を試合の状況に応じて(使おう)と考えていたが、高井が最後までよく投げてくれた。(走者を背負ったこともあったが)点を取られたら交代もと思っていたが、しっかり低めに投げ切れたのが一番よかった。秋はああいう形で悔しさを最後に味わった。秋の優勝校と言われる中でどれだけプレーできるのかがポイントと思っていたが、ここまで勝ちきることができたのは気持ちの面で自覚をしてプレーできたのが選手の1つの変化。投手陣に厚みが出たのが大きい。高井は準決勝は悪くなかったが3失点して、3人の中で一番「きょう投げたい、やり返したい」というのが出ていたので、その気持ちに賭けてみようと思った。打線は小林、波方・・・打つべき人間が打って周りがつなぐといういい形が出せていた。(斎藤は)夏が本番。いい糧にしてほしい。(夏へ向けて)現状維持ではなく、結果に満足せず最後まで強くなれるという意識を大事にしたい」

◇中越・斎藤颯主将の話◇
「秋に(北信越大会で)悔しい思いをして、冬きつい練習をしてきて、チャンピオンというプレッシャーの中でみんなで優勝できて嬉しい。高井が落ち着いて投げることができたのが勝因。走者がいてピンチの時にも永井のいい守備で併殺での乗り切れて、攻撃も自分たちの打撃ができた。(北信越大会では)去年秋に悔しい思いをしているのでやり返す気持ちで、一戦必勝で戦っていきたい。小さいミスを修正したい」

◇中越・高井涼投手の話◇
「きのう調子を崩してしまい、きょうも投げたかった。きょう投げさせてもらって自分が挽回しないといけないと思い、強気で投げることができた。球場に到着してから先発を言われて『ヨッシャー』と思った。スライダーが切れていた。日頃の成果が出ている。短距離を重点的に冬場足腰強化を図ってきた。体も心も成長できた。満塁のピンチを抑えることができたのも心の成長。守備にも助けてもらった。打線も打ってくれて、気持ちよく投げることができた。9回を投げるのも完封も公式戦初めて。2回戦では緊張していたが、準々決勝くらいから気持ちが上がっていった。きょうは投げていくうちに楽しくなっていった。(エースの)上村がいて、自分もいる。チームの投手陣を支えたい。(北信越大会は)いつも通りの自分の投球をして一戦一戦全力で戦いたい。(夏へ向けては)甲子園しか見えていないので全力で戦いたい」

◆新潟県央工・高村俊洋監督の話◆
「この大会は堀で回していたので、きょうは堀、石橋の2枚で行こうと思っていた。堀はきょうは高めに浮いた変化球を中越に打たれた。いい勉強になったと思う。石橋は堀と競争してもらいたい。夏勝ち抜くのは1人ではダメだと思うので練習していけたら。この大会は5試合で先制して、きょうは先制された。取られた後の点の取り方をどのようにするか、先制された後に試合をどう作るかということが課題。(中越の印象は)やはり強いと思った。甘い球を見逃さなかった。(夏へは)投手をきっちり整備することと、あと1本出ていたらというのが反省。あと1本の集中力が課題」


<シード順位決定戦>
十日町5-4上越
上越 001 110 001 =4
十高 001 100 03× =5
→夏の選手権新潟大会は十日町が第3シード、上越が第4シードに
(バッテリー)
上越:岩﨑、塚田-細川
十高:渡辺、小林、高橋克-中條

上越の先発・2年生⑪岩﨑優大投手 7回まで2失点だったが8回につかまった


7回途中から登板した十日町のエース①高橋克幸投手 5奪三振で流れを呼び込んだ

◇十日町・関井徹監督の話◇
「ウチだけ(1回戦から)7試合をしているが、選手が自分たちで流れが悪くても流れを引き戻し、打って勝ってくれた。きょうは彼らに救われた。大会を通じて打つ方は成果が出た。守備もきょうはノーエラーだったし、もともと下手ではない。きのうも帰ってから遅くまで守備練習をしてきた。この大会中に兆しが見えてよかった。とにかく1つでも多く公式戦をやるということを最初に言っていた。苦しい試合を乗り越えていく中で最終日の景色を見ようと言ってきた。選手は大きな自信になったのではないか。自分たちがやってきたことは間違っていない、まだまだのところもあるが、ウチが一番勉強させてもらった春の大会になった」

◇十日町・高橋克幸投手の話◇
「(疲れは)少しあった(苦笑)。春は真っ直ぐできちんとコースに投げ分けて、たまに変化球を加えて打たせて取る投球を心掛けた。チームとして最後の日まで残るという目標があって、きのう負けたがきょう勝ち切れてよかった。だんだん自分たちの野球ができてきていると思った。去年秋、自分の失投で負けて、課題は制球と緩急をテーマにやってきた。冬場に体重は5キロ増えた。冬場にやってきたことが試合でできたのでよかった」

(取材・撮影・文/岡田浩人)

 


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